丸善丸の内で九谷焼展、山本篤、宮本雅夫らトークも

【銀座新聞ニュース=2019年9月16日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は9月18日から24日まで4階ギャラリー特設会場で「丸善創業150周年記念 現代加賀九谷焼作家展」を開く。

丸善・丸の内本店で9月18日から24日まで開かれる「丸善創業150周年記念 現代加賀九谷焼作家展」のフライヤー。

丸善ジュンク堂書店と現代加賀九谷焼実行委員会(加賀九谷陶磁器協同組合、九谷焼伝統工芸士会)が共催するイベントで、日本の色絵陶磁の代表的な「九谷焼(くたにやき)」は江戸時代前期、九谷村(現石川県加賀市)で生まれ、360年を超える歴史と、現代に続くさまざまな絵付け様式がある。

今回は丸善創業150周年を記念して、錚々(そうそう)たる重鎮から躍進する若手の作品まで、伝統とモダンが調和する多彩な作品群を展示販売する。

ウイキペディアなどによると、九谷焼は石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産される色絵の磁器で、大聖寺藩領の九谷村(現石川県加賀市)で、良質の陶石が発見されたのを機に、加賀藩の命により、藩士の後藤才次郎(ごとう・さいじろう、1634-1704)を佐賀・有田へ技能の習得に赴かせ、帰藩後の明暦初期(1655年ころ)、藩の殖産政策として、江沼郡九谷村で開窯したのが始まりとされる。

しかし、約50年後(18世紀初頭頃)突然、廃窯となり、窯跡は加賀市山中温泉九谷町にあり、1号窯、2号窯と呼ばれる2つの連房式登窯と、19世紀に再興された吉田屋窯の跡が残っており、この間に焼かれたものは、現在「古九谷(こくたに)」と呼ばれている。

古九谷の廃窯から、約1世紀後の1807年に加賀藩が京都から青木木米(あおき・もくべい、1767-1833)を招き、金沢の春日山(現金沢市山の上町)に春日山窯を開かせたのを皮切りに、数々の窯が加賀地方一帯に立った。これらの窯の製品を「再興九谷」という。 同じ頃、能美郡の花坂山(現小松市八幡)で、新たな陶石が発見され、今日まで主要な採石場となった。これらの隆盛を受け、それまで陶磁器を他国から買い入れていた加賀藩では、1819年に磁器を、1820年に陶器を、それぞれ移入禁止にした。

1832年ころに小野窯に陶匠として招かれる、寺井村(現能美市寺井町)生まれの九谷庄三(くたに・しょうざ、1816-1883)は能登の火打谷(現志賀町)で、能登呉須と呼ばれる顔料を発見し、後の九谷焼に多大な影響を与え、1840年ころに故郷に戻り、寺井窯を開いた。ヨーロッパから入った顔料を早い時期から取り入れ、彩色金欄手を確立し、庄三風と呼ばれる画風は後にヨーロッパに輸出される九谷焼の大半に取り入れられることになる。

明治時代に入り、九谷焼は主要な輸出品となり、1873年のオーストリア・ウィーン万国博覧会などの博覧会に出品されると同時にヨーロッパの技法も入り込んだ。1872年ころから型押しの技術が九谷焼にも取り入れられ、1892年ころから、獅子を始めとする置物の制作が盛んとなり、大正時代になると型が石膏で作られるようになり量産化が進んだ。

また、明治維新による失業士族の授産施設として1872年に誕生した金沢区方開拓所製陶部は、砂子吉平(すなこ・きちへい、生没年不詳)、初代諏訪蘇山(すわ・そざん、1851-1922)らの参加を得て成果を上げ、1876年には「石川県勧業場」と名を改めた。1887年に金沢工業学校(現石川県立工業高校)が開校し、次代の陶芸家が育成されるようになった。

現在、九谷焼は陶器と磁器があり、上絵付けを九谷でしたものを「九谷焼」と呼んでいる。陶器は原料が陶土(粘土)で、温かみがあり、全体に厚くぽってりした感じで、指ではじくと、鈍い音がする。一方の磁器は原料が陶石(石の一種)で、白く堅い感じがあり、薄くて軽くて丈夫で、指ではじくと「チン」と金属質の音がする。

また、茶わんの「わん」の漢字は「苑」の「草かんむり」のない字と「皿」を合わせる、「石」と「宛」を合わせる、「土」と「宛」を合わせる、「木」と「宛」を合わせる4種類があり、「皿」を合わせた「わん」は基本的にフタがない茶碗をさし(後世にはフタ付もある)、「抹茶わん」などに使われている。「石」の茶わんはフタ付の磁器、「土」の茶わんは素焼きでフタ付の器、「木」は木製のフタ付の漆器をさしている。

21日13時30分から3階の日経セミナールームで、加賀九谷焼陶磁器協同組合理事長、九谷焼伝統工芸士会会長の山本篤(やまもと・あつし)さん、2018年に第41回伝統九谷焼工芸展で優秀賞を受賞した、伝統工芸士の宮本雅夫(みやもと・まさお)さん、丸善・日本橋店のスタッフ、山地恭子(やまじ・きょうこ)さんによるトークショーを開く。司会進行は芸術新聞社の山田竜也(やまだ・たつや)さん。

開場時間は9時から21時(最終日は15時)、入場は無料。