大丸松坂屋画廊で沼田月光展、画面の中に「神使」の動物

【銀座新聞ニュース=2021年1月6日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は1月7日から13日まで「神使の休日 沼田月光展」を開く。

大丸松坂屋百貨店の「アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で1月7日から13日まで開かれる「神使の休日 沼田月光展」に出品される「最後の楽園」。

日本画の空間構成の影響を受け、画面の中に動物たちの生き生きとした姿を描いている沼田月光(ぬまた・げっこう)さんが「毎日、人間の頼み事やお願い事を聞いている神使(しんし)たちが、たまにある休日をどのように過ごしているのか・・・、そんな想像を巡らしながら、画面にストーリーを込めた」作品を展示する。

ウイキペディアによると、「神使」とは、神道において神の使者(使い)もしくは神の眷族(けんぞく、親族のこと)で神意を代行して現世と接触する者と考えられる特定の動物のことで、その対象になった動物は哺乳類から、鳥類・爬虫類、想像上の生物まで幅広い。

特定の動物が神の意志を伝えるという説話は日本神話の中にも見られ、「日本書紀」の景行天皇(けいこう・てんのう、第12代天皇、在位は71-130)記には、伊吹山の荒神(あらぶるかみ)が大蛇に化身して日本武尊(やまとたけるのみこと、生没年不詳)の前に現れたのを、尊は「大蛇は荒神の使いだろう」と言ったという記述がある。

「紀」の皇極天皇(こうぎょく・てんのう、第35代天皇及び第37代天皇、594-661)記には、姿は見えないが猿の鳴き声がしたため、人々が「伊勢大神の使」として、その声で吉凶を判じたという記述がある。また崇神天皇(すじん・てんのう、第10代天皇、BC148-BC30)記では、大物主神自身が蛇の姿で妻問いに訪れるくだりがある[1]。

平安中期成立の「扶桑略記」の記述として、伊勢神宮の近辺で白専女(しらとうめ)=白狐を射殺したが配流になったとあり、古代では霊狐信仰があったとみられる。

時代が下ると、神使とされる動物は、その神の神話における記述や神社の縁起に基づいて固定化されるようになり、その神社の境内で飼育されるようにもなった。さらには、稲荷神社の狐のように、本来は神使であるものが祀られるようにもなった。これは、神とは無関係に、その動物自体が何らかの霊的な存在と見られていたものと考えられる。

沼田月光さんは1968年埼玉県戸田市生まれ、1993年に「ABSOLUTART(アブソルートアート)’93」で入選(1994年に佳作)、1994年に「JACA’94日本視覚芸術展」で入選(1997年に入選)、1996年に「第5回アーバンアート(URBANART#5)」でリキエコス賞、1997年に「第4回アーチ大賞展」で入選、2000年に「第2回雪梁舎美術館賞展」で入選、2003年に「トーキョーワンダーサイトO号展」で入選した。

2004年に「西脇市サムホール大賞展」で入選、2006年にイタリアのニューヨークCooギャラリー企画展に参加、2008年にオーストラリア・メルボルンフリンジフェスティバルに参加、2008年に「タグボート・アワード」で入選(2009年入選)、2010年にスイスのジュネーブアートに出品している。

2012年にマンダリンオリエンタル香港アートフェアに出品、スペイン・バルセロナのスペインSwabアートフェアに参加、アート台北2012に参加、2013年に香港の「アジアコンテンポラリーアートショー」に出品、2015年にシンガポールの「手ごろな価格のアートフェア」に出品、2016年にインドネシア・ジャカルタの「バザール・アート・ジャカルタ(BAZAAR ART JAKARTA)」などに出品している。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。