インド、1日の感染者減少へ、来たる大祭もホテルはがら空き?(43)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2020年10月20日】10月6日現在、全土の感染者数は660万人を超えたが、1日の感染者数は9万人台から7~8万人と減少傾向にあり、このまま推移してくれることを祈るばかりだ。

アマゾンから届いた新品スマホ。息子はネット通販好みで、注文品がしょっちゅう届く。昔、郵便事情が悪かったインドからは、考えられないことで、時代は変わった。

中国に次ぐ世界第2位の13億余という膨大な人口、感染者数がそれに応じて多くなるのは致し方なく、人口比率からいえば、世界ワーストのアメリカ(人口3億人超)の実質陽性者数350万人超に比べ、実質数100万人超と3分の1以下、致死率も低い。とはいえ、現在、死者数は10万人突破(20万人超のアメリカの半数)しているが。

いずれ、総感染者数が世界最悪になることは間違いないし、まだ予断は許さないものの、ようやく底が見えてきた感じだ。ただし、11月からの冬季シーズンは、また感染拡大が憂慮されている。暑いインドも、11月から2月は気温が下がるので、寒さが苦手なインド人は風邪を引きやすいのだ。

首都デリー(Delhi)など、東京並みかそれ以上に寒くなるので、再爆発が怖い。日本でも、インフルエンザとのダブル攻撃が懸念されているが、インドも同様である。年末には、感染者が1200万人を超えると予想されているだけに、ぶり返しが怖い。

さて、全国8位の感染州・当オディシャ(Odisha)だが(人口4600万人)、西の感染悪州マハラシュトラ(Maharashtra)やグジャラート(Gujarat)から帰省した移民労働者でホットスポットと化していたガンジャム地方(Ganjam)が抑制に成功し、希望が持てる現状だ。

シャオミ(中国国内シェア2位、世界4位)製の新品スマホ。日本ではあまり知られていないが、安い割に高性能とコストパフォーマンスに優れ、充電も最速、近年インドでも人気が高い。

総感染者数は23万人超だが、実質患者は3万2000人超と、6000人程減っている。死者は940人と、他州に比べ、極少だ。だたし、147人の州議会議員のうち47人が陽性、公・私営の銀行の陽性行員は3000人超に上っている。

なお、プリー地方(Puri、当地プリー・マニシパリティ=(Puri Municiplity)=を含む11行政区画と11ブロック=街区で総人口169万人)の実質患者数は1038人、死者は65人だ。

10月上旬で、雨季が明けつつある当地は秋の気配が忍び寄り、引き潮で汀が後退した波打ち際は、歩きやすく、高い空には、とんぼが舞っている。

クリケットには、絶好の日和。休校で暇を持て余した地元の子供たちが連日、夕刻前の浜でゲームに興じ、非常時とは思えぬのどかさだ。一見すると、平和な日常と何ら変わりないのに、見えないところでウイルスが跋扈(ばっこ)しているのだ。

ここ数日降りおさめとばかり降り続いた雨も、雲の具合を見ると、もうひと雨くらい来て、収まりそうだ。

暑くも寒くもない過ごしやすい陽気、例年なら秋祭りで賑わうオンシーズンなのに、コロナの妨害で、がら空きのプジャ(Puja)となりそうだ。

東インド、特に西ベンガル州(West Bengal)で盛大に祝われるドゥルガー女神(Durga)のお祭りが俗に言うプジャ大祭で、今年は22日から26日なのだが(前後の祭日を含めると10日間連休)、盆と正月を一緒くたにしたような民族大移動はありえない。例年なら需要に供給が追いつかず、満室で稼ぎ時のホテル街も、がら空きは必至だ。

●身辺こぼれ話/韓国製vs中国製スマホ比べ

最近、息子ご推薦の中国製スマホを、ネット通販で購入した。銘柄はシャオミ(Xiaomi)、中国国内ではファーウェイ(Huawei)に次いで第2位のシェアを誇る有名ブランドで、インドでも近年ポピュラーだ。

今まで愛用してきたのは、世界一のシェアを誇る韓国製のサムスン(Samsung)。インドでも人気No.1のブランドで、使用歴2年なのだが、昨年5月のサイクロン時水浸しになったり、大理石の床に落としてディスプレイの一部がひび割れたり、容量が満杯でのろかったり、中途切れしたりの支障があるので、思い切って買い換えることにしたのだ。

届いた品(商品名は「Redmi・Note8」)を見て、チェックするうちに容量は64ギガバイト(1ギガは10億)と2倍で、充電時間もぐっと短縮、長持ちの利点の一方で、やや重め、使い勝手が悪いなどの欠陥に気づいた。

サムスンは実はわがお気に入りのブランドで、長年愛用してきたのだが、高名なだけのことはあると思った。

ちなみに、値段は日本円にして、1万3000円程と変わらない。この値段で64ギガバイトの容量は確かにお得だ。息子は、スマホを駆使するので、7万円台の高性能な機種を使っているが、私はメールと、WhatsApp、You Tubeくらいなので、これで十分だ。インドは物価が安いので、1万円以上出せば、そこそこいいものが買えるのである。

それはさておき、画面がよりクリアで見やすい、使い勝手がいい、軽いと、息子のようにフルに使いこなしているわけでないビギナークラスの私には、見やすかったり、使いやすかったり、軽くてハンディなのが一番、当面両用していくことに決めた。

慣れれば、新規スマホもOKになるかもしれないが、見やすくてタイプも打ちやすい旧もなかなか捨て難い。

ちなみに、観戦記のほとんどが、このサムスン製スマホから送ったものなのだ。ロックダウン(都市封鎖)初期は、ワイファイ(WiFi)が繋がらず、パソコンからの送信が不可能だったため、モバイル回線によるスマホ送信を余儀なくされたのだが、慣れてしまうとパソコンよりよくなってしまった。ベッドの桟にもたれながら、気楽に打てるので、疲れないのだ。短い文は当面、スマホ送信が続きそうだ。

(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、感染していません。

また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人超と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長し、5月1日に17日まで再延長、17日に5月31日まで延長し、31日をもって解除しました。これにより延べ67日間となりました。ただし、5月4日から段階的に制限を緩和しています。

10月12日現在、インドの感染者数は712万0538人、死亡者数が10万9150人、回復者が614万9535人、アメリカに次いで2位になっています。州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。また、インドでは3月25日から4月14日までを「ロックダウン1.0」とし、4月14日から5月3日までを「ロックダウン2.0」、5月1日から17日までを「ロックダウン3.0」、18日から31日を「ロックダウン4.0」、6月1日から6月末まで「アンロックダウン(Unlockdown)1.0」、7月1日から「アンロックダウン2.0」と分類していますが、原稿では日本向けなので、すべてを「ロックダウン/アンロックダウン」と総称しています。

ただし、インド政府は5月30日に感染状況が深刻な封じ込めゾーンについては、6月30日までのロックダウンの延長を決め、著者が住むオディシャ州は独自に6月末までの延長を決め、その後も期限を決めずに延長しています。この政府の延長を「ロックダウン5.0」と分類しています)