丸善丸の内でユーラシア雑貨展、フェルトアート等

【銀座新聞ニュース=2017年7月28日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は8月1日から7日まで4階ギャラリーで「ユーラシア、愉快なアート・雑貨展」を開く。

丸善・丸の内本店で8月1日から7日まで開かれる「ユーラシア、愉快なアート・雑貨展」に出品される作品。

「ギャラリー・フラド(布楽人)」を運営する株式会社アートダイジェスト(新宿区四谷4-29-9、03-5362-1527)が企画するイベントで、ユーラシア砂漠の民のフェルトアートに、ラグや袋物からインド、バングラデシュの染布、骨董オブジェ、刺子布、タイ、ラオス、中国などモンスーン地帯の織物や刺しゅうに、木工、カゴ、銀、銅、陶器や南の島国の織布などの生活雑貨を展示販売する。

ウイキペディアによると、フェルト(felt)は羊やラクダなどの動物の毛を、薄く板状に圧縮して作るシート状製品の総称で、哺乳類の体毛の表面は、ウロコ状のキューティクルで覆われており、熱や圧力、振動を加えることでキューティクルが互いに噛み合い、絡み合って離れなくなる性質がある。

この現象を縮絨(しゅくじゅう)あるいは「フェルト化」と呼ぶが、水、特に石鹸水のようなアルカリ性の水溶液を獣毛に含ませるとキューティクルが開いて互いに噛み合いやすくなり、縮絨はより促進される。この性質を利用して獣毛を広げて石鹸水などを含ませて圧力をかけ、揉んだり巻いて転がしたりすることでフェルトが作られる。

多くの産業用や工業製品、服飾製品、絨毯(じゅうたん)、カーペットなど、幅広い分野で用いられ、ピアノのハンマーのカバーもフェルト製品で、芸術分野ではフェルト彫刻にも使用されている。

いったん毛織物に織ったものを通常のフェルト(圧縮フェルト)状になるまで縮絨したものを織フェルトと呼び、これは圧縮フェルトに比べて、引っ張りや摩擦に比較的抵抗力がある。

フェルトは古代から作られていたと考えられ、考古学的な最古の遺物はアルタイ地方のパジリク古墳群の古墳のひとつから出土した紀元前5世紀から紀元前4世紀のもので、鞍覆いや帽子、靴下などに加工されている。

北アジア、中央アジア、西アジアの遊牧民のテントはモンゴルのゲルに代表されるように、フェルトで作られているものが多い。またテント内の敷物も、絨毯と並んでフェルトで作ることが多い。家畜に衣食住の多くを依存する遊牧民の「住」の部分を保証する技術が、フェルトであるといえるとしている。

現存する日本最古のフェルトは、正倉院所蔵の毛氈(もうせん)で、奈良時代に新羅を通じてもたらされたとされる。近世以後は羅紗(らしゃ)、羅背板(らせいた)なども含めて「毛氈」と呼ばれ、中国や朝鮮半島のみならず、ヨーロッパからも大量の毛氈が輸入され、江戸時代後期には富裕層を中心とした庶民生活にも用いられるようになった。

現在でも、畳大の大きさに揃えられた赤い毛氈は緋毛氈と呼ばれ、茶道の茶席や寺院の廊下などに、和風カーペットとして用いられている。

羊毛フェルトは、羊毛を特殊な針(フェルティングニードル)で刺すことで、繊維を絡めながら任意の形に成形できる手芸の一種で、さまざまな色の羊毛を自由に組み合わせ、作品を制作する。主に動物や食物、アクセサリーなどを模したマスコットやブローチが作られる。

開場時間は9時から21時(最終日は17時)まで。