ヴァニラで立花奈央子「女装の自由」展、女装者らとトークも

【銀座新聞ニュース=2019年5月10日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は5月14日から26日まで立花奈央子さんによる個展「女装の自由宣言-Cross Dresser’s Cosmos」を開く。

ヴァニラ画廊で5月14日から26日まで開かれる立花奈央子さんの個展「女装の自由宣言-クロスドレッサーズコスモス(女装者の空間、Cross Dresser’s Cosmos)」のフライヤー。

「フォトスタジオ大羊堂」(新宿区新宿6-8-5、新宿山崎ビル、03-6302-1779)の代表で、写真家、女装コーディネーターの立花奈央子(たちばな・なおこ)さんは「女装」をテーマに、女装者の写真を通して、女装とは、性別とは、美しさとは、そして幸せの形とは何かを問いかけてきた。

今回は最近のジェンダーフリーの流れとともに女装はよりカジュアルに、オープンになり、女装は自分だけのひそやかな楽しみから、ありのままの自分で繋がるためのツールに変化してきた。女装行為が当たり前にある世界観で、社会や人とどのように関わっていくのか。どのように生きるのか。自由に彩られた十人十色の答えが、見る者に新たな気づきを与えるという。「あの日誰かが夢見た未来に、私たちは今、立っている」といえる作品を展示する。

また、展示室Bでは、写真家活動10周年記念として立花奈央子さんがこれまで撮り続けてきたテーマのポートレート、筋肉、ぽっちゃり、創作写真などを展示する。未発表作品や撮り下ろしも含まれている。

ウイキペディアによると、女装とは、「女性用」と規定されている衣服、装飾品を男性が身につけ、これによって外見の衣装上は女性の姿になることをいう。男性の「異性装」といえる。1993年のアメリカの調査では、男性の6%が女装の経験があり、女性の3%が男装の経験があると答えている。

古代ギリシアでは、ギリシャ神話の英雄、アキレウス(Achilles)はトロイア戦争に参加すれば必ず戦死するとの予言があったため、アキレウスが戦争に加わるのを防ぐため、彼を女装させて娘たちのなかに置き、隠蔽しようとしたとする挿話がギリシア神話で伝えられている。また、古代ローマでも、「サテュリコン」などが伝える性風俗として、少年が女装して売春を行っていたことなどが記されている。

古代エジプトやオリエントには宦官制度(去勢された官吏)が存在し、男性の衣装とは異なる特別な服装で、女装に近い姿だった。中国もその歴史のほぼ全時期を通じて宦官が存在し、女装に近い独特な衣装であった。中国では、古代より女装した若い男性や青少年の売春が盛んで、てん足が女性の一般な風俗であった清朝(1644年から1912年)の時代にあっても、巧妙な偽装によっててん足しているかのような外見を作り、女装する男性が多くいたことが記録に残されている。

日本では、縄文時代、弥生時代には、男女の衣服があまり明確な区別を持たず、女装の定義を現代から窺い知ることは困難とされ、記紀においてはヤマトタケルが女装をして熊襲(くまそ)を撃つ場面が記述されていることから、日本においても女装の起源はかなり古い時期に遡ると推測されている。

「平家物語」には12世紀末の1180年に以仁王(もちひとおう、1151-1180)が謀反を起こし、発覚した際に、家臣の長谷部信連(はせべ・のぶつら、?-1218)が女装して脱出する奇策を進言し、脱出させることに成功したという逸話が残されている。

平安時代には、女人禁制の寺院で僧侶が稚児(ちご)と呼ばれていた少年を女装させて女性の代わりとする、といったことが日常的に行われるようになり、以降の男色(だんしょく)、衆道(しゅどう)といった同性愛文化の原点となった。

江戸時代には歌舞伎の女形などの女装少年が体を売る陰間茶屋(かげまちゃや)が武家などの上流階級だけでなく、庶民階級の間でも流行したりするなど、女装は男色、衆道文化の重要な要素のひとつとなっていた。歌舞伎においては男が女を演じる女形が存在した。

明治維新以降、西洋化に伴い洋装が標準の衣類となってくると、男女の衣服における差異は大きくなり、身体にぴったりと合う洋装では、女性用にデザインされた衣類を男性が着用するのが困難になっていた。ただ、明治期は司法省(1871年から1948年まで設置されていた)によって異性装禁止令が発令され、女装が法的に禁止されていた。

現代においては、女装をする人は1)身体は男性で、性的指向(恋愛対象)も女性であるが、女装することで服装違和を和らげようとする「異性愛異性装者」、2)身体は男性のままでいたいが、恋愛対象は男性もしくは両性で、女装をすることで服装違和を解消する「トランスジェンダー」、3)持って生まれた身体的性に違和感があり、性別適合手術を受け、なおかつ女装をして本来の性(女性)に戻る「性同一性障害(MTF)」の人。

4)「性の多様性」のアピールのために、女装を強調する同性愛者の男性が「ドラァグ・クイーン」、5)宗教的理由から、男性が女装して祭儀などを行うこと、6)呪術的な理由があると想定されるが、男児の早世を避けるため、女児の服装で育てる例があり、ヨーロッパの上流階級ではこのような習慣が20世紀までは普通にあった、7)母親または家族などが女児を欲していた場合に男児が生まれたとき、女児として育てるが、10歳になってもなお少女の服装で育てる、などがある。

立花奈央子さんは1982年千葉県生まれ、20歳頃からLGBT業界に携わり、特にトランスジェンダーや女装について造詣が深く、2009年3月に個展を開き、2010年に「コスプレイヤーのための2.5次元フォトレタッチガイド」を刊行、2011年に個展を開き、男の娘写真集「トラップ(TRAP)」を刊行、2013年に男の娘写真集「ゆりだんし」を刊行している。2010年から2013年まで合同展「ポートレート専科」に出展している。

18日17時30分から立花奈央子さん、女装者のさやぶ~さん(前半)、ノンバイナリー(男女どちらでもない)のケイ(Kay)さんと女装男子のユカ(Yuka)さん(後半)と「女装の自由宣言」と題してトークショーを開く。

前半のさやぶ~さんは化粧品検定1級の人で、「おっさんから少女へ変身する驚愕のメイク」を実況する。また、女装メイクについて2人で語り合う。後半のケイさんとユカさんとのトークでは、性別とパートナーシップについて語る。

19日17時30分から立花奈央子さん、美術評論家の宮田徹也(みやた・てつや)さんと、オトコの娘ブームの裏立役者とされる編集者の井戸隆明(いど・たかあき)さんと「オトコの娘ムーブメントの今、そして未来」と題してトークショーを開く。

25日17時30分から立花奈央子さん、 女装モデルの円谷伊織(つぶらや・いおり)さん(前半)、女装の料理家&フラワーデザイナーの杉(すぎ)なまこさん(後半)と「女装の自由宣言」と題してトークイベントを開く。

前半は立花奈央子さんが円谷伊織さんを相手に女装メイクを実況し、「職業女装」としてのモデル活動について語る。後半は歴史上の貴婦人が愛したお菓子とドレスを手作りする女装活動について語る。参加者は杉なまこさんが作ったお菓子をもらえる。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日は17時)。料金は500円。トークショーは事前の申し込みが必要で、参加料はいずれも2500円。

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