シネパトスで最後のピンク映画祭、愛染恭子らトークも(1)

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【銀座新聞ニュース=2012年11月15日】銀座シネパトス(中央区銀座4-8-7先、三原橋地下街、03-3561-4660)は12月1日から12月21日まで「ピンク映画50周年記念特集上映 ピンクフィルムクロニクル(PINK FILM CHRONICLE)1962-2012-ファイナル(FINAL)-午後8時の映画祭」を開催する。

映画 シネパトス 奴隷市

銀座シネパトスで12月1日から21日まで開催される「ピンク映画50周年記念特集上映 ピンクフィルムクロニクル1962-2012-ファイナル」で上映される「奴隷市」((C)団鬼六事務所/オールインエンタテインメント/新東宝映画)。

1962年に小林悟(こばやし・さとる、1930-2001)が監督した「肉体の市場」(大蔵映画配給)が警視庁に猥せつ容疑で摘発されるも、ヒットし、「ピンク映画」というジャンルを生み出すきっかけとなった。

このピンク映画が50周年を迎えたのを記念して5月から2回に分けて「ピンク映画50周年記念特集上映」を行っており、今回が最後で、新作を中心に上映し、「現在の形」を鑑賞できるとしている。

20時15分以降のレイトショー形式で連日2本立てにより上映する。また、愛染恭子(あいぞめ・きょうこ)さんら監督、出演者などによるトークイベントも開く。

ウイキペディアによると、「ピンク映画」は日本のポルノ映画のうち、大手以外の映画制作会社によって制作・配給された作品のことで、制作配給会社としては新東宝映画、オーピー映画(旧大蔵映画)、新日本映像(エクセス・フィルム)があり、この他に制作のみを行っている国映があり、配給は新東宝映画に委託している。

ピンク映画の起源は明確ではなく、一般的には1950年代から1960年代にテレビの普及により、ニュース映画や教育映画関係者達がお色気をテーマにした短編・中編映画を制作し、小規模なニュース映画専門館に供給したのが始まりとされている。

当時は「お色気映画」などと呼ばれていたが、夕刊紙「内外タイムス」文化芸能部の記者で、後に映画評論家となった村井実(むらい・みのる、1927-2004)が1963年に映画「情欲の洞くつ」を取材した際、「おピンク映画」という造語を作り、その後「お」が外れてピンク映画という言葉が誕生したと言われている。

当時は「お色気」に徹した作品であり、現在の過激な性描写にはほど遠く、作品としての質も決して高くなかった。しかし、1961年の新東宝が倒産し、新東宝の経営を追われた大蔵貢(おおくら・みつぐ、1899-1978)が「大蔵映画」を設立、新東宝関西支店の有志が新東宝興業(現新東宝映画)を設立してピンク映画界の2大会社が相次いで誕生した。

1960年代半ばには新東宝、大蔵などは全国各地の成人館を一般映画同様、チェーン化し、1970年には日活ロマンポルノの一定の成功もあって、東映セントラルフィルム、東活(事実上の松竹系)、ミリオンフィルム(後のジョイパックフィルム、現在のヒューマックスシネマ)といったメジャー系のピンク映画制作会社も出現した。

1980年代前半がピンク映画の最盛期であり、ゲイ・ポルノなども制作されるが、1980年代後半にはアダルトビデオに市場が奪われ、ピンク映画に対する映画業界による自主規制などもあり、メジャー系制作会社は次々に撤退し、1988年にはロマンポルノも撤退し、1990年代には市場が大幅に縮小した。

上映日程は以下の通り(カッコ内は公開年、監督名、主な出演者名、色彩、上映時間)

12月1日から12月4日は「奴隷市」(2012年、愛染恭子=あいぞめ・きょうこ=さん、麻美=あさみ=ゆまさん、カラー、71分)と「阿部定 最後の七日間」 (2011年、愛染恭子さん、麻美ゆまさん、カラー、70分)。

12月5日から12月7日は「奴隷市」と「奴隷船(愛染恭子さん引退記念作品)」(2010年、金田敬=かねだ・さとし=さん、愛染恭子さん、カラー、71分)。

12月8日から12月11日は「奴隷市」と「女囚701号さそり外伝 第41雑居房」 (2012年、藤原健一=ふじわら・けんいち=さん、葵=あおい=つかささん、72分)。

12月12日から12月14日は「つわものどもの夢のあと 剥き出しセックス、そして性愛・・・」(2012年、松岡邦彦=まつおか・くにひこ=さん、後藤リサ=ごとう・りさ=さん、カラー、60分)と「義父の求愛 やわ肌を這う舌」(2012年、竹洞哲也=たけほら・てつや=さん、つるのゆうさん、カラー、60分)。

12月15日から12月18日は「愛いろいろ-ラブリー・ファミリー(lovely family)」(2012年、池島=いけしま=ゆたかさん、竹本泰志=たけもと・たいし=さん、カラー、61分)、「熟妻と愛人 絶妙すけべ舌」(2012年、後藤大輔=ごとう・だいすけ=さん、春日野結衣=かすがの・ゆい=さん、カラー、60分)。

12月19日から12月21日は「新婚妻の性欲 求める白い肌」(2012年、吉行由実=よしゆき・ゆみ=さん、羽月希=はづき・のぞみ=さん、カラー、60分)と「さみしい未亡人 なぐさめの悶え」 (2012年、荒木太郎=あらき・たろう=さん、愛田奈々=あいだ・なな=さん、カラー、60分)。

料金は一般、学生1300円、シニア1000円、毎週水曜日は女性1000円、特別上映は1500円。18歳未満は入場不可。トークイベントは1800円。