日本橋三越で中島千波「桜花」展、小野の観音桜や日本三大桜等

【銀座新聞ニュース=2020年12月11日】国内最大手の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(新宿区新宿5-16-10)傘下の三越伊勢丹(新宿区新宿3-14-1)が運営する日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は12月21日まで、本館6階美術特選画廊で「画業50周年記念 中島千波 日本画展-桜花を謳う」を開いている。

日本橋三越で12月21日まで開かれている「画業50周年記念 中島千波 日本画展-桜花を謳う」に出品されている2007年に倒木した福島県小野の観音桜 四曲一隻屏風 。

今回は画業50周年となる東京芸術大学名誉教授で、日本画家の中島千波(なかじま・ちなみ)さんが5年ぶりに日本橋三越で個展を開いている。

中島千波さんは1983年に岐阜の淡墨桜に出会って以来、「桜の肖像画」として全国各地の桜を描いてきた。「花びらの美しさはもちろんのこと、苔に覆われた幹や、龍のようにうねる幹、傘の様に美しい枝ぶりなど、長い歳月を生きていた大樹の人知を超えた美しさを描いている」(日本橋三越)という。

2007年に倒木した福島県小野町の樹齢550歳の観音桜や、「日本三大桜」(福島県の三春滝桜、山梨県の山高神代桜、岐阜県の根尾谷薄墨桜)すべての作品などを展示している。

中島千波さんは「自分は今どんな作品を描いているのか、コレクターの方に限らず自分の仲間や先輩、後輩にも見てもらう、それが個展です。自分なりの考えをもとに研究を続け、作品制作に取り組んできたのだとわかってもらえたらうれしい」としている。

中島千波さんは1945年長野県小布施町生まれ、父親は日本画家の中島清之(なかじま・きよし、1899-1989)。1969年に東京芸術大学日本画科を卒業、第54回院展で初入選、第4回神奈川県展で受賞、1971年に同大学大学院を修了、第1回山種美術館賞展に出品(1979年に優秀賞)、日本美術院院友に推挙される。在学中の1970年に第5回神奈川県美術展でK氏賞、1977年に第32回春の院展で奨励賞(1978年、1989年、1991年に奨励賞を受賞)、第62回院展で奨励賞(1978年、1988年、1990年、1991年に奨励賞)、

1992年に長野県小布施町に「おぶせミュージアム・中島千波館」が開館、1994年に東京芸術大学美術学部助教授、鎌倉鶴岡八幡宮の斎館壁画「日和麗麗孔雀の図」を完成、1995年に久遠寺の滝桜四曲半双屏風を制作、2000年に東京芸術大学美術学部教授、2002年に成田山東京別院深川不動尊・内仏殿挌天井の原画(100号)を完成、2013年に新歌舞伎座緞帳に「春秋の譜」を制作、東京芸術大学を退任、東京芸術大学名誉教授に、2014年に高野山金剛峰寺奥殿桜の間障壁画の襖(12枚)を完成している。現在、東京芸術大学名誉教授、日本美術家連盟常任理事、おぶせミュージアム・中島千波館名誉館長、小布施町名誉町民。

営業時間は10時から19時(最終日は17時)。