丸善丸の内で谷口弘明「装飾画」展、琳派400年

【銀座新聞ニュース=2015年1月12日】丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は1月14日から20日まで4階ギャラリーで谷口弘明さんによる「華やかな光彩の世界-新琳派 谷口弘明装飾画展」を開催する。

京友禅の図案家で、友禅と日本画を融合させた「装飾画」を描く谷口弘明(たにぐち・こうめい)さんの新作を展示する。

「装飾画」は装飾性に富んだ絵画のことで、屏風(びょうぶ)やふすまなどの家具に描かれた絵で、家具を絵で飾ることで、家具の芸術性が強調されることになり、俵屋宗達(たわらや・そうたつ、生没年不詳)や尾形光琳(おがた・こうりん、1658-1716)たちが大和絵をもとに大成させた。

谷口弘明さんは尾形光琳を創始とする「琳派」の流れを汲んでおり、「新琳派」として装飾画を描き、2010年にギリシャのアテネクラシックマラソンの優勝トロフィーを北山杉を使って制作している。

「琳派」は本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ、1558-1637)や俵屋宗達を創始し、時間や場所、身分が遠く離れた人々によって受け継がれたのは、他に類を見ない特色とされている。同じような主題や図様、独特の技法を意識的に選択、踏襲することで流派の統一性を保持し、絵師独自の発見と解釈が加わり、再構成され、独自の芸術を生み出した。

1615年に徳川家康(とくがわ・いえやす)から、洛北の鷹峯(たかがみね)の地を拝領し、本阿弥一族や町衆、職人などの法華宗徒仲間を率いて移住し、芸術村(光悦村)を築いた。それから400年経ったことから、2015年を「琳派」400年としている。

谷口弘明さんは1937年京都府京都市生まれ、1956年に染色図案家の石正雄(いし・まさお)塾に入塾し、10年間絵を学び、京都市産業デザイン展で市長賞、日図展知事賞などを受賞し、1966年に独立、1976年にインドに外遊後、個展「さらさの道」を、1989年から全国で個展を開いている。

2006年に画歴50年を記念して日本図案家協会の表彰を受け、2007年に京都市の浄土真宗心光寺の天井画を制作、2010年にアテネクラシックマラソンの優勝トロフィーを制作した。2012年にパリのアクリマタシオン公園での日本イベントに参加し、中国・上海礼品博物館に出品している。現在、社団法人日本図案家協会会員、光玄会会員、絵画教室「万葉会」を主宰している。

17日、18日13時から17時まで谷口弘明さんが来場する。

開場時間は9時から21時(最終日17時)まで。入場は無料。