【銀座新聞ニュース=2021年5月29日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「食品添加物を減らして体質改善を目指す!」を発表した。
色、味、見た目、保存性などをよくするための「香料、着色料、保存料」などの多くの添加物が加工食品やお菓子、惣菜、パンなどあらゆる食品に使用されている。
人間の体は合成添加物をうまく分解できないことがあり、すると代謝が悪くなり、脂肪も分解されづらくなっていくという悪循環が生まれる。毎日、コンビニ弁当やコンビニサラダチキンを食べるなど多くの添加物を摂取していると、たとえカロリーが低かったとしても太ってしまうということもありえる。
食品添加物を完全に排除することは難しいが、体のことを考えたらできるだけ避けるようにしたいところ。そこで、今回、紹介するのが「ゆる無添加」だ。
100%排除をめざすのではなく、できる範囲で無添加を生活に取り入れるのが「ゆる無添加」で、そのためには、安全な添加物と危険な添加物を知って、加工食品を購入するときには、原材料表示をチェックする習慣をつけることが大切になる。
加工食品は原材料名を表示することが義務付けられているので、パッケージの裏面や側面などに記載されていることが多い。危険性が分かっていても、添加物の使われた食品を購入せざるを得ない時もあるが、できるだけ頻度や量を減らし、可能な範囲で無添加生活にしていきたい。
合成の甘味料は砂糖より安価で低カロリー、保存性も高めることができるため、広く用いられている。
●中食や惣菜にも食品添加物
色、味、見た目、保存性などをよくするための「香料、着色料、保存料」などの多くの添加物が、加工食品やお菓子、惣菜、パンなどあらゆる食品に使用されている。スーパーやデパ地下などの惣菜やデリバリーなどの中食は、レトルトなどの加工食品よりも安心というイメージがあるかもしれない、無添加なほうが少ないのが現状だ。
保存や調味のために食品添加物を使っているケースがほとんどで、しかも、中食は原材料表示の義務がないので、何が使われているのかを確認できないこともある。
理想は素材そのものから手作りする食事だが、毎日のことなので、すべてを手作りすることは非現実的だし、作り手の負担がとても大きくなってしまう。
時間的に難しい場合もあるだろうし、また、調味料に添加物が使用されていることも多々あり、完全無添加というのはかなりハードルが高いといえる。このため、惣菜や加工食品など便利なものをうまく取り入れながらも、添加物が少ないものを選べるように、知識を身につけたい。
食用タール色素は、「赤色◯号」や「黄色◯号」などと表示される合成着色料で、食品の色を鮮やかにする添加物だ。
食べたもので体は作られるので、自分の体のためにはできるだけよいものを口にしたいもの。徹底して無添加とまではいかなくても、「ゆる無添加」でヘルシーな食生活に変えていきたい。
●すべての添加物が悪ではない
食品添加物と聞くと「体に悪そう」とか「なるべく避けたほうがよさそう」といったような漠然としたイメージがあるかもしれない。しかし、食品添加物は天然由来も、人工的なものも、食品に添加する物質のことは一括りに「食品添加物」と呼ばれており、例えば豆腐の製造に必須の「にがり(塩化マグネシウム)」も食品添加物になる。
添加物と名のつくものすべてが体に悪いとは一概には言えないし、必ずしも人工的な合成添加物が悪く、天然由来が体に害がないというわけでもない。添加物一つひとつの名称を覚えることは難しいので、そうした場合は使われている添加物の数が少ないものを選ぶというのもひとつの手段といえる。それでは身近な食品でよく見かける添加物を紹介する。
●身近な食品でよく使用されている添加物
合成香料で現在許可されているものは、2500種にも上るといわれている。
「乳化剤」
乳化剤は水と油のように、通常では分離してしまう性質のもの同士の性質を変え、混ざりやすくするために使われる。この中でとくに注意をしたいのが「リン酸塩」だ。リン酸塩は、子どもが好きなプロセスチーズやハム、ソーセージなどの加工肉に多用されており、乳化剤としての用途以外にもPH調整剤などとしても用いられている。
「乳化剤」の過剰摂取はカルシウムの吸収が阻害され、骨がもろくなる恐れがあるので、特に成長期の子どもは避けたい。例えば、チーズを買うのであれば、少し値は張るが、非加熱、無添加のナチュラルチーズのほうが安全性、栄養価ともに高く、乳酸菌も生きている。
下記の乳化剤はいずれを使用していても、「乳化剤」と一括表示することができるので、どれが使われているかまでは分からないので、対策としては「リン酸塩」と明記されているものは購入しないようにしたい。
〇合成:グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、リン酸塩など
〇天然由来:大豆レシチン、大豆サポニン、卵黄レシチン、オオムギ殼皮抽出物など
「保存料」
保存料は、食品のカビや腐敗などの原因となる微生物の増殖を抑え、保存性を高める添加物だ。乳化剤のように一括表示はできず、「保存料(ソルビン酸K)」のように、物質名が表示されている。
食品に使用される合成添加物の量は国によって安全量が定められてはいるものの、中には添加物の組み合わせ次第で毒性が高まるものもある。
例えば、保存料のソルビン酸と発色剤の亜硝酸塩(亜硝酸Na)だ。単体であれば、それぞれ危険性は高くないとされているが、これらを組み合わせると毒性が高まることが分かっている。ハムやソーセージなどの加工肉にはソルビン酸、亜硝酸塩の両方が使われていることが多いので要注意だ。
〇合成:安息香酸(あんそくこうさん)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム(ソルビン酸K)、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム(プロピオン酸Ca)、プロピオン酸ナトリウム(プロピオン酸Na)など
〇天然由来:しらこたんぱく抽出物、カワラヨモギ抽出物、ペクチン分解物など
「甘味料」
合成の甘味料は砂糖より安価で低カロリー、保存性も高めることができるため、広く用いられている。中毒性や肥満、糖尿病などのリスクなどが危惧されている一方で、通常の量では毒性の問題は起こらないとも考えられている。砂糖よりも甘みが強いものが多いのも特徴だ。一括表示はできず、物質名が表示されている。
〇合成:アスパルテーム、アセスルファムK(アセスルファムカリウム)、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウムなど
〇天然由来:甘草(カンゾウ)、ステビア、キシリトール、ソルビトール(ソルビット)など
「着色料、発色料」
食用タール色素は、「赤色◯号」や「黄色◯号」などと表示される合成着色料で、食品の色を鮮やかにする添加物だ。アレルギーや発がん性が疑われており、日本では許可されているものでも、種類によっては諸外国では禁止されているものがある。
食品の着色料の中でもっとも使用量が多いのは、カラメル色素だ。砂糖、ブドウ糖など糖類を原料にしており、加熱することで褐色になりカラメル化する。
天然由来なので問題はないように思えるが、実はカラメル色素にはカラメルⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと4種類があり、Ⅰ以外は化学物質で処理されている。商品の原材料表示にはどの種類かは記載されず、ただ「カラメル色素」と一括表記されている。
「Ⅰ」は糖類を加熱して作る、昔ながらの無添加カラメル。「Ⅱ」は糖類に亜硫酸化合物を加えて作る。「Ⅲ」は糖類にアンモニウム化合物を加えて作る。「Ⅳ」は糖類に亜硫酸化合物とアンモニウム化合物を加えて作る。
この中でもっとも安全性が高いのは「Ⅰ」だが、コストが高くなるためほとんど使用されていない。「Ⅱ」は日本での使用は禁止されており、現在使用されているのは「Ⅲ」と「Ⅳ」が大半。ただ、「Ⅲ」と「Ⅳ」のようにアンモニア化合物により生成されたものはわずかに毒性を持っている。
〇合成:食用タール色素、亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)など
〇天然由来:カラメル色素、赤キャベツ色素、アナトー色素、コチニール色素、スピルリナ色素
「香料」
合成香料で現在許可されているものは、2500種にも上るといわれている。種類を記載する必要はなく、「香料」と一括表示することができるので、何が使われているのかは不明だ。安全なものから危険性が疑われているものまで、安全性にはバラツキがある。
〇天然由来:アニス油、カモミール油、からし油、ハッカなど
●添加物による体への悪影響は?
動物実験などにより、発がん性やアレルギーを引き起こすなど毒性が認められた合成添加物であっても、食品に使われる量は、人が生涯その物質を毎日食べ続けても体に悪影響がないとされる量と定められている。
実際に人体へ及ぼす影響の有無は諸説あるので、気にしないか、なるべく避けるかは、自己判断するしかない。
ただ、意識的に無添加の食品を選ぶような生活に変えると、合成添加物の味に敏感になる人も多い。合成添加物が使われたものを食べると味覚に違和感を覚えるようになってくるので、体への良し悪しというよりも、味が気になって無添加を選択するようになる場合もある。これまで特に意識したことのない人は、まずは原材料表示を見る習慣づけから始めてみよう。