東宝6月映画、87%減も7億円に回復、新作の公開日も順次決定

【銀座新聞ニュース=2020年7月10日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は7月9日に6月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比87.0%減の7億485万円と、5カ月連続で前年を下回ったと発表した。

8月21日から一般公開されることが決まった「糸」((C)2020映画「糸」製作委員会)。1992年に作られ、1998年に発売され(ネット配信は2002年開始)、2017年に日本音楽著作権協会賞金賞を受賞し、2018年にミリオンセラーとなった中島(なかじま)みゆきさんの「糸」をモチーフにしている。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、映画館が休業に追い込まれ、2月から前年比マイナスが続く中で、3月に前年同月比80%減の12億円、4月に同99%減の1億3887万円、5月に同99%減の6896万円まで減少していたが、6月は同87%減と厳しい中でも7億円にまで回復の兆しを見せた。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(695スクリーン)の6月の入場料収入は5月14日までに全館が休業し、その後、順次再開してきたこともあって、同86.5%減の9億7249万円だった。トーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

公開中の映画は、新作がすべて延期されたことから、3月20日公開の「弥生、三月 君を愛した30年」のみが上映され、ほかにスタジオジブリ4作品が再上映された。

興行通信社の映画興行ランキングによると、6月6日、7日の週は「アキラ(AKIRA)」が4位、「天気の子」が7位と、トップ10入りは2本だった。

13日、14日の週は「天気の子」が5位、「アキラ」が7位とトップ10入りは2本だった。

20日、21日の週は「天気の子」が7位、「アキラ」が10位とトップ10入りは2本だった。

27日、28日の週は「千と千尋の神隠し」が初週で1位、「もののけ姫」が初週で2位、「ゲド戦記」が初週で9位とトップ10入りは3本だった。いずれも再上映されたスタジオジブリ3作品がトップ10入りした。

6月に映画館で上映された作品は「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」、「ゲド戦記」、「アキラ(AKIRA)」、「弥生、三月‐君を愛した30年」、「貴族降臨 プリンス・オブ・レジェンド(PRINCE OF LEGEND)」、「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の8点。

東宝の配給作品で、これまでに公開を延期された作品は「映画しまじろう しまじろうとそらとぶふね」(2月28日予定、2021年春頃に延期)、「僕たちの嘘と真実 ドキュメンタリー・オブ(Documentary of)欅坂(けやきざか)46」(4月3日予定)、「名探偵コナン 緋色の弾丸」(4月17日予定、2021年4月に延期)、「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」(4月24日予定)。

「燃えよ剣」(5月22日予定)、「思い、思われ、ふり、ふられ」(5月29日予定)、「奥様は、取り扱い注意」(6月5日予定)、「ヒノマルソウル‐舞台裏の英雄たち」(6月19日予定)、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(6月27日予定)、「劇場版ポケットモンスター ココ」(7月10日予定)、「スタンド・バイ・ミー(STAND BY ME)ドラえもん 2」(8月7日予定)。

「コンフィデンスマンJP プリンセス編」については5月1日公開の予定だったが、7月23日から公開する。「映画ドラえもん のび太の新恐竜」も3月6日公開予定だったが、8月7日から公開する。「糸」も4月24日公開予定だったが、8月21日からの公開を決めた。「映像研には手を出すな!」も5月15日予定から9月25日からの公開を決めた。