日比谷「長いお別れ」中村倫也、中野量太挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年6月13日】中堅の映画配給会社のアスミック・エース(港区六本木6-1-24、ラピロス六本木)は6月19日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-3、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「長いお別れ」に出演している中村倫也さん、中野量太さんによる舞台あいさつを開く。

現在、一般公開中の「長いお別れ」((C)2019「長いお別れ」製作委員会(C)中島京子/文芸春秋)。

19日18時15分の回上映前に、監督の中野量太(なかの・りょうた)さんと主人公の東(ひがし)家の次女「東芙美」(蒼井優=あおい・ゆう=さん)の恋人「磐田道彦」役の中村倫也(なかむら・ともや)さんが舞台に登場してあいさつする。

「長いお別れ」は直木賞作家の中島京子(なかじま・きょうこ)さんが2015年5月に刊行した同じ題名の連作短編集(2018年3月に文庫本化)が原作で、フィクションだが、著者自身が、2004年にアルツハイマー型の認知症と診断され2013年に亡くなった父親で中央大学名誉教授の中島昭和(なじま・あきかず、1927-2013)を看取った経験を元に描いている。第10回中央公論文芸賞、第5回日本医療小説大賞を受賞している。

監督した中野量太さんはこれまでオリジナル脚本作品を手がけてきが、今回が初めての小説の映画化に取り組んだ。

物語は父・昇平の70歳の誕生日で久しぶりに集まった娘たちが、厳格な父が認知症になったという事実を告げられるところからはじまる。日に日に記憶を失い、父でも夫でもなくなっていく昇平の様子に戸惑いながらも、そんな昇平と向き合うことで、おのおのが自分自身を見つめなおしていく。そんな中、家族の誰もが忘れていた思い出が、昇平の中で息づいていることがわかる。

中野量太さんは1973年京都府京都市生まれ、、京都産業大学を卒業、上京して日本映画学校(現日本映画大学)で3年間、映画制作を学んで卒業、2000年に卒業制作「バンザイ人生まっ赤っ赤。」で、日本映画学校今村昌平賞、タマニューウェーブ(TAMA NEW WAVE)グランプリなどを受賞、映画・テレビの助監督やテレビのディレクターを経て、2006年に「ロケットパンチを君に!」で6年ぶりに監督を務め、ひろしま映像展グランプリ、水戸短篇映像祭準グランプリなど7つの賞を受賞した。

2008年には文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35ミリフィルムで制作した短編映画「琥珀色のキラキラ」で評価される。2012年に自主長編映画「チチを撮りに」を制作し、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の国際長編コンペティション部門で日本人初の監督賞とSKIPシティアワード、ベルリン国際映画祭など各国の映画祭に招待され、国内外で14の賞を受賞、2016年に商業長編映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で日本アカデミー賞優秀監督賞、優秀脚本賞などをはじめ、計14の映画賞で計34部門の受賞を果たした。

チケットはチケットぴあを通じて、先行抽選を発売中で、14日11時締め切り。15日10時から一般発売する。料金は全席指定で2100円均一。