サニーヘルス、肥満、老化を促す異性化糖の飲み物を避け、茶や水を

【銀座新聞ニュース=2020年9月26日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「多くの食品に使用される『異性化糖』が肥満・老化の原因に!」を発表した。


「果糖ブドウ糖液糖」は市販のジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ゼリー、アイスクリーム、菓子類、パン、グラノーラ、缶詰、ノンアルコールビール、缶チューハイなどありとあらゆる食品に含まれている。

「異性化糖」というと聞きなれない名前だが、日本においては多くの加工食品に使用されている「糖」のことだ。口にしたことのない人はまずいないのではないかというほど、広く利用されている。

「異性化糖」の名にはピンと来ないかもしれないが、「果糖ブドウ糖液糖」ならどうだろうか。「異性化糖」が食品の原材料名として表記される際には、この「果糖ブドウ糖液糖」という名称が用いられているので、なんとなく目や耳にしたことはあるのではないだろうか。

「異性化糖」は砂糖と同じように、食品に甘味を付けるために使用されているが、健康面のリスクや老化を促進させる可能性があるとして、懸念されている食品なのだ。異性化糖とはどのようなものなのか説明しよう。

●多くの飲み物に使用されている人工的な糖

加工食品の原材料名でよく見かける「果糖ブドウ糖液糖」とは、「異性化糖」や「高フルクトース コーンシロップ」(以下、総称して「異性化糖」)という種類の糖類で、砂糖以上の強い甘みがあり、市販のジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ゼリー、アイスクリーム、菓子類、パン、グラノーラ、缶詰、ノンアルコールビール、缶チューハイなどありとあらゆる食品に使用されている。

「異性化糖」は、主にとうもろこしなどのデンプンを酵素や酸、アルカリなどで分解し、ブドウ糖を果糖(=フルクトース)に変えて作られる液糖のことを指している。ブドウ糖よりも果糖のほうがより甘みが強く、しかも砂糖よりも安価なため、こうした異性化が行われている。

果物には果糖だけでなく、ブドウ糖、ショ糖など複数の糖が複合的に含まれており、果物から自然の果糖を摂るのであれば、果物の食物繊維によって穏やかに吸収されるし、さまざまな栄養素も摂取することができるので、体に害はなく問題はない。

●異性化糖の分類

「異性化糖」が使用されている食品の原材料表示には、日本農林規格(JAS)の制定により、果糖の含有率で名称が変わり、下記のように記載されているが、下記の中でもっともよく目にするのが「果糖ブドウ糖液糖」だ。

1)ブドウ糖果糖液糖
果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のもの。

2)果糖ブドウ糖液糖
果糖含有率が50%以上90%未満のもの。

3)高果糖液糖
果糖含有率が90%以上のもの。

4)砂糖混合異性化液糖
上記の液糖に10%以上の砂糖を加えたもの
(その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)

●果糖とブドウ糖の違い

果糖とブドウ糖はどちらも糖類だが、どういった点が異なるのだろうか?果糖はその字面から果物に含まれる糖類というイメージのように、実際に果物の甘みの主成分が果糖だ。ただ、果物には果糖だけでなく、ブドウ糖、ショ糖など複数の糖が複合的に含まれている。ショ糖というのは、ブドウ糖と果糖が結合したものをいう。

果糖は砂糖の1.5倍ほどもの甘さがありながらも、小腸で吸収後、肝臓で代謝され、エネルギーになるため、血糖値の上昇に直接的には関わっていない。しかし、過剰摂取は肝臓への負担や中性脂肪になりやすいという側面がある。また、満腹感を得られにくいのも特徴という。

果物から自然の果糖を摂るのであれば、果物の食物繊維によって穏やかに吸収されるし、ビタミン、ミネラル、フィトケミカル(微量栄養素)など、その他のさまざまな栄養素も摂取することができる。常識的な量の果物から摂取する果糖の量であれば、体に害はなく問題はない。

一方、ブドウ糖は、米、パンやうどんなど小麦製品、芋類など穀類に多く、食物繊維と結合した「炭水化物」の形で含まれ、体内でブドウ糖に分解され、脳や体のエネルギー源となる。

ブドウ糖は小腸で吸収され、その後、血中に入り、血糖値が上昇し、血液がブドウ糖を全身に運ぶことでエネルギーとして利用され、余剰分は中性脂肪となって蓄積される。

このように果糖とブドウ糖は代謝経路が異なり、血糖値を上昇させない果糖のほうが優れているような印象を受けるが、「果物は太りやすい」といわれているように、果糖のほうが中性脂肪に変わりやすいので、摂取量には注意が必要となる。

●異性化糖が危険な理由

果糖を摂取する場合は、果物を食べる時のほか、「異性化糖」を原材料に使われているものを口にすることが多い。

果物から自然の果糖を摂るのであれば、果物の食物繊維によって穏やか吸収されるし、ビタミン、ミネラル、フィトケミカル(微量栄養素)など、その他の様々な栄養素も摂取することができる。

常識的な量の果物から摂取する果糖の量であれば、体に害はないどころか、むしろ「朝の果物は金」という言葉があるように、特に朝、食べる適量の果物は、体によい作用をもたらしてくれる。

しかしながら、「異性化糖」を使った飲み物や加工食品は、一度に大量の果糖を摂取することになってしまい、太りやすいだけでなく肝臓へ負担がかかってしまう。アメリカのカリフォルニア大学の研究では、カロリー摂取量が多い人が、過度に果糖を摂取すると、肥満、高血圧、痛風、脂質異常症、メタボリックシンドローム、糖尿病、非アルコール性脂肪肝になりやすいとの報告がある。

●体の焦げ付き物質「AGEs(終末糖化産物)」の発生

また、果糖の過剰摂取は肥満につながるだけでなく、老化を加速してしまうというデメリットがある。果糖はブドウ糖よりも「体の焦げ付き」を促進させるAGEs(エイジス、終末糖化産物)を多く発生させるためだ。

AGEsによる老化は、肌のくすみや、ハリが失われたりシワが増えたりなど、見た目の老化だけに留まらず、内臓、血管、脳、骨、髪など全身にまでその影響を及ぼし、多くの疾患を引き起こす原因となりえる。

世界中で、特に途上国で増加が著しい肥満問題と糖尿病の原因としても、「異性化糖」の多い炭酸飲料をはじめとする清涼飲料水の過剰摂取が問題視されている。ジュース、スポーツドリンクなど、原材料に異性化糖が使用されているものをたくさん飲んでしまうと、大量の果糖を摂取することになるので、自分の身を守るためにも必ず原材料表示をチェックし、異性化糖が含まれているものはなるべく避け、のどが乾いたら無糖のお茶か水を選ぶようにしたい。

自分や家族が口にするものがどのようなものなのかは、できるだけ知っておきたいし、正しく知って、健康的な食品を選べるように心がけてほしい。

ウイキペディアによると、砂糖の甘味度(甘みの強さ)を100とすると、ブドウ糖の甘味度は65から80、果糖は120から170で、甘味度の強さは果糖>砂糖>ブドウ糖の順である。そのため、果糖分42%のブドウ糖果糖液糖の甘味度は70から90、果糖分55%の果糖ブドウ糖液糖は100から120である。ただし、果糖は高温では砂糖の60%の甘味度しかなく、40度C以下でないと砂糖よりも甘くならないので、異性化糖の甘さは温度によって大きく左右される。

砂糖より甘みが口中に残りにくく、低温下で甘味度を増すので、清涼飲料や冷菓などに多く使われている。異性化糖は価格も安い(果糖分55%の果糖ブドウ糖液糖は砂糖の7割程度)ので、他に缶詰、パン、みりん風調味料などにも使われている。

日本においては清涼飲料水において普及が進み、今では砂糖類の需要の40%程度となっている。日本の市場規模は年間800億円から1000億円で、10社(日本スターチ・糖化工業会)が9割のシェアを握っている。