東宝19年映画、770億円で3年ぶり増、12月も2カ月ぶり増

【銀座新聞ニュース=2020年1月17日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)はこのほど、2019年の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年比27.4%増の771億318万円と、2016年以来3年ぶりに前年を上回ったと発表した。

2019年に日本だけで140億円の興行収入を記録し、年間1位となったアニメ「天気の子」((C)2019「天気の子」製作委員会)。

過去の映画営業部門興行成績をみると、2008年が前年比12.8%増の739億1460万円、2009年が同11.4%減の654億9331万円、2010年が同14.3%増の748億6961万円、2011年が同21.0%減の591億1111万円、2012年が同25.4%増の741億3577万円、2013年が同9.2%減の673億2289万円。

2014年が同8.4%増の729億6541万円、2015年が同0.3%増の731億5117万円、2016年が同16.8%増の854億2671万円と2014年から2016年まで3年連続で700億円を超え、とくに2016年は「君の名は。」の大ヒットもあって歴代1位の成績で、初めて800億円を超えた。しかし、2017年はその反動で同21.4%減の620億2311万円に落ち込み、2018年も配給作品数が少ないこともあって、同2.4%減の605億3664万円と2年連続で600億円台にとどまった。

興行通信社によると、2019年の東宝が配給した作品の興行収入(日本のみ)は1位のアニメ「天気の子」が140億円、5位の「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」が93億円、9位の「キングダム」が57億円、11位の「映画ドラえもん のび太の月面探査記」が50億円、13位の「マスカレード・ホテル」が46億円、15位の「記憶にございません!」が36億円、16位の「名探偵ピカチュウ」が30億円、19位の「コンフィデンスマンJP ロマンス編」が29億円と20位までに8点が入った。

一方、12月の映画営業部門興行成績(速報ベース)は前年同月比45.4%増の32億5417万円で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。

12月は例年、3月や8月と並んで観客動員数がもっとも多い需要期で、過去をみると、月別の映画営業部門興行成績を発表している2009年が39億円、2010年が62億円、2011年が49億円、2012年が42億円だったが、2013年に99億円、2014年に102億円、2015年に67億円、2016年に72億円、2017年に40億円と2013年から2016年まで60億円超で推移してきた。しかし、2018年は月別数字を公表した2009年以来、初めて20億円台にとどまったが、2019年は30億円を突破した。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(695スクリーン)の2019年の入場料収入(売店収入は除く)は前年比15.9%増の791億9210万円だった。また、12月の入場料収入は同3.3%減の67億3572万円だった。2013年6月発表からトーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

12月の新作は6日に公開された「ルパン三世 ザ・ファースト(THE FIRST)」、13日に「屍人荘の殺人」と「映画 妖怪学園Y 猫はヒーロー(HERO)になれるか」、20日に公開された「僕のヒーローアカデミア ザー・ムービー(THE MOVIE)ヒーローズ:ライジング」の4作品だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、11月30日、12月1日の週は「マチネの終わりに」が5週目で10位と、トップ10入りは前の週と同じく1本だった。

7日、8日の週は「ルパン三世 ザ・ファースト(THE FIRST)」が初週で2位と、トップ10入りは前の週と同じく1本だった。

14日、15日の週は「屍人荘の殺人」が初週で3位、「映画 妖怪学園Y 猫はヒーロー(HERO)になれるか」が初週で4位、「ルパン三世 ザ・ファースト」が2週目で5位と、トップ10入りは前の週より2本増えて3本だった。

21日、22日の週は「僕のヒーローアカデミア ザー・ムービー(THE MOVIE)ヒーローズ:ライジング」が初週で3位、「屍人荘の殺人」が2週目で5位、「映画 妖怪学園Y 猫はヒーロー(HERO)になれるか」が2週目で7位、「ルパン三世 ザ・ファースト」が3週目で9位と、トップ10入りは前の週より1本増えて4本だった。

28日、29日の週は「僕のヒーローアカデミア ザー・ムービー ヒーローズ:ライジング」が2週目で3位、「映画 妖怪学園Y 猫はヒーロー(HERO)になれるか」が3週目で6位、「屍人荘の殺人」が3目で9位と、トップ10入りは前の週と同じく3本だった。

12月の主な配給作品は「天気の子」、「マチネの終わりに」、「ルパン三世 ザ・ファースト」、「屍人荘の殺人」、「映画 妖怪学園Y 猫はヒーローになれるか」「僕のヒーローアカデミア ザー・ムービー ヒーローズ:ライジング」など。