丸善日本橋で中島潔「越前和紙デジタル版画」展、サイン会も

【銀座新聞ニュース=2019年8月17日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は8月21日から27日まで3階ギャラリーで中島潔さんによる絵画展「新しい風」を開く。

丸善・日本橋店で8月21日から27日まで開かれる中島潔さんの絵画展「新しい風」に出品される新作「光る夢」(水彩)。

「緻密な筆致と鮮やかな色彩で郷愁を誘う童画や儚(はかな)げな女性画を温かく描く」、”風の画家”と呼ばれる中島潔(なかしま・きよし)さんが最新作を含む直筆画と越前和紙を使用した「レフグラフファイン」版画を展示販売する。また、書籍、グッズも揃えている。

レフグラフ ファイン版画はデジタル処理による複製技術で、従来の版画技術では再現がむずかしい高度な色彩表現を可能にしている。越前和紙の特性を活かして、プリントデータを何層にも積み重ねるが、印刷の度数=層(レイヤー)を重ねることで、デジタル状の「版」を制作している。

越前和紙の表面には特殊な油薬を施し、紙特有の紙質や生成の色合いを持ち、色の領域による再現範囲やモノクロの階調性を高め、絵画の持つ微細な色調や奥深さを再現している。顔料インクも退色の原因となる空気中の光やオゾンに分解されにくく、高い耐光性と耐オゾン性を可能にし、保存性に優れ、プリントを長期間に渡って保つことができるとしている。

インクは高い耐水性を備え、水ににじみにくく、水がかかってもインクが溶けにくいという特質をもっている。「株式会社 アートカフェ」(中央区日本橋小舟町11-13、日本橋NYビル)が開発した。

中島潔さんは1943年満州(現奉天)生まれ、佐賀県育ちで、高校卒業後、伊豆下田の金鉱で温泉掘りとして働きながら、絵を独学、その後、上京して広告の世界に入り、アートディレクターとして活動し、1971年にフランス・パリにわたり、美術学校にもぐりで学び、1976年に独立し、絵画の制作に専念した。

1982年にNHK「みんなのうた」の中の「かんかんからす」のイメージ画が話題となり、同年に初の個展を開いた。1987年にボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞、1990年に中国文化庁の招きで、海外初の個展を北京の故宮で開催、1998年に画業30年を記念して「源氏物語五十四帖」を発表した。

2003年にフランスにわたり、絵を制作、同年に「童画でつづる30年史」展を全国で開催、2010年に京都・清水寺成就院に「生命の無常と輝き」ふすま絵46枚を奉納、同年10月に佐賀新聞文化賞を受賞した。また、NHKが1996年に雑誌「ラジオ深夜便」を創刊(創刊時は季刊誌、1998年に隔月刊誌、2003年から月刊誌)して以来、現在まで表紙絵を描き続けている。

25日13時30分から中島潔さんによるサイン会を開く。会場で直筆画、版画、図録を購入すると、先着100人まで整理券をもらえる。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)で、入場は無料。