中央の百貨店2月、全5店4カ月連続で減、宣言延長も減少幅が縮小

【銀座新聞ニュース=2021年3月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の1月売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、日本橋高島屋、大丸東京店、銀座三越、松屋銀座店の5店ともマイナスだった。5店舗とも減少するのは昨年11月から4カ月連続となった。

2月の売上高で2.1%減ともっとも減少幅が小さかった日本橋三越。

2月は「緊急事態宣言」が延長されたことで、外出自粛要請の高まりや営業時間の短縮があるものの、「来店客数は前年比で全店にて、1月よりも伸長している」(三越伊勢丹ホールディングス)という。また、2020年の閏日29日で、今年2月の営業日数が1日少ないことから「全体に与える影響は約3%減」(松屋)もあったことが響いたが、「前年2月には新型コロナウイルス感染拡大の影響が発生していたため、マイナス幅は縮小した」(高島屋)。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比2.1%減(1月速報値31.4%減、確定値28.5%減、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表)と店頭ベースでは4カ月続けて前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同18.5%減(同速報値49.9%減、確定値49.9%減、但し空港型免税店の売り上げを除く)と13カ月続けてマイナスとなったが、1月に比べて大幅に改善している。

2019年10月の消費税増税以降、17カ月続けて前年を下回り、2月も40%近い減少幅になった大丸東京店。

三越伊勢丹ホールディングスでは、国内百貨店(既存店舗)の売り上げは前年2月の新型コロナウイルス感染拡大影響の反動の他、首都圏や一部地域の店舗において営業時間を短縮しながらも、前年比90%を超える水準まで回復し、来店客数も前年比で全店にて、1月よりも伸長しているという。

伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、ロイヤリティの高い顧客を中心に、宝飾、時計やラグジュアリーブランドなどへの購買意欲が高く、客単価は前年比2桁増、家の中で過ごす時間を充実させたいニーズを受けて、リビング・ダイニング家具やキッチン雑貨が好調としている。

オンライン(EC)売り上げは前年比約1.5倍で、特に和洋酒、バレンタイン、英国展などの食品関連の企画が好評としている。ただ、訪日外国人観光客売上高(インバウンド、免税売上高)は、引き続き低調に推移している。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同10.6%減(同速報値25.3%減、確定値25.4%減)と4カ月続けてマイナスとなった。

2月の店頭売り上げは、緊急事態宣言延長に伴う外出自粛の傾向が継続し、一部店舗で営業時間を短縮していることに加え、前年がうるう年で本年の営業日数が1日少なかったことなどから、前年実績を下回った。ただ、前年2月には新型コロナウイルス感染拡大の影響が発生していたため、マイナス幅は縮小した。

訪日外国人観光客売上高は前年比46.9%減、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売り上げは同6.0%減(既存店計4.1%減少)だった。2019年比では、店頭売り上げは18.7%減(既存店計17.2%減)、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売り上げは12.0%減(同10.2%減)だった。

商品別売上高(15店舗ベース)では、特選衣料雑貨、宝飾品、サービス営業が前年実績を上回った。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は38.5%減(同速報値53.8%減、確定53.3%減)と2019年10月の消費税増税以降、17カ月続けて前年を下回った。

緊急事態宣言の延長に伴い、外出自粛が継続したことで入店客数が伸び悩んだほか、前年の閏年に起因した営業日数の1日減の影響を受けた。一方で、高級絵画やラグジュアリーブランドなどの高額消費が好調であったことや、前年同期には既に感染拡大の影響が出ていたことなどからマイナス幅は前月に比べて縮小した。

訪日外国人観光客売上高(速報値)は70.0%減(客数96%減、客単価718%増)だった。大丸松坂屋百貨店合計の国内売上高(訪日外国人観光客売上高の本年・前年実績を除く)は5.7%減だった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、1月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同4.8%減だった。不動産事業がマイナスとなるのは、11カ月連続となる。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同14.3%減(同速報値45.7%減、確定45.7%減、2020年4月は5月の確定値段階で91.4%減と公表)と13カ月続けてマイナスとなった。2020年の閏日29日が本年2月の全体に与える影響(営業日の1日減)は約3%減としている。

銀座店は時短営業などの影響はあったものの、入店客数は週を追うごとに上向き、訪日外国人観光客売上高を除いた国内客の売上高が前年に迫る勢い(前年対比2.5%減)を示した。

また、強みのラグジュアリーブランドも大幅に売り上げを伸ばし(同約30%増)、加えて卒業・入学などの需要で時計(同9%増)などの高額品も全体を牽引、さらに在宅勤務などが要因となり、不振が続いていた化粧品も国内客の売上高が前年に対して約7%減にまで戻すなど、一部で改善傾向がみられたとしている。一方では、婦人、紳士ともに衣料品が苦戦する状況は続いている。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内73社196店舗(総従業員5万9480人)の1月の売上高(店舗調整後)は前年同月比29.7%減の3265億1018万円で、15カ月続けてのマイナスとなった。

1月は、11都府県に再発出された「緊急事態宣言」により、対象地区所在店舗で実施した営業時間短縮や、主要顧客である高齢層の外出自粛などが集客(入店客数約40%減)に大きく影響した。

一方、株高を背景に、付加価値の高いラグジュアリーブランドや、宝飾品・高級時計など高額品は堅調だった。また、EC売り上げは各社の積極的な施策も奏功し大幅に伸長している。

顧客別では、訪日外国人観光客売上高は、入国規制継続から87.4%減(39.9億円、12カ月連続、シェア1.2%)と引き続き低水準で推移している。国内市場は25.5%減(3カ月連続、シェア98.8%)と、15.5ポイントダウンした。

地区別では、地方は23.2%減(10都市以外の地区、3カ月連続)、緊急事態宣言対象地区の多くが含まれる大都市は32.1%減(10都市、16カ月連続)となり、その差(8.9ポイント)は、前月よりさらに1.4ポイント拡がった。

主要5品目については、客数減が響き、すべてふた桁減となった。各社では、例年賑わう初商において三密回避の観点から来店を抑制するため、福袋の予約販売やネット販売強化などさまざまな補完施策を行ったが、特に衣料品を中心としたファッション商材は、クリアランスの前倒しもあり、苦戦した。

半面、「イエナカ消費」や「巣ごもり需要」から、家具、調理家電、テーブルウェア、寝装品、精肉、和洋酒などには動きが見られた。バレンタイン商戦については、ECサイトによる先行販売や限定品が好評だったとしている。

全国の百貨店の1月の営業日数は前年より0.1日少ない30.0日、106店舗の回答によると、入店客は2店が増え、97店が減ったとし、81店舗の回答によると1月の歳時記(初売り、クリアランス)の売り上げについては3店が増え、69店が減ったとしている。

東京地区(12社25店)の1月の売上高(店舗調整後)は前年同月比33.8%減の856億1681万円と16カ月続けてのマイナスとなった。

国内88店舗の訪日外国人観光客需要の1月の売上高は同87.4%減の約39億9000万円と12カ月続けてマイナスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが1.2%としている。

このうち、一般物品売上高は同86.6%減の約27億で、12カ月続けて前年を下回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同88.9%減の約12億9000万円、購買客数が同97.4%減の約1万1000人と12カ月続けてマイナスとなり、1人あたりの購買単価が同378.1%増の33万6000円で、14カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から2020年12月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から2019年4月まで2位、5月3位、6月から2020年12月まで2位)で20カ月連続で2位、3位が婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から2019年7月まで4位、8月3位、9月から2020年5月まで4位、6月から12月3位)で、8カ月続けて3位だった。

4位が食料品(3月、4月は6位以下、5月4位、6月6位以下、7月と8月4位、9月3位、10月と12月4位)で、4カ月連続だった。5位が子ども服・用品(2020年3月5位、4月4位、7月5位、10月5位、12月5位)で2カ月連続だった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から2020年12月まで1位)、2位は台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から2019年1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と2020年1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月から12月2位)で、9カ月連続だった。

3位は香港(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月2位、2月3位、3月2位、4月、5月4位、6月5位、7月3位、8月から10月5位、11月と12月3位)で、3カ月連続。

4位は韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月から10月2位、11月から2019年1月まで3位、2月から6月2位、7月4位、8月2位、9月から2月まで4位、3月3位、4月2位、5月3位、6月3位、7月と8月4位、9月6位、10月3位、11月と12月4位)で、3カ月連続。

5位はマレーシア(2018年1月から2020年2月まで7位、3月に6位、4月、5月5位、6月と7月4位、8月と9月3位、10月7位、11月6位、12月7位)で2ランク上昇した。

6位はタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位、2019年1月から8月5位、9月6位、10月から2月まで5位、3月7位、4月から7月6位、8月7位、9月4位、10月6位、11月、12月5位)で、ランクをひとつ下げた。

7位はシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位、2019年1月から8月6位、9月5位、10月から2月まで6位、3月5位、4月から7月7位、8月6位、9月7位、10月4位、11月7位、12月6位)で、2カ月ぶりに順位を下げた。

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