玄品ふぐ銀座店等、低カロリー高蛋白の鱧をコースで

【銀座新聞ニュース=2019年5月7日】とらふぐ料理専門の「玄品ふぐ」チェーンなど約90店舗を展開する関門海(東京本部・中央区日本橋茅場町1-9-2、稲村ビル、03-5649-0029)は5月10日から8月末まで「玄品ふぐ 銀座一丁目の関」(中央区銀座1-13-5、十一屋ビル、03-3567-8488)などで「ハモ料理」を提供する。

「玄品ふぐ 銀座一丁目の関」などで8月末日まで提供される「ハモ料理」の「松コース」。

関西以外では食べることの少ない「ハモ(鱧)」は疲労回復、免疫力向上、高血圧予防、美肌に効果があるとされている魚で、8月3日は「ハモの日」とされている。関西で「ハモ」のことを「ハミ」と呼ぶことから語呂合わせで、大辰水産が制定した。

ハモ初心者向けの「ハモセット」(ハモ落し、ハモすき、しめの素麺の3品、税別2980円)をはじめ、「梅コース」(ハモセットに「ハモカピタン漬け」と「デザート」がついて5品、3500円、飲み放題付で5000円)、「竹コース」(梅コースに「ハモと野菜の金ぷら」がついて6品、4500円、飲み放題付で6000円)、「松コース」(竹コースに「焼ハモ」がついて7品、6000円、飲み放題付で7500円)がある。

また、単品としては、「ハモカピタン漬け」(480円)、「ハモ落し」(1200円)、「ハモと野菜の金ぷら」(1150円)、「焼きハモ」(1700円)、「ハモすき」(素麺付き、2750円、追加でハモ1人前1000円、素麺1人前450円)。

ハモの栄養価を説明したイメージ。

ウイキペディアによると、ハモはウナギ目・ハモ科に分類される魚の一種で、沿岸部に生息する大型肉食魚で、京料理に欠かせない食材としてされている。全長1メートルほどのものが多いが、最大で2.2メートルにもなる。体は他のウナギ目魚類と同じように、細長い円筒形で、体色は茶褐色で腹部は白く、体表に鱗がない。

水深100メートルまでの沿岸域に生息し、昼は砂や岩の隙間に潜って休み、夜に海底近くを泳ぎ回って獲物を探す。肉食性で、小魚、甲殻類、頭足類などを捕食する。産卵期は夏で、浮遊卵を産卵するが、ウナギのような大規模な回遊はしないで、沿岸域に留まったまま繁殖行動を行う。

京都市では、生活に密着した食材で、スーパーにおいてもハモの湯引きなどが広く販売されており、季節の食材として扱われている。特に祇園祭の暑い季節に長いものを食べると精力がつくとして、ウナギと同じように食べる風習があり、夏の味覚の代表的なものとして珍重される。大阪市の天神祭でもハモ料理は欠かせない。

一方、関東など東日本では京料理を提供する高級日本料理店以外ではあまり目にしない魚で、関東のハモ消費量は関西の10分の1程度という。比較的臭みが強く、ウナギと同じように加熱しない状態では血液に毒性があるため、刺身など生では食べられず、必ず加熱処理が必要となる。

骨切りを施したハモを熱湯に通すと反り返って白い花のように開く。これを湯引きハモ(ハモちりと呼ぶことも)、または牡丹ハモといい、そのまま梅肉やからし酢味噌を添えて食べるほか、吸い物、土瓶蒸し、ハモ寿司、天ぷら、ハモの蒲焼や唐揚げなどさまざまな料理に用いられる。

また、骨切りしたハモと玉ねぎをしょう油ベースの割下で煮た「ハモすき」という鍋料理もある。さらに、ハモの身は上質なカマボコの原料に使われる。漁船の生簀(いけす)に入れると互いに噛みあって殺し合うため、市場に生きたまま運ぶのが難しい魚となっている。

食品の効果効能辞典によると、栄養面についてはカロリー(生)が100グラムあたり144キロカロリーで、成分としてはタンパク質、脂質、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、亜鉛などを含んでいる。

ただし、かつてはハモもウナギと同じように、ビタミンA(レチノール)が豊富といわれていたが、「五訂日本食品標準成分表」ではレチノール量が600マイクログラムから59マイクログラムに減らされているので、ビタミンA(レチノール)は多くない。

それでもハモには良質なタンパク質(18.5グラム)が多く含まれており、免疫機能の向上、体力向上、疲労回復に効果がある。また、脂質を構成する脂肪酸は一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と多価不飽和脂肪酸のオメガ3系に分類されるドコサヘキサエン酸(DHA)が多く、血中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らす働きがある。

ミネラル類ではカリウムが多く、ナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるので高血圧の予防に効果がある。また、ハモは骨ごと食べるので、カルシウムも豊富に摂れる。栄養価の比較では、ウナギ(255キロカロリー、タンパク質14.1グラム)、アナゴ(161キロカロリー、タンパク質14.1グラム)に劣るが、ハモは低カロリー高タンパクな食べ物で、骨を細かく砕いてから食べるため、カルシウムを多く摂ることができる。

中央区の近隣では、「銀座一丁目の関」のほか、「新橋の関」(港区新橋2-15-12、03-6268-8229)がある。

会社とウイキペディアによると、関門海は1980年に創業者である山口聖二(やまぐち・せいじ、1961-2005)が大阪府藤井寺市でとらふぐ料理専門店「ふぐ半」を創業したのがはじまりで、ふぐを下関を通さずに生産地から直接仕入れ、「てっちり」が1980円など安価にて料理を提供した。

1989年5月に「株式会社さかな亭」(2001年に「関門海」に改称)を設立、従業員への「のれん分け」をはじめたが、業績が下降し、1999年11月にのれん分け制度を廃止、各店舗を営業譲渡により本社直営とした。1999年7月に港区新橋に関東1号店「下関ふぐ新橋店」(現「玄品ふぐ新橋の関」)を出店した。

2002年6月から店舗名を「玄品ふぐ」に統一、2004年11月にはフランチャイズもはじめ、フランチャイズ「玄品ふぐ 銀座一丁目の関」を開店し、2005年6月に東証マザーズに上場、11月に創業者の山口聖二が事故死し、遺族3人が2007年2月に相続税を同社の株式で物納し、一時財務大臣(国)が筆頭株主となった。

2007年11月に創業者一族の資産管理会社「ヤタガラスホールディングス」が同社に対する株式公開買い付け(TOB)を実施し、財務省が応じ、主要株主がヤタガラスホールディングスになっている。ただ、関東財務局(国)が5386株(5.6%)を所有、3位の株主となっている。

2007年3月に「カネジ」を設立し、民事再生手続を申請して経営破たんした「かね治」より2億2000万円で総菜宅配事業の譲渡を受け、10月にサッポロビールと資本業務提携を結び(2012年8月に解消し、サッポロビール所有の5102株=5.3%=は当時、副社長だった波戸淳司=はと・じゅんじ=さんが約8000万円で買い取る)、2008年に「だいもん」を子会社化、回転すし事業をはじめ、11月にカネジとアクト・デリカを統合し「トドクック」に改称、2011年9月に「トドクック」を万代グループに譲渡した。

2011年11月期に債務超過に陥ったが、2012年5月に第三者割当増資を実施し、2013年3月期第3四半期連結決算で解消している。2018年3月期は売上高が前期比0.3%増の47億2500万円、営業利益が同15.9%増の1億9700万円、経常利益が同2.4倍の1億2500万円、純損益が3400万円(前期は1700万円の損失)と増収増益だった。

営業時間は銀座店が16時から24時30分(土・日曜日・祝日は23時30分)まで。無休。新橋店は平日が16時から23時、土・日曜日・祝日が12時から22時30分。無休。飲み放題は2人以上から利用できる。