丸善日本橋で大阪、京都の骨董市展、岡本玉水木目込人形、宮田亀寿徳利等

【銀座新聞ニュース=2020年8月23日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は8月26日から9月1日まで3階ギャラリーで「京都・大阪発 はんなり骨董楽市-特集 卓に添える、彩り」を開く。

丸善・日本橋店で8月26日から9月1日まで開かれる「京都・大阪発 はんなり骨董楽市」のフライヤー。左の「孝子」が岡本玉水の作品。

茶道具を中心を扱う古美術店「藤井香雲堂(ふじい・こううんどう)」(大阪府岸和田市南上町1-6-12、072-422-1917)が茶道具、諸道具、美術品など珍品逸品の数々を展示即売する。また、提案コーナーとして、自宅でもハレの気持ちで楽しめる、関西風でいうところの「シュッとした骨董の器」を特集する。

「はんなり」は京都の方言で「華なり」が転じて「はんなり」と発音されるようになり、「華やかでありながら、気取りがなく、上品で、明るくはなやかなさまをあらわす」言葉とされている。

今回は木目込人形師の岡本玉水(おかもと・ぎょくすい、1898-1972)の「孝子(親孝行な子どものこと)」や、三上揚光堂の七宝透菓子器、幕末の京都の陶工、宮田亀寿(みやた・かめじゅ)の染付徳利(1対)、永楽得全(えいらく・とくぜん、1852-1909)の「仁清半開扇」(絵替向付、10客)などを出品する。

ウイキペディアによると、木目込人形とは桐塑(とうそ、粘土の一種)、または木で作られた人形に、衣服の皺や模様の形に本体に筋彫りを入れ、筋彫りに目打ちなどで布の端を押し込んで衣装を着ているように仕立てた人形をいう。筋彫りに布の端を押し込む動作を「木目込む(決め込む)」ということから、木目込人形と呼ばれた。

1739年に京都の上賀茂神社に仕える雑掌(雑事をつかさどる者)の高橋忠重(たかはし・ただしげ)が、ヤナギの木で祭器の柳筥(やなぎばこ)などをつくり、その余材で彫った人形に古い衣装の裂を貼ったのが始まりとされているが、実際には正徳年間(1711年から1715年)にはすでに江戸へ下った京都の人形師が多く、木目込人形も江戸風に変化したという。

「東京都雛人形協同組合」(台東区柳橋2-1-9、東京卸売センター、03-3861-3950)によると、東京では岡本玉水人形系と名川春山(ながわ・しゅんざん)人形系の2系統が主流となった。技術的には、桐の中粉と生麩糊を混ぜ合わせ、練り上げて作った桐塑の頭、胴、手足の素地(ヌキ)を造り、乾燥室で乾燥させ、頭は素焼きのものもある。桐塑の頭にあっては、地塗り、置きあげ、中塗り及び切り出ししたあと5回以上の上塗りを繰り返す「素地造り」。

着つけは筋溝に糊付けをしたあと、目打ちを用いる合わせ目、または重ね目による木目込みをするが、糊には寒梅粉を用いる「木目込」、面相筆を用いて目入れ、まゆ毛描き、及び口紅入れをする「面相描き」、さらに髪型をつくる「毛吹き」を経て完成する。

また、1978年にの「江戸木目込人形」は通産大臣(現経産大臣)に伝統工芸品として認定されており、上記の細かい技法は伝統工芸品として指定されている。

藤井香雲堂は1942年に創業、現在、藤井正治(ふじい・まさはる)さんが運営している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。