銀座ロフトで働く女性向け図書館、J・キムが館長、安岡洋一が選ぶ

【銀座新聞ニュース=2017年11月22日】大手流通グループ、セブン&アイ・ホールディングス傘下の株式会社そごう・西武(千代田区二番町5-25、二番町センタービル)グループの生活雑貨店「ロフト」をチェーン展開する株式会社ロフト(千代田区二番町5-25、二番町センタービル、03-5210-6210)は11月23日から2018年2月28日まで銀座ロフト(中央区銀座2-4-6、銀座ベルビア館、03-3562-6210)6階ネクストクリエーションワークショップスペースに「見エル女子図書館」を開設する。

11月23日から2018年2月28日まで銀座ロフトに開設される「見エル女子図書館」のイメージ。

「見エル女子図書館」は働く女性に必要なスキルともいえる「翼」を5つのカテゴリーに分類して書棚を構成し、約300冊の書籍を並べる。図書館館長には元慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授で、現在ヨーロッパを中心に活動しているジョン・キム(John Kim、金正勲)さんが就任し、「株式会社メメックス」代表で「本のある空間」のプロデュースの安岡洋一(やすおか・よういち)さんとともに選んでいる。

また、SNSによる書籍の紹介や働く女性へのアドバイスなどを不定期に配信し、「読む」だけではなく「見る」や「話す」ことができる図書館としている。

5つのカテゴリーとは1)思考法、マインドセットなどの「スマート・マインド(Smart Mind)」、2)キャリアデザイン、時間管理などの「インデペンダント・キャリア(Independent Career)」、3)オーガニック、マインドフルネスなどの「クール・ライフスタイル(Cool Lifestyle)」。

4)恋愛、対人関係などの「アドラブル・レディ(Adorable Lady)」、5)美容、ファッションなどの「チャーミング・ビューティー(Charming Beauty)」で、この分類に基づいて書籍を並べる。

ウイキペディアによると、図書館(英:library、独:Bibliothek、仏:bibliotheque)とは、明治中期に英語のライブラリー(library)から訳された和製漢語で、地図(図版)の「図」、書籍の「書」を取って、図書とし、図書を保存する建物という意味だった。

世界史でみると、図書館として有名なものに、紀元前7世紀のアッシリア王アッシュールバニパル(Ashurbanipal、在位:BC668-BC627)の宮廷図書館(アッシュールバニパルの図書館)がある。アッシリア滅亡時に地下に埋もれたまま保存されたこの図書館の粘土板文書群の出土によって、古代メソポタミアの文献史学的研究が大きく前進した。

ヘレニズム時代の図書館としては、紀元前3世紀のアレクサンドリア図書館が著名で、この図書館は、付近を訪れる旅人が本を持っていると、それを没収して写本を作成するというほどの徹底した資料収集方針を持っていた。薬草園も併設され、今日の植物園のような遺伝資源の収集も行われていた。今でいう図書館、公文書館、博物館に相当する機能を併せ持っており、古典古代における最高の学術の殿堂となっていた。
また、「古代3大図書館」としてはアレクサンドリア図書館(図書館への放火によりすべての蔵書が失われた)、ペルガモン図書館(トルコのミシュア地方)、ケルスス図書館(トルコのフェス遺跡)をさす。中世ヨーロッパでは修道院に図書館、図書室が併設されていることが多かったが、写本1冊で家が買えるほど貴重なものであったため、本は鎖で本棚につながれていた。

歴史的には、学術研究用に資料を集めた場として、学者や貴族以外の者は利用できなかったり、利用が有料だった時代が長くあった。グーテンベルク(Johannes Gensfleisch zur Laden zum Gutenberg、1398-1468)の印刷術により、本が大量生産できるようになって初めて「誰でも無料で」の原則が広まり、民衆の間に会員制の組合図書館、都市図書館が開設された。

フランスでは1367年にシャルル5世(Charles 5、1337-1380)によって王室文庫が創立され、フランス国立図書館となった。英国ではそれより200年も遅れて1598年にボードリアン図書館が開館した(オックスフォード大学内)。日本では、図書館的な施設としては、図書寮や芸亭、金沢文庫、足利学校などが知られている。

青柳文庫は仙台藩藩校の明倫養賢堂から分離独立した仙台医学館構内に1831(天保2)年に設置され、身分に関係なく閲覧、貸出がなされた。近代的な欧米の図書館制度を日本に最初に紹介したのは福沢諭吉(ふくざわ・ゆきち、1835-1901)で、その著書「西洋事情」の中で大英博物館図書室をはじめ、諸外国の納本制度を報告した。

「西洋事情」を参考にした市川清流(いちかわ・せいりゅう、1822-1879)が1872(明治5)年5月に明治政府に幕府の遣欧使節団の経験を活かした「書籍院建設ノ儀」という建白書ににより、初の国による近代的図書館「書籍館」(後の「浅草文庫」と「東京書籍館」)が文部省によって設けられ、一時内務省に移管された。また京都では、日本国初の公共図書館「京都集書院」が設けられた。

その後、1895(明治28)年に日清戦争に勝利すると、国立図書館を求める声が高まり、政府は1897(明治30)年4月22日に「帝国図書館官制」を公布して「帝国図書館」が誕生した。帝国図書館が1906(明治39)年に新築されると、閲覧者数は1日平均数百人を超えるようになった。1899(明治32)年に公布された図書館令において「図書館」という語が用いられた。

ジョン・キムさんは1973年韓国生まれ、日本の中央大学に国費留学し、アメリカ・インディアナ大学マス・コミュニケーション博士課程単位取得退学し、ドイツ連邦防衛大学技術標準化部門博士研究員、英オックスフォード大学知的財産研究所客員上席研究員、アメリカ・ハーバード大学インターネット社会研究所客員研究員を務めた。

2004年から2009年まで慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構特任准教授とプログラムマネージャー、2009年から2013年まで同大学大学院政策・メディア研究科特任准教授、内閣官房、総務省、経済産業省、文化庁といった政府の民間委員を務め、現在はヨーロッパに拠点に、執筆中心の生活を送っている。ロフトの「チーム・ロフト(TEAM LOFT)」のメンバー。

安岡洋一さんは1967年大阪府生まれ、1991年にアメリカ・ニューヨーク州立大学フェラドニア校グラフィックデザイン科を卒業、現地のデザインスタジオで約2年間にわたり、ミキモトやキャノンなどの広告デザインを手がけ、1993年に帰国し、約3年にわたり父親の経営する設計事務所を経て、再びニューヨークに戻り、1997年に「株式会社メメックス」を設立、大阪・船場に洋書店「ハックネット」を開店した。

1998年にオランダのインテリア雑誌「フレーム(FRAME)」の国内販売権を取得し、卸・販売を手がけ、2003年3月に東京・代官山に「ハックネット代官山店」を開店した。

営業時間は11時から21時。