タイム明石で三河内岳がいん石から太陽系の誕生を語る

【銀座新聞ニュース=2011年10月4日】タイムドーム明石(中央区明石町12-1、03-3546-5537)は10月9日13時からプラネタリウムホールで三河内岳さんによる「もっと知りたい!第2日曜日は天文・宇宙のトビラ」を開催する。

「もっと知りたい!第2日曜日は天文・宇宙のトビラ」はタイムドーム明石が毎月第2日曜日に、プラネタリウムを使って、専門家が「天文・宇宙」について、初心者向けに解説するイベントだ。

今回は東京大学大学院理学系研究科准教授の三河内岳(みこうち・たけし)さんが「太陽系の惑星誕生の謎にせまる いん石が教えてくれること」と題して、いん石の研究を通じて、太陽系の惑星の誕生についてわかりやすく説明する。

太陽系には8つの惑星があり、そのうち水星、金星、地球、火星は岩石でできた星で、これらの惑星の誕生については地球に降り注ぐいん石の中から探ることができる。三河内岳さんがいん石から、宇宙のどこから来たのか、太陽系惑星の誕生の秘密がどのようにわかってくるのかを解説する。

東京大学大学院のHP「理学の美学」によると、「いん石」は45億年前、太陽系が誕生した直後にできた天体で、溶けていたマグマが冷えて固まった火成岩という。三河内岳さんによると、「いん石の魅力は、数十億年も過去の情報が保存されていること」で、いん石を分析すると、太陽系が誕生した頃の環境を知ることができ、そこから地球ができた謎を解くことも可能になるとしている。

いん石は直径数メートルの巨大なものから、コメ粒ほどの小さなものまであり、南極で数多く発見されている。1969年に昭和基地の近くにある「やまと山脈」 という場所で地質調査をしていた観測隊員がいん石を9個発見し、その後、たくさんのいん石が見つけられるようになった。

三河内岳さんは鉱物学や結晶学的な方式でいん石を分析しており、サンプルの大きさは0.2から0.3グラム、5ミリ角程度で、鉱物の成分や結晶構造を分析し、どのような過程で誕生したのかを考える。

ウイキペディアによると、日本に落下が確認されたいん石の数はそれほど多くなく、認定されたものは50個ほどだが、南極地域観測隊が1969年にやまと山脈のふもとに集積していた9個のいん石を採集して以来、南極の特定のある条件を満たした場所にいん石が集積し、現在までに1万6700個が発見、回収されており、日本は世界で2番目に多く保有している。

日本のいん石のうち最古のものは861年5月19日(貞観3年4月7日)に福岡県直方市に落下し、須賀神社に保存されている直方いん石(0.472キログラム)で、落下記録が残っているいん石の中で、現存するものとしては世界最古とされている。慣行として、いん石には落下地点における配達を受け持つ(郵便区とする)集配郵便局の名がつけられることになっている。

三河内岳さんは岡山県生まれ、東京大学理学部を卒業、東京大学大学院理学系研究科鉱物学専攻を修了、東京大学大学院理学系研究科助手などを経て現在、東京大学大学院理学系研究科准教授。

時間は13時から14時で、料金は無料。定員は86人で、12時から6階で整理券を配布する。