中央の百貨店3月、日本橋2店減、他は増、外国客堅調

【銀座新聞ニュース=2018年4月3日】中央区とその周辺の主要百貨店の3月売上高(速報値、店頭ベース)は日本橋高島屋と日本橋三越がマイナスで、銀座三越、大丸東京店、松屋銀座店の3店がプラスだった。

3月の売上高もプラスとなり、12カ月連続で前年を上回った銀座三越。

3月は「気温の上昇にともない紳士・婦人とも春物衣料が好調に推移し、高額品・訪日外国人観光客(免税売上高、インバウンド)需要が引き続き伸長し」(高島屋)、「大都市圏店舗を中心に高額品の動きが好調に推移したことや、気温が上がってきた月後半に春物衣料の売り上げが上向いた」(三越伊勢丹ホールディングス)こともあり、好調に推移した。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比0.1%減(2月速報値0.1%増、確定値8.4%減の102億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは5カ月ぶりに前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同5.7%増(同速報値12.7%増、確定値12.7%増の73億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と12カ月続けてプラスだった。

新宿伊勢丹本店を含む首都圏の基幹3店では、ラグジュアリーブランドなどの高額品が引き続き好調だったほか、月後半には気温の上昇を受けて、春物衣料の実需も堅調に推移した。全国的に訪日外国人観光客売り上げは好調で、とくに化粧品やラグジュアリーブランドの買上客数の伸長が顕著だったとしている。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同0.4%減(同速報値6.4%減、確定値6.4%減)と6カ月続けて前年を下回った。日本橋店は店内改装の影響などにより前年に届かなかったという。

17店舗ベースの商品別では、国内、訪日外国人観光客需要とも好調な特選衣料雑貨、宝飾品が大きく売り上げを伸ばしたほか、紳士服、婦人服、婦人雑貨、スポーツが前年比プラスとなった一方で、紳士雑貨、食料品、リビングなどが前年を下回ったとしている。訪日外国人観光客需要は前年に比べて22.0%増だった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同4.8%増(同速報値4.0%増、確定値4.1%増)と19カ月続けてプラスとなった。全体では、気温が平年より高く推移したことにより、スプリングコート、ブラウスなど春物ファッションの動きがよかったほか、ホワイトデーの催事も好調に推移し、化粧品、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も売り上げを伸ばした。大丸松坂屋百貨店合計の訪日外国人観光客需要(速報値)は対前年70%増(客数62%増、客単価5%増)となった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、2月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同212.9%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同5.3%増(同速報値13.1%増、確定値13.1%増)と9カ月続けて前年を上回った。

銀座店は、初夏を思わせる天候により桜の開花が例年より早まったことで、食品部門の惣菜、酒が好調に推移し、ジャケット、ブラウス等の春物の動きもよく、衣料品全体で売上高が前年を超え、曜日廻りによる土・日曜日数増のプラス要因(約2%程度)も加わり、前年に対して上回った。訪日外国人観光客需要についても、化粧品、時計が牽引し、前年に対して2桁以上の伸びを示したとしている。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内80社225店舗(総従業員7万219人)の2月売上高(店舗調整後)は前年同月比0.9%減の4290億7709万円で、3カ月続けてマイナスとなった。

2月は高額消費と訪日外国人観光客需要(インバウンド)が引き続き堅調に推移した一方で、降雪や寒波などの天候要因で入店客数や春物の季節商材に影響が出たことや、株価乱調による景気回復の一服感などから、前年実績をわずかに下回った。

顧客別では93.5%を占める国内市場が同2.8%減だったのに対し、シェアが6.5%の訪日外国人観光客需要は中華圏春節休暇(2017年が1月28日、2018年が2月16日)があり、過去2番目となる同38.7%増の約280億円となった。

全国の百貨店の営業日数は前年同月と同じ27.7日、130店舗の回答によると、入店客は36店が増え、61店が減ったとし、うち102店舗の回答によると2月のバレンタインデー、節分の売り上げについては26店が増え、26店が減ったとしている。東京地区(13社25店)の2月の売上高は同0.6%増の1174億9920万円と2カ月ぶりにプラスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要の2月の免税売上高は同38.7%増の約280億9000万円で、15カ月連続のプラス、単月としては過去2番目を記録し、国内の百貨店に占めるシェアが6.5%としている。

このうち、一般物品売上高は同42.7%増の約176億7000万円で、12カ月続けて前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同32.4%増の104億2000万円、購買客数が同33.8%増の約39.4万人と2013年2月から61カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同3.6%増の7万1000円で、10カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2016年12月から2018年1月まで1位)、2位にはハイエンドブランド(12月2位、1月、2月4位、3月2位、4月4位、5月3位、6月2位、7月3位、8月から11月2位、12月3位、1月2位)、3位に食品(12月4位、1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月3位、6月4位、7月から12月4位、1月4位)が2017年5月以来の帰り咲きで、4位に婦人服飾雑貨(12月3位、1月2位、2月、3月3位、4月2位、5月2位、6月3位、7月2位、8月から11月3位、12月2位、1月3位)が下がり、5位の婦人服(4月は6位以下、5月から1月5位)はそのままだった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(12月から1月まで1位)、2位に韓国(12月から7月まで4位、8月2位、9月4位、10月から12月3位、1月4位)が2017年8月以来の2位に上昇し、3位の台湾(12月から7月まで3位、8月4位、9月3位、10月3位、11月4位、12月4位、1月3位)は変わらず、4位に香港(12月から7月まで2位、8月3位、9月2位、10月4位、11月から1月2位)が下がった。

5位にタイ(12月6位、1月から11月まで5位、12月6位、1月5位)、6位にシンガポール(12月5位、1月から11月まで6位、12月5位、1月6位)、7位がマレーシア(12月から1月まで7位)だった。