中央の百貨店8月、松屋銀座減、銀座三越等4店増、免税は斑に

【銀座新聞ニュース=2019年9月3日】中央区とその周辺の主要百貨店の8月売上高(速報値、店頭ベース)は、松屋銀座がマイナスで、日本橋三越、日本橋高島屋、大丸東京店、銀座三越の4店がプラスだった。とくに、日本橋三越と日本橋高島屋は10%を超える伸び率だった。

8月の売上高で5カ月ぶりに前年を上回り、10%以上の増加となった日本橋三越。

8月は前年に比べて土・日曜日、祝日が2日増で、松屋銀座店の場合で0.9%増、お盆休みなどの来店客による売上高増が2.4%増と、いい影響もあったものの、訪日外国人観光客売上高(免税売上高、インバウンド)の前年割れもあり、苦戦を強いられた。それに対して、訪日外国人観光客売上高の「客単価が先月に比べて伸長し、三越銀座店や三越日本橋本店などの店舗では前年実績を上回」った店もあり、影響が分かれた。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比10.5%増(7月速報値5.2%減、確定値6.0%減、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は5月から未公表)と店頭ベースでは5カ月ぶりに前年を上回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同1.1%増(同速報値0.8%減、確定値0.8%減、但し空港型免税店の売り上げを除く)と3カ月ぶりにプラスとなった。

三越伊勢丹ホールディングスでは、「首都圏の基幹店では、気温の上昇とともにすぐ使用できる盛夏物が伸長したことに加え、お盆期間前後の手土産需要として洋菓子なども好調だった」としている。

また、大都市圏の店舗では「時計・ラグジュアリーブランドのハンドバッグなどの高額品が堅調に推移」した。訪日外国人観光客売上高は、客単価が上昇し、三越銀座や三越日本橋などの店舗では前年実績を上回ったが、全店ベースでは買上客数が落ち込み、国内百貨店計では前年実績を下回ったという。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同14.2%増(同速報値1.8%増、確定値1.8%増)と4カ月続けて前年を上回った。日本橋店は2018年9月からレストラン街の運営を子会社の東神開発に移管し、百貨店としての売場面積が縮小しているが、それらを調整した実質では前年比18.7%増になる。

店頭売り上げはラグジュアリーブランドや宝飾品を中心とした高額品売り上げが引き続き伸長したことに加え、日本橋店における前年の改装工事の反動や、前年に比べ土曜日・休日が多かったことなどにより、前年実績を上回ったとしている。ただ、訪日外国人観光客売上高は前年比9.2%減となった。

17店舗ベースの商品別では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、特選衣料雑貨、宝飾品、子ども情報ホビー、リビングなどが前年比プラスだったが、一方で、婦人雑貨、食料品などは前年実績を下回った。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同0.2%増(同速報値3.2%減、確定3.2%減)と2カ月ぶりに前年を上回った。

百貨店事業は、美術宝飾品、化粧品、ラグジュアリーブランドが好調に売り上げを伸ばしたほか、紳士服飾も堅調に推移した。しかし、台風10号により一部店舗が休業となるなどのマイナス影響が大きかったことに加え、婦人ファッション、食品も苦戦したことなどから、大丸松坂屋百貨店合計では0.5%減だった。訪日外国人観光客売上高は前年約2%減(客数同5%減、客単価同3%増)となった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、7月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同3.3%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同0.6%減(同速報値1.1%減、確定値1.1%減)と3カ月続けて前年を下回った。

銀座店は、国内外のデザイナーを軸とした高価格帯の婦人服や、海外のラグジュアリーブランドは引き続き好調に推移した。梅雨明け後、後ろ倒しとなっていた盛夏物商戦では、帽子やサングラスなどの盛夏雑貨アイテムも好調だったが、国産アパレルなどを中心としたボリュームゾーンは依然弱かった。

訪日外国人観光客売上高については、化粧品の売上高が前年比2.2%減など、海外からのお客の買上動向に変化が見られ、前年割れとなったという。松屋銀座店の場合、訪日外国人観光客売上高が店全体の売上高の25%程度を占めていることもあって、土曜日、祝日増加、お盆の売り上げ増などもあったものの、訪日外国人観光客売上高の前年割れが響いた。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内78社215店舗(総従業員6万6255人)の7月売上高(店舗調整後)は前年同月比2.9%減の4971億0019万円で、4カ月続けてマイナスとなった。

7月は「長梅雨による日照不足や低温多雨の影響から盛夏アイテムが不振だったことに加え、日曜日の前年比1日減も響いた。月末の梅雨明け以降、気温の上昇に伴い復調を示した」ものの、結局、前年実績を下回ったとしている。ラグジュアリーブランドや時計を中心とした高額品や訪日外国人観光客売上高は引き続き好調だった。

顧客別では、訪日外国人観光客売上高(シェア5.7%)が3.4%増(281億円)と6か月連続でプラスだった。購買客数(3.7%減、2カ月連続)は前月より2.3ポイントダウンしたものの、購買単価は7.3%増と高伸した。一方、国内市場(シェア94.3%)は3.2%減となった。

商品別では、ラグジュアリーブランドが好調だった身のまわり品(0.6%増)が3カ月ぶりにプラスとなり、雑貨(1.7%増)が5カ月連続プラス、化粧品(0.2%増)に加え、宝飾、時計、美術などの高額品(宝飾、美術、貴金属8.9%増)がけん引した。

また、衣料品(1.7%減)は天候などの影響で、盛夏物が振るわず、マイナス基調で推移した。紳士服・用品(0.2%増)はプラスに転じたが、主力の婦人服・用品(1.7%減)が苦戦した。食料品(1.4%減)は2カ月連続マイナスだった。

商品別では、宝飾・時計など高額品(美術・宝飾・貴金属、8.6%増、6カ月連続)と化粧品(0.5%増、52カ月連続)が牽引し、雑貨も1.7%増と6カ月連続プラスだった。身のまわり品(2.9%減)は、夏物の婦人靴やアクセサリーなどの動きが鈍くマイナスに転じ、主力の衣料品(6.9%減)は、天候与件から季節需要が盛り上がらず、特に、軽衣料の動きが鈍かった。食料品(1.9%減)は、菓子(2.3%増、6カ月連続)が好調だったものの全体では前年実績には届かなかった。

全国の百貨店の営業日数は前年同月と同じ30.9日、119店舗の回答によると、入店客は21店が増え、66店が減ったとし、うち82店舗の回答によると7月の歳時記(クリアランス、夏休み)の売り上げについては6店が増え、46店が減ったとしている。東京地区(13社25店)の7月の売上高は同2.7%減の1365億9431万円と4カ月続けてマイナスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要の7月の売上高は同3.4%増の約281億3000万円と6カ月続けてプラスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが5.7%としている。

このうち、一般物品売上高は同0.6%増の約162億4000万円で、3カ月ぶりに前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同7.3%増の118億9000万円、購買客数が同3.7%減の約44万1000人と2カ月続けてマイナスとなり、1人あたりの購買単価が同7.3%増の6万4000円で、6カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から2019年5月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から2019年4月まで2位、5月3位、6月2位)が2カ月連続、3位が食品(2018年1月4位、2月3位、3月5位、4月3位、5月4位、6月から2019年4月まで3位、5月2位、6月3位)だった。

4位に婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から2019年6月まで4位)、5位に婦人服が2019年1月以来、回復した。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から2019年6月まで1位)、2位は香港(2018年1月2位、2月4位、3月3位、4月4位、5月と6月3位、7月2位、8月と10月3位、11月と1月2位、2月4位、3月から6月3位)、3位は台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位)がいずれも韓国を抜いて上がった。

4位は韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月と10月2位、11月と1月まで3位、2月から6月2位)が下がり、5位にタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位、1月から6月5位)、6位にシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位、1月から6月6位)、7位がマレーシア(2018年1月から6月まで7位)と変わらなかった。

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