【銀座新聞ニュース=2020年5月30日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「ギルトフリーで無味無臭な万能油のコメ油に注目」を発表した。
コメ油は無味無臭で用途を選ばない、しかも体にもよい植物油として近年需要が拡大している。
どんな料理にも使い勝手がいいクセのない植物油には、さまざまな種類がある。「サラダ油」と書かれた植物油は、コーン油、大豆油、なたね油(キャノーラ油)をミックスしたもので、ほかに一般的な植物油には、ごま油、ひまわり油、紅花油(サフラワー油)などがある。
そうした中で、無味無臭で用途を選ばない、しかも体にもよい植物油として、近年急速に需要が拡大しているのが「コメ油(こめあぶら)」という。
コメ油は米ぬか由来の植物油で、米に油分が含まれているイメージはないかもしれないが、玄米を精米する際に出る「米ぬか」には約20%の油分が含まれ、これがコメ油の原料となる。
コメ油は風味や香りにクセがないので用途を選ばず、料理だけでなくスイーツにも使うことができる。生食もできるし、酸化に強いので炒め物はもちろん、揚げ物にも最適だ。
しかし、体によい油でも使い道に難点があるという。ヘルシーオイルを取り入れることは今や常識ともいえるが、オリーブオイルやココナッツオイル、アマニ油などは特有の香りがあるため、どんな料理にでも合うわけではない。
コメ油を使ったパウンドケーキなら、スーパービタミンEのトコトリエノールルなど体によい成分を摂取できる。
アマニ油はオメガ3脂肪酸を含むことから注目されているが、熱により酸化しやすい性質のため、加熱調理には向かないし、酸化した油は内臓にダメージを与える。サラダなどで生食するにしても、アマニ油も独特な香りがあるため好みが分かれる。
体によいといわれている油は、このように使い道が限定されることや風味にも好みがあるので、炒め物や揚げ物などで日常的に使う油は、風味も価格面においても使いやすいサラダ油などの植物油を使うことがほとんどだろう。
ほとんどの植物油の脂肪酸は、主にリノール酸(オメガ6脂肪酸)、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)で構成されていて、原料の種類によりこの比率が大きく異なる。オメガ6脂肪酸に属するリノール酸は、体内で作ることができないため、食品から摂取すべき必須脂肪酸だが、現代では摂取過多の人が多く、生活習慣病やアレルギーを悪化させるリスクがあると考えられている。
一方、オメガ9脂肪酸に属するオレイン酸はオリーブオイルの主成分で知られているように、抗酸化力が強く、オメガ3、6よりも加熱調理に向いている。しかも、悪玉コレステロールを減らすといわれ、生活習慣病のケアにも役立つとされている。
オレイン酸は体によい成分ではあるものの、オメガ9脂肪酸は必須脂肪酸ではないし、脂肪は1グラムあたり9キロカロリーであることを考えると、健康やダイエット面でも摂りすぎはよくない。
オレイン酸とリノール酸はバランスが重要で、多くの植物油はオレイン酸があまり含まれていないのに対し、コメ油はオレイン酸43%、リノール酸35%とオレイン酸が優位で、理想的なバランスとなっている。
コメ油で特筆すべき成分は、「トコトリエノール」と「γ(ガンマ)-オリザノール」で、ビタミンEにはいくつか種類があるが、コメ油には「トコトリエノール」という種類のビタミンEが豊富に含まれている。トコトリエノールは通常のビタミンEの50倍もの抗酸化作用を持つことから、「スーパービタミンE」と呼ばれているほどだ。
「γ-オリザノール」はコメ油の原料である米ぬかにしか含まれていない特有の成分で、こちらも強い抗酸化作用を持っている。医薬品としても用いられている成分で、高脂血症や更年期障害、過敏性腸症候群の治療剤に使われている。化粧品としては美白や紫外線ダメージのケアなどに使用されている。
コメ油はまったくクセがないので、どんな料理にでも、さらにはスイーツにまで使うことができる。
料理は和洋中どんなものでも合うし、価格も手頃なので油を大量に消費する揚げ物にも使いやすい。スイーツであれば本来バターを使うところを、コメ油に変えることにより、トコトリエノールやγ-オリザノールなど体によい成分を十分に摂取することができる。罪悪感を持たずに食べられる「ギルトフリー」のスイーツなら、ダイエット中でも安心して食べられる。
そこで自宅で簡単に作ることができる、コメ油を使ったギルトフリースイーツを紹介する。
「米油のパウンドケーキ」(中サイズパウンド型2本分)
1.ホットケーキミックス200グラム
2.コメ油大さじ6
3.卵2個
4.牛乳60ミリリットル
5.砂糖大さじ6
1)オーブンを180度で予熱をしておく。2)ボウルにすべての材料を入れて混ぜ、パウンド型に流し入れる。3)予熱したオーブンで約25分焼く。焼き始めから10分後に包丁で縦に切れ目を入れると、きれいに割れた仕上がりになる。
体によい油で無味無臭、使い勝手がよく、しかもコストパフォーマンスが高いコメ油。揚げ物はカラっと仕上がるし、油臭くもなりにくい。普段使いの油をコメ油に変えて、毎日の食事に取り入れてみてほしいとしている。
日本植物油協会によると、2017/2018年の植物油の生産量は全体で2億169万トンで、このうち、パーム油が7150万トン、大豆油が5615万トンと2つの油種で1億2765トン、63%を占め、この2つの油種が世界の植物油市場を主導している。日本でもっとも多く生産・消費されている菜種油は、世界では第3番目に多い植物油となっている。
日本の植物油の生産量は大豆が2014年/2015年から40万トンを超えており、2018年/2019年が47万6000トン、菜種油が2014年/2015年の107万4000トンから減少傾向にあり、2018年/2019年が101万6000トンとなっている。
コメ油は淡白な味と、酸化しにくく加熱しても品質が安定している特長を生かし、マヨネーズの原料やスナック食品、また揚げ物やドレッシングなど生食でも利用されている。国内で供給されるほぼ唯一の国産原料だったが、減反政策などからの影響で、現在では東南アジアやブラジルなどの油での輸入が増えている。
日本こめ油工業協同組合によると、コメ油の生産量は2019年が前年比3.2%増の6万6531トン(2018年6万4487トン)で、輸入量が同1.2%減の3万3138トンで、国内の供給量が同1.7%増の9万9669トン(同9万8040トン)となっている。需要量は2018年が前年比7.9%増の8万6610トン。