ヴァニラ画廊で、川上勉、所伸一ら「幽霊画廊」、吉田怪談咄も

【銀座新聞ニュース=2020年10月14日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は10月15日から26日まで「幽霊画廊5ー幽冥ノ境」を開く。

ヴァニラ画廊で10月15日から26日まで開かれる「幽霊画廊5ー幽冥ノ境」のフライヤー。作品は所伸一さん。

ヴァニラ画廊が2011年11月に最初の「幽霊画廊」を開き、小妻容子(おずま・ようこ、小妻要=おずま・かなめ、1939-2011)ら16人の作家の作品を展示し、2回目の2015年8月は「地獄の窯も開くこの季節、ヴァニラ画廊は恨み辛み満ちあふれ、成仏できずに彷徨(さまよ)い続ける魂たちが一堂に集う幽霊画廊」として開いた。

2016年8月の3回目は「この世から肉体が朽ちてしまったとき、人の魂はどこに行くのでしょうか。それは答えの出ない問です。それゆえに古来より現世に残った魂、悲しみ、恨み、嫉妬、羨望等の言葉にならない思いを、さまざまな形で幽霊という形に託し、イメージしてきました。(略)他界が近くなるこのお盆の時期、さらに新たな作家陣も加わり、さらに広角から幽霊のイメージの深層に迫る3回目の幽霊画廊」を開いた。

2018年8月の4回目は「人間の無意識に潜む死者への畏(おそ)れと憧(あこが)れはまた、生きている人々の存在意義を根底から揺るがすのです。私たちとその祖先は、何に怯(おび)え畏怖(いふ)し結界をはり、そして祈祷をささげたのか。死装束(しにしょうぞく)の足のない幽霊から、あらゆる幽霊のかたち」を展示した。

2020年の5回目は「神域や死後の国は遠い隔絶された別の世界ではなく、現世に寄り添うように神々も霊魂も住まうと柳田国男(やなぎだ・くにお、1875-1962)は残しています。その寄り添った世界が、私たちが思うよりも、もっともっとすぐ近くにあるとしたら。5回目にして、最も恐ろしい幽霊画廊」としている。

今回はさまざまな幽霊をモチーフとした作品を国内外の現代作家が表現した作品と、2人のコレクターによる「最怖コレクション」を特別に展示する。また、物故作家の美しい幽霊画も披露する。また、オンライン配信による特別イベントも開く。

今回、出品するのは、特殊メイク、特殊造形などを手掛ける「リンクファクトリー(LINK FACTORY) 」を主宰する相蘇敬介(あいそ・けいすけ)さん、主に「死」をモチーフに乾漆という技法で制作している1968年生まれの彫刻家、川上勉(かわかみ・つとむ)さん、クロノ(KURONO)さん、2014年にヴァニラ画廊大賞展でヴァニラ賞を受賞した田村幸久(たむら・ゆきひさ)さん。

1956年三重県明和町生まれ、2007年にヴァニラ画廊で個展、その後、主に三重県で個展を開いている所伸一(ところ・しんいち)さん、ホラープロデューサーの夜住アンナ(よずみ・あんな)さん、イタリアのイラストレーターのゾエ・ラッケイ(Zoe Lacchei)さん、小妻要、自ら「ビタミン・アート」と評し、人形作家、パフォーマー、画家として活動した小山哲生(こやま・てつお、1944-2010)。

また、小説家・推理作家の折原一(おりはら・いち)さんのコレクション(岡本東子=おかもと・とうこ=さん、加藤=かとう=ゆわさん、玉川麻衣=たまがわ・まい=さん、山科理絵=やましな・りえ=さん)、1965年神奈川県生まれ、俳優のかたわら、幽霊画などの奇々怪々な「モノ」を収集する「怪異物蒐集家」の渡辺シヴヲ(わたなべ・しぶお)さんの怪異物コレクションも展示する。

17日19時から吉田悠軌さんと渡辺シヴヲさんによる特別イベント「幽霊画廊怪談夜咄 2020」をツイキャス(https://twitcasting.tv/vanilla_gallery/shopcart/28521)でオンラインで開く。料金は2100円。

吉田悠軌さんは1980年生まれ、オカルトスポットマガジン「怪処」の編集長を務めている。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日、最終日は17時)。入場料は500円。会期中は無休。入場に際してはマスク着用、検温などがある。時間指定有の完全チケット制で、定員制で1時間単位の時間指定で完全入れ替えとなる。ライブポケット(https://t.livepocket.jp/t/genk_kizimecca)を通じて予約する。当日券はない。