シャンテ「アイリーン」でN・シトイと吉田監督がティーチイン

【銀座新聞ニュース=2018年9月21日】中堅映画配給会社のスターサンズ(中野区中央1-35-6、03-6304-0807)は9月22日にTOHOシネマズシャンテ(千代田区有楽町1-2-2、03-6868-5001)で「愛しのアイリーン」に出演しているナッツ・シトイさんと監督の吉田恵輔さんによるティーチインイベントを開く。

現在、一般公開されている「愛しのアイリーン」((C)2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ(VAP/スターサンズ/朝日新聞社))。

9月14日から一般公開され、22日12時30分の回上映終了後に、監督の吉田恵輔(よしだ・けいすけ)さんと農家の長男「宍戸岩男」(安田顕=やすだ・けん=さん)と結婚するフィリピン人の女性「アイリーン・ゴンザレス」役のナッツ・シトイさんが舞台に登場してティーチインイベントを開く。ナッツ・シトイさんは吉田恵輔さんらによるフィリピンでのオーディションでヒロイン役を射止めた新人女優だ。

「愛(いと)しのアイリーン」は、マンガ家の新井英樹(あらい・ひでき)さんが「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に1995年19号より1996年42号まで連載した題名の同じマンガが原作で、日本の農村の少子高齢化、嫁不足、外国人妻、後継者問題といった社会問題を取り上げている。

とくに、「国際結婚が内包している種々の問題」について描写しており、終盤にかけては「夫婦の愛情」や「母から子への愛情」などにテーマが広がり、最終的には「家族の愛」が描かれているという。

小学館(ビッグコミックス)から単行本全6巻、後に大都社より全2巻で復刊され、2011年には太田出版より新たに描き下ろしたエピローグ(16ページ)を加えた新装版が上下巻で復刊されている。

物語は42歳まで恋愛を知らず独身でいた宍戸岩男が、久しぶりに寒村にある実家に帰省するところからはじまる。実家では死んだことすら知らなかった父親の葬式の真っ最中だった。そんなタイミングで帰ってきた岩男がフィリピン人の嫁アイリーンを連れていったため、参列者がざわつき出し、その背後からライフルを構えた喪服姿の母親ツルが現れる。

吉田恵輔さんは1975年埼玉県生まれ、東京ビジュアルアーツを卒業、在学中から自主映画を制作し、監督の塚本晋也(つかもと・しんや)さんの「BULLET BALLET バレット・バレエ」(2000年)をはじめ、PVやCMの照明を担当し、2005年に中編映画「なま夏」で監督デビューし、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門でグランプリを獲得、2006年に「机のなかみ」で長編デビューし、2008年に発表した小説「純喫茶磯辺」を自ら監督・脚本で映画化した。

2010年に「さんかく」、2013年に「ばしゃ馬さんとビッグマウス」や「麦子さんと」などのオリジナル作品を発表し、2014年に青春マンガ「銀の匙 シルバースプーン(Silver Spoon)」を、2016年に古谷実(ふるや・みのる)さんのマンガ「ヒメアノール」を実写映画化した。

チケットはすでに劇場窓口などで販売している。料金は一般1800円、大学生1500円、高校生、3歳から中学生1000円、シニア1100円。映画は「R15+」(15歳以上が鑑賞できる)に指定されている。