「宣言」14日目、歌舞伎座前の弁当屋廃業、注文服店改装工事は時間短縮?

(写真説明は本文の後にあります)
【銀座新聞ニュース=2020年4月21日】「緊急事態宣言」が出されて14日目となる4月21日は、昨日と変わって、朝からが晴れ間が広がり、さわやかな4月の気候となった。朝からアメリカのニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となるアメリカ産WTI原油の先物価格(5月物)が1バレル=マイナス37・63ドルと史上初めてマイナス価格で取引を終えたというニュースが流れた。

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こういう話が出てくると、時間がとられてしまい、銀座を見に行く時間が遅くなり、夕方に街に出た。当初は日本橋界隈を歩いていたが、途中から歌舞伎座あたりを歩くことにした。歌舞伎座の裏の通りは、ほとんど人がいないし、小さな店は営業しているようだが、とにかく客足が少ないので、店に入る人もほとんど見かけない。

歌舞伎座は休業なので、その前は人が誰もいないという珍しい風景を見ていると、車道の向こうに「歌舞伎座前 木挽町 弁松」という歌舞伎座の弁当を手掛けていたお店が152年の歴史を閉じるという話が頭をよぎった。

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なので、交差点をわたって、実際に店の前に立つと、なかなかしゃれたお店が閉ざされ、ガラス扉には4月20日付の「閉店のお知らせ」が貼られていた。歌舞伎座と新橋演舞場のお客がこの店で弁当を買い求めていたようで、その両方とも新型コロナウイルスの影響で休業してしまい、お客がほとんど来なくなっていた。そのため、店を閉ざすことになったわけだ。

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そこから晴海に向かって歩いていると、「ストックプラス」という普段はほとんど前を素通りしていた店があり、本日は足を止めてみた。歌舞伎役者のシールを販売しているかと思うと、千社札シールや千社札ストラップなども売っており、「ただいま半額」が目立っていた。とにかく、小さなシールを大量に並べており、よく見ないと何が売られているのかわからない。ちょっと不思議な店で、歌舞伎座が開いていると、活気もあるかもしれなが、やはり、舞台が休業だと、営業していても、この店に入る客は少ない。

その先に「いわて銀座プラザ」が出てくるが、すでに休業しており、シャッターの下から灯りがもれるのが不思議な感じだった。これ以上先に行っても、築地に入ってしまうので、それは別の日にして、銀座4丁目に戻った。

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交差点の角にはかつては「ぐんまちゃん家(ち)」があったところに、今は「俺のベーカリー&カフェ」が店を構え、カフェは休業しているが、1階のベーカリーは営業している。それに週末も店を開いている。

カフェの休業のお知らせには、5月7日からの再開予定としているが、東京都の感染者数は連日100人を超える増加数と、まったく減る気配がなく、このままでは国も東京都も「宣言」の延長も視野にはいりつつあるだろう。しかし、この辺りは人通りが少なく、晴海通りの車の交通量はもっとも多いが、それでも歩く人が少ないと、パンを購入する人もあまり多くないだろう。

信号を渡り、中央通りと晴海通りをはさむ4丁目交差点に向かうと、普段は銀座のもっとも賑やかな場所だが、「宣言」前から大幅に減っており、今や信号を渡る人も少ない。もっとも淋しい場所になってしまった。

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注文服の3丁目の「ローロピアナ」は改装中なのだが、17時頃には早めに工事を終えてしまうのは、「宣言」により、時間を短縮しているせいなのだろうか。

いつも前を歩く松屋銀座店前は相変わらず、人が少なく、まるで「閉店(休業)」が普通の光景のように見えてしまう(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は4月7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

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画像の説明
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東京駅前のみずほ証券の電子掲示板に流れた「WTI-37.63(ドル)-55.90」のショッキングな表示。原油取引史上初めてのマイナス価格がついた。

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晴海通りには車が多いが、劇場前には歩く人もほとんどいない歌舞伎座。舞台再開がいつになるかまったく見通しの立たないのが残念だろう。

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4月20日をもって「廃業」した「弁松」。銀座でここまで弁当だけでしゃれた店を構えられたのはすごいの一言である。場所柄、こんご店をどうするのかが気になる。

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「歌舞伎と共に今に伝える江戸の味」という信念を知らせながら、閉店を知らせる紙。

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1階は営業時間短縮、2階のカフェは休業を知らせる紙を貼った「俺のベーカリー&カフェ」。場所はいいのだが、歌舞伎座の休業により、人通りが少ない中での営業を続けている。ただ、週末も営業するのは珍しい。

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相変わらず、人の少なさが淋しい4丁目交差点。左が和光、右が銀座三越。三越は一部、工事中だが、外から見ると、工事をしているのかどうかがわからない。

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まるで駅中の「キオスク」のような感じがする「ストックプラス」。シールの専売店なのだが、今ひとつ性格がわからない店で、隣には「たばこ屋」があり、このたばこ屋が兼業しているようだ。

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歌舞伎座の近くにある「一口いなり」で知られる「銀座白金や(ぷらちなや)」。「営業中」ののぼりがひと際目立つ。