M84でP・サルーン「動物」展、現役最後の展示、自ら紙焼き

【銀座新聞ニュース=2020年10月9日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は10月12日から11月21日までフィリップ・サルーンさんによる写真展「猫や犬など動物達」を開く。

アートギャラリーエムハッシー(Art Gallery M84)で10月12日から11月21日まで開かれるフィリップ・サルーンさんの写真展「猫や犬など動物達」に出品される作品。

モノクロの写真家、フィリップ・サルーン(Philippe Salaun)さんが日常で猫や犬などの動物達をユーモラスに捉えた作品群を展示する。これまでにフランスの写真家、ロベール・ドアノー(Robert Doisneau、1912-1994)や同じくフランスの写真家、エドゥアール・ブバ(Edouard Boubat、1923-1999)、ドイツ生まれの英国の写真家、ビル・ブラント(Bill Brandt、1904-1983)らフランスを中心としたヨーロッパの著名写真家の作品を紙焼きして、プリントアーティストとしての地位も築きあげてきた。

また、若い人の指導にも当たり、これまでに数回来日して、プリントワークショップを開いている。分かりやすい暗室作業は多くのファンを持っており、プリントの魅力を社会に伝えてきたという。2020年いっぱいで事務所を閉じるフィリップ・サルーンさんは「世界的な写真家として現役最後の展示となる作品群」、本人が紙焼きした約30点を展示販売する。

フィリップ・サルーンさんは1943年フランス生まれ、1962年から1964年までプロスキーヤーの三浦敬三(みうら・けいぞう、1904-2006)のすすめにより、アルジェリアで入隊中に初めて写真と接し、1968年にパリの広告写真家のスタジオで助手を務め、1970年から1972年にプロラボでプリント技術(現像と焼き付け)を習得し、この時期から撮影はモノクロに集中している。

1979年に独立してパリにモノクロ焼き付け専門のラボを設立、1980年にフランス国立写真財団の奨学金を得てアメリカに渡り、アンセル・アダムス(Ansel Adams、1902-1984)らの作業を実際に見てプリント技術を学んだ。1987年から1994年までパリの大学で教鞭をとった。

その後もプリンター、写真家として幅広く活躍、世界中で写真展を開き、ペルー、ボリビア、マリ、ベトナムなどを訪れ、人々のポートレートを主に撮影している。これまでに数回来日しており、日本でも個展、プリントワークショップを開いている。現在、パリに在住している。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日17時まで)、日曜日が定休日。入場料は500円。