丸善日本橋で高橋孝之、寺田豊ら「着物と帯」展、下山が染料解説

【銀座新聞ニュース=2018年3月14日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は3月14日から20日まで3階ギャラリーで「草木染のきものと帯展2-日本の色 奇跡の色」を開いている。

丸善・日本橋店で3月20日まで開かれる「草木染のきものと帯展2-日本の色 奇跡の色」に出品される着物のイメージ。

2015年10月に京都でもっとも古い、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ、通称・上賀茂神社=かみがもじんじゃ、京都府京都市北区上賀茂本山339、075-781-0011)の第42回式年遷宮(しきねんせんぐう)に寄せて、二葉葵染絹糸五色、二葉葵染絞り几帳(きちょう)、二葉葵墨染 点描と稿手描き、二葉葵箔型染め額、二葉葵染紋様刺しゅう額、二葉葵染爪掻本綴織帛紗(ふたばあおいぞめ・つめかきほんつづれおり・ふくさ)、二葉葵染うね織変化角帯など6人の作家が二葉葵の染料で染上げた作品を奉納した。

今回は、賀茂別雷神社の第42回式年遷宮に寄せて、奉納した6人のうち4人と、新たに参加した2人(組)の計6人の作家による草木染めの着物、帯などを展示販売する。

出品するのは工房「染の高孝」を主宰する高橋孝之(たかはし・たかゆき)さん、染織作家の上原晴子(うえはら・はるこ)さん、「服部綴工房」を主宰する服部秀司(はっとり・ひでし)さん、4代目京絞り作家の寺田豊(てらだ・ゆたか)さんと、白鷹織製造問屋の「株式会社東北出羽屋」(山形県)、「夢訪庵 桝藏」を主宰する桝蔵順彦(ますくら・ゆきひこ)さんだ。

高橋孝之さんは1966年に戸塚工芸社に入社、父親より引き染ぼかしと一珍染、兄から江戸更紗を習得し、1974年に独立して工房「染の高孝」を開く。1983年に染織作家グループ「新樹会」を設立、以後年1回、作品展を開き、本格的に作家活動に入る。

1984年に第9回日本染織新人展覧会で「青い光」が意匠賞(1985年に第10回で技術賞)、1989年に第27回日本染織作品展で「竹林2」が技術賞、「墨流し」が佳作(1990年に第28回で日経奨励賞)、第29回伝統工芸新作展で「群翔」が入選(1991年に第30回で入選)、1991年に第14回日本染織作家展で「彩流」が奨励賞、「源流」が佳作(1992年に第15回で京都新聞社賞、1993年に第16回で佳作、1996年に第19回で名古屋三越賞、1999年に第22回でセイコきもの文化財団賞、2001年に第24回で京都新聞社賞、2009年に第32回で京都市長賞、2012年に第35回で京都市長賞)。

1996年に第34回染芸展で「響き」が三越賞(1999年に第37回で三越賞、2000年に第38回で商工会議所会頭賞と高島屋、西武百貨店賞、2001年に第39回で国際モード協会賞、2002年に第40回で東京産業貿易協会会長賞、2003年に第41回で染芸展賞、2004年に第42回で東京都立産業技術研究所所長賞、2005年に第43回で国際モード協会賞、2006年に第44回で田島比呂子=たじま・ひろこ=賞、2010年に第48回で新宿区長賞といち居賞、日本きもの文化協会会長賞、世界文化社きものサロン賞、2012年に第50回でコスモス賞、新宿区長賞、松屋賞、第50回記念人間国宝山田貢(やまだ・みつぐ)賞。

1997年に東京都優秀技能章、2001年に新宿区地場産業25年表彰を受ける。2002年に東京都伝統工芸士に認定され、2007年に東京都工芸染色協同組合理事長に就任、2008年に国の伝統工芸士に認定され、現在、東京都染色工芸組合理事長。染色作家グループ「新樹会」会長。

上原晴子さんは京都府京都市生まれ、1983年に第38回新匠工芸会展で初入選、1984年に日本染織学園研究科を卒業、1989に第44回新匠工芸展で会友賞(1990年に第45回で新匠賞)、1991年に第20回日本伝統工芸近畿展で初入選(以後、毎年入選、1996年に第25回で奨励賞、2001年に第30回で京都府教育委員会教育長賞)。

1996年に第48回京展で日本経済新聞社賞、1997年に1997京都美術工芸展で優秀賞、1998年に第21回京都工芸美術作家協会展で奨励賞(2002年に第25回で第25回記念賞、2005年に第28回で京都府知事賞)、第45回日本伝統工芸展で初入選(以後、多数入選)、2001年に京都市芸術文化協会賞、2006年に第40回日本伝統工芸染織展で文化庁長官賞(2014年に第48回で日本経済新社賞)、2015年に上賀茂神社に二葉葵染め・角帯を奉献した。現在、日本工芸会正会員、京都工芸美術作家協会会員。

服部秀司さんは1958年京都府生まれ、同志社大学を卒業、河合玲(かわい・れい)デザイン研究所テキスタイルコースを修了、その後、服部綴工房に入り、爪掻綴織物(つめかきつづれおりもの)の制作に携わる。

寺田豊さんは1958年京都府京都市生まれ、1994年にフランス・パリ市主催フランスオートクチュール組合後援により「バガテル城美術館」の「燦功工房展」に招待出品、東京で個展を開催、1996年にフランス・パリ国立ギメ美術館が「雪に萩」を買い上げ、2002年に「布結人の会」を設立した。

イタリア・ミラノの美術学校と交流、2007年に歌舞伎役者の中村芝雀(なかむら・しばじゃく)さんの「人魚の恋椿」の衣装を制作し、2008年に京都絞工芸展で知事賞と近畿経済産業局長賞、源氏物語千年紀「夢浮橋」の几帳を作成している。

17日15時から16時まで吉備国際大学名誉教授で、デンマテリアル株式会社の色材科学研究所非破壊分析研究室の取締役技術顧問を務めている下山進(しもやま・すすむ)さんが「植物染料に宿る輝く力」と題してギャラリートークを開く。

下山進さんは古代染色物や浮世絵版画などに用いられていた染料や顔料などの色材調査、油彩画絵具の解析などを行っており、日本では平安時代以降、植物染料で染めた多彩な色彩名が登場し、化学染料では得られない、鮮やかで澄んだ光を放ち、その事実を現代の科学で解き明かし、その輝きを現代の化粧品に生かしている。

下山進さんは1945年群馬県館林市生まれ、1968年に東京理科大学理学部化学科を卒業、東京田辺製薬に入社、研究開発部に所属し、東京工業大学天然物化学研究施設への派遣研究員、1969年にイハラケミカル工業に入社、企画室主査、総務課長、秘書課長、研究開発部研究所次長、研究プロジェクトリーダーなどを歴任して、1992年にデンマテリアルに入社、色材科学研究所取締役研究所長、2001年に吉備国際大学社会学部文化財修復国際協力学科教授(2003年から2007年まで同学科長)。

2003年から2011年まで林原生物化学研究所参与、2005年から2012年まで吉備国際大学文化財総合研究センター・センター長、2005年から2014年まで同大学大学院文化財保存修復学研究科研究科長、文化財保存修復学研究科教授(兼任)、2007年から2015年まで同大学文化財学部教授、2011年から2015年まで同大学副学長、2003年から2016年まで同大学文化財総合研究センター研究員、2015年からデンマテリアル取締役技術顧問、2017年5月から吉備国際大学名誉教授を務めている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)、入場は無料。トークは定員30人で、事前の予約(03-6214-2001)が必要。

注:「桝蔵順彦」の「蔵」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として現代漢字(常用漢字)を使用しています。

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