「宣言」初日、人通りが少ない銀座、目立つ木村屋の「桜」

【銀座新聞ニュース=2020年4月8日】「緊急事態宣言」が出された初日、銀座の通りを歩てみた。昼過ぎがもっとも人出が多いだろうと思って、銀座通りに出てみたが、大型店も中型店も軒並み臨時休業とあって、ほとんど人出はなく、まばらだった。

「銀座木村屋」の入り口には両側に桜の木が飾られている。入り口のガラスには、花粉のようなディスプレーが施されている。

とにかく、ザッとみても、数えられるぐらいしかいないし、ほとんどスピードが上がらない車が、銀座通りで普通に走っているのが目につくぐらいだった。その中で、目立ったのがあんぱんで知られる「銀座木村屋」の入り口で、すでに都心で散ってしまった桜が、この店の両脇では「満開」になっていた。

「銀座木村屋」としては例年のことで、桜の飾りで入り口をにぎやかに見せて、行き交う人の目を楽しませているのだが、今年はとくに例年にはない殺風景な銀座の街並みの中では、目についた。その隣の山野楽器やミキモトでは、例年、本物の桜の木を飾っていたが、8日の宣言により、休業しているので、何もないところに、ポツンと飾られている木村屋の桜の飾りは、華やかさを演出している。

「筑紫樓」の37.5度以上の人の入店を断る珍しい貼り紙。

とにかく、政府が「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく緊急事態宣言を4月8日から発出したことを受けて、銀座三越、松屋銀座店、GINZA SIXなど大型店が並ぶ銀座で、きのうまでの賑わいから一転して、数えられるぐらいしかいない人出をみると、寂しさよりも、この国は大丈夫なのだろうか、とむしろ不安を感じてしまう。

ただ、百貨店など小売店の休業を求めているのが東京都知事の小池百合子さんぐらいで、政府も神奈川県も反対しており、その影響を受けてか、地方のアンテナショップは12日までの営業時間の短縮と週末の臨時休業を決めているところがほとんどで、多くは模様眺めになっている。しかし、店は開いていても、客足がほとんどないのが現実だ。

しかし、一歩、これら休業中の大型店の裏通りを歩くと、小さな飲食店が並んでおり、人通りも多かった。7丁目の中華料理の「筑紫樓」では、普通に営業しており、店に入る人もいたが、入り口階段手前に「37.5度C以上の方の入店はお断り」、という紙が貼られていたのが、あまりに珍しく、つい、目にはいってしまった(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します)。