ギャルリー志門30周年記念第12弾、「もの派」関根伸夫展

【銀座新聞ニュース=2017年10月22日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル3階、03-3541-2511)は10月23日から28日まで「ギャルリー志門30周年記念特別企画」の第12弾として、関根伸夫さんによる個展を開く。

ギャルリー志門で10月23日から28日まで「ギャルリー志門30周年記念特別企画」の第12弾として開かれる、関根伸夫さんの個展に出品される作品。

ギャルリー志門は1987年1月に創業し、同年12月に法人化し、現在、代表取締役を谷田部美子(旧姓深井、やたべ・よしこ)さんが務めている。また、画廊の中には、カウンターを設置して、「ギャラリーバー(BAR)」としてアルコール類を飲めるようにしてある。

設立30年を記念して、1月から12月まで毎月、記念展を企画しており、その第12弾として、現代美術家、彫刻家で、多摩美術大学客員教授、アメリカ・カリフォルニア州で制作している関根伸夫(せきね・のぶお)さんの作品を展示する。

関根伸夫さんは「もの派」ムーブメントの原点として位置づけられる「位相-大地」(1968年)制作以降、さまざまな絵画、彫刻作品を生み出し、ロサンゼルスに拠点を移した現在も精力的に制作を続けており、その作品の根底には「位相幾何学の空間認識」が存在する。

ニコニコ大百科によると、「位相幾何学(トポロジー=topology)」は幾何学の中でも新しい分野であり、「やわらかい幾何学」とも呼ばれる。最大の特徴は図形の扱いの「やわらかさ」であり、言い換えれば図形の扱いの抽象性であるといえる。

トポロジーにおいては連続的に変形が可能な図形はすべて同一視され、穴を開けたり、千切ったりする操作なしに変形できる図形同士は同じものとみなす。

例えば、トポロジーの考え方ではドーナツの形状(トーラス)とコーヒーカップの形状は同一であるとされる。一方、球はどのように変形しても穴を開ける操作なしにトーラスになることはできない。つまり、連続的な変形が不可能なため、球とトーラスは同一ではない。ゆえに、トポロジーとはこのような「やわらかい」図形の共通する性質や特性を研究する数学分野とされる。

関根伸夫さんは1942年埼玉県さいたま市(旧大宮市)生まれ、1966年に多摩美術大学油絵科を卒業、1968年に同大学大学院油絵研究科を修了、同年に神戸須磨離宮公園現代日本野外彫刻展で「位相-大地」を発表し、「もの派」誕生のきっかけとなり、同年に「長岡現代美術館賞展」で大賞を受賞、1970年にベネチア・ビエンナーレでステンレス柱の上に自然石を置いた作品「空相」を発表し、評判となり、デンマーク・ルイジアナ美術館の永久所蔵作品(セキネ・コーナー)となる。

これ以後2年間、ヨーロッパで制作し、個展を開く。「環境美術」をテーマとした活動をするため、帰国後の1973年に「環境美術研究所」を設立、現在に至るまで東京都庁舎シティーホール前の「水の神殿」をはじめ、さまざまなモニュメントやプロジェクトを実現し、ランドスケープ、モニュメント、位相絵画を制作している。現在、アメリカ・ロザンゼルスに拠点を移し、制作している。

開場時間は11時から19時(最終日は17時)まで。入場は無料。