「宣言」23日、混雑する高島屋食品売場、スーパー閑散、PRの床屋

(写真説明は本文の後にあります)
【銀座新聞ニュース=2020年4月30日】「緊急事態宣言」が出されて23日目となる4月30日は、朝から晴れ、夕方も温かく初夏の気候となった。そこで、日本橋の高島屋周辺を歩いてみた。

NO1

中央通り沿いは閉鎖しているビルが多く、飲食店があっても、ほとんどは休業か、時間短縮の店ばかりだ。車の数も少なく、かつての賑やかさはなくなっている。日本橋高島屋はこの「宣言」下で、一部が営業している数少ない百貨店で、地下1階の食料品売り場を歩いた。

本館の脇の入り口から入り、階段とエスカレーターがあり、階段で降りてみると、驚いたことに、すごい人出で、経産省が「宣言」直後に大手4社のトップを呼んで、デパ地下の営業を要求したこともわかるが、これだけ多いと、「3密」という言葉はどこかに消えて、多くの客がさまざまの食品を求めて歩いているのが自然と思えてしまう。

NO2

総合レジと、売り場ごとのレジがあり、総合レジは一応、待っている間、前との距離は保たれているが、売り場の精算では、接触が密になるのは仕方ないところか。それにしても、一般客と並んで、目つきの鋭い警備人とおぼしき人が多く歩いており、スリなどに目を光らせているのだろうが、あまりに目立っているので、これではスリも近づけないだろうと思わせられた。

NO3

食品売り場を歩いていると、途中ですべての店が営業しているわけでなく、休業している店もあることに気づいた。つまり、高島屋側は営業継続を各店に伝えたが、実際に営業するかどうかは店側の判断に委ねたわけだ。それにしても、人が多く、夕方に足を運んだせいか、商品がかなり売られていることがわかった。

こんどは新館地下に移ると、高級スーパーの「成城石井」があるのだが、こちらは客が少なく、混雑する本館地下1階の食品売り場とのあまりの落差に、どうしてなのだろうかと気になった。

NO4

後で、外に出て、ほかを見てから昭和通りを歩いて、銀座方面に戻っているところで、日本橋1丁目の交差点角に、なんと「成城石井日本橋1丁目店」があった。日本橋に2店(実は日本橋浜町店もあり、3店になる)もあるのは、高級スーパーとはいえ、品揃えが限られているので、同じ地域の客を奪い合うという、自ら競合しているわけで、なんともこの出店戦略に頭をかしげてしまった。

NO5

高島屋を出て、裏道を野村証券グループが拠点を構えている方向に行くと、「たいめいけん」があり、時間短縮して営業を続けていた。その近くのラーメン店も営業していたが、同じように時間短縮していた。

すでに夕方になると営業も終了しているので、昭和通りに出て、銀座方面に向かったのだが、その途中で、建設中のビルの工事が中断していた。この辺りには複数の建設中のビルがあるのだが、いずれも中断しているのか、時間短縮で工事をしているのか、とにかく、17時過ぎには、工事が止まっていた。

NO6

それを横目に見ながら歩いていると「成城石井」が目に入り、朝早くから夜遅くまで営業していることもわかった。高島屋店が18時には営業が終わるので、その後は「成城石井」で買いたいものがある人は、1丁目店に行くことになるのだろうが、「宣言」により、夜の歩行者はほとんどいないので、客足があるのだろうかと思ってしまう。

昭和通りのさらに裏道に入ると、面白い店があるが、もともと人出が少ない場所で、夕方でも車も人もいないところで、営業していても客がいるのだろうかと気になってしまう。

NO7

そのまま、昭和通りに出て、銀座に向かって歩くと、銀座1丁目あたりで交通整理する警官の笛の音が聞こえた。確かに昭和通りには車が多いのだが、それでも警官が交通整理するほどの台数なのだろうかと逆に気になった。とにかく、「宣言」後は、パトカーを見かけることはあっても、自転車に乗ったり、歩いていたりする警官を見かけることはほとんどないし、まして、交通整理する姿をみかけるのはなかったことなので、驚いてしまった。

数寄屋橋交番でも、4丁目交差点の交番でも、警官はヒマそうにしているし、4丁目の交番ついては、昼間でも警官がいないのを何回もみかけたほどだ(こういう時は入り口に「御用の方は数寄屋橋交差点前の交番までお願いします」と書いたお知らせが貼られている)。なので、交通整理する姿を見て、「どうして?」という疑問が頭に浮かんだが、警官が一般人の疑問に素直に答えるはずがないと思い、そのまま、交差点をわたって、中央通り方面に向かった。

NO8

裏道を歩けば、花屋や理容室など、普通に営業している店を見かけた。飲食店が営業時間の自粛要請が出ているので、ほとんどの店が休業か時間短縮を強いられているが、理容室は東京都の営業自粛要請の対象に上がりながら、国の反対で見送られた。しかし、理容室を利用する人はこの時期はほとんどいないので、経営も大変だろうなと思ってしまう(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は4月7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

NO9

NO1
日本橋高島屋地下1階の食品売り場。売り場の中は人が多く、活気が感じられる。

NO2
日本橋高島屋地下1階の食品売り場への入り口。

NO3
日本橋高島屋の地下2階のレストラン。18時に閉店するのは、夕方となると、どこも客は少ない。

NO10

NO4
日本橋高島屋新館地下1階には「成城石井」があるが、客足はそれほど多くない。やはり、すぐ近くにある「成城石井日本橋1丁目」店の影響なのだろうか。高島屋店は18時までだが、日本橋1丁目店はそれよりも遅くまで営業している。

NO5
昼に限定している人気店「たいめいけん」。

NO6
「たいめいけん」の前にあるラーメン店と居酒屋。いずれも昼中心の営業になっている。

NO11

NO7
日本橋の1階がコーヒー店、2階が理容室。

NO8
理容室は苦労しているのか、さまざまなサービスを具体的に客にわかるように工夫している。

NO9
銀座1丁目の昭和通りは車が混んでいるせいか、警官が交通整理をしていた。撮影した時に、赤い軽ワゴンが入ってきてしまい、警官の姿が隠れてしまった。

NO10
銀座1丁目の居酒屋、花屋、理容室と並んでいる通りで、花屋と理容室は普通に営業している。居酒屋は入り口にお知らせが何も貼られていないので、時間の短縮をしているのかわからない。

NO11
銀座1丁目の昭和通り沿いにあるストレッチ専門店と、インド・ネパールの店。いずれも休業している。

インドの感染者数、2万人を突破!マハラシュトラ州が最悪(8)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2020年5月1日】本日22日付で、インド全土の感染者数がついに2万人を超えた(2万0178人、死者645人)。この数日間、1日1500人前後で急増、予想したよりも早く、2万人台に乗ってしまった。

わが愛しのベンガル海。ロックダウンでひと月まみえず、恋しさは募るばかり。

西インドのマハラシュトラ州(Maharashtra、州都は巨大港湾都市ムンバイ=Mumbai)が最悪で5221人、日本とほぼ同人口だが、日本よりずっと速いスピードで日本の半分弱に達してしまった。ラッパーの息子が娯楽産業のメッカでもあるムンバイ(感染者3754人)に住んでいるので、気が気でない。

もちろん、ロックダウン(都市封鎖)下の今は、ライブもままならず、もっぱら作詞作曲の創作活動に籠城専念しているが、ボンベイ(Bombay、ムンバイの旧名)が本拠地のヒンディ映画界(ハリウッドをもじって「ボリウッド」と称される)でも、プロダクション中止で3000クロール(クロールは1000万の単位で、日本円にして約420億円)もの膨大な損失が出ているらしい。

金融ハブ、ムンバイはボリウッドはじめの巨大娯楽産業のメッカでもあり、ラッパーの息子はここを拠点に活躍する。現在、コロナ感染者数最悪の大都会で、籠城を強いられている。

ただでさえ浮き沈みの激しい芸人稼業、スーパー映画スターですら、コロナ禍でノーワークを強いられているのだから、息子の窮状が思いやられる。ムンバイはインド切っての物価高の大都会でもあるのである。

出稼ぎ労働者が多いことでも知られ、ロックダウンで失職、行き場を失った何万という巨大集団が臨時バスに鈴なりになって乗り込み、生まれ故郷の各州に移動、警官隊に消毒液の白い放水を浴びせかけられている光景は、動画チェックする当方をも震撼させた。まさに密も最大中の密、日本の居酒屋どころでない。おお、怖!

ムンバイには、アジア最大のスラム(Dharavi)もあり、既に感染者が101人も出ているが、6畳ひと間程の不衛生な空間に家族6、7人が押し込まれているのから、ゾッとする。

3月半ばに首都デリー(Delhi)で行なわれたイスラム集会の集団感染が各州に散らばった経緯から、ヒンドゥ教徒の中には、暗黙に犬猿の仲であるムスリムを責める空気も生まれており、インドはただですら問題だらけ、こういう危機下になると、日頃燻っていた火種が噴出する。

各地でコロナ暴動、出稼ぎ労働者がロックダウン延長に抗議したり、医療従事者への差別攻撃、小競り合いが頻発している。亜熱帯という土壌ゆえ、カッと頭に血が上り、手が出やすいのである。

ロックダウン下、負けずに動画2作をリリース、コロナ差別がテーマのヒンディラップが話題を呼んでいるわが息子のRapper Big Deal。

さて、ロックダウンだが、5月3日以降、また延期はありうるだろうか。世界最大規模のロックダウン実験、人口13億7000万人の全土の完全封鎖を試みたインド、巨象と畏怖される成長経済がストップしてしまったわけだから、痛い。

1日当たり日本円にして5600億万円(4000億ルピー)もの莫大な損失が出ているとも言われる。経済成長率も、米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)によると、コロナ後は1.6%との予想が出ており、前の予想の3.3%を下回り、なんと30年前に逆戻する低成長率だ。

それ以前にも、不景気で消費が冷え込み、花形産業である自動車業はじめの低迷が懸念されてきたインド。長年トップを独占してきた日本のスズキの子会社、マルチ・スズキ社(1981年の設立当初はインド政府との合弁会社だったが、2002年にスズキが子会社化、2006年にインド政府が株売却で民営化)でも販売台数が大幅減、このたびのコロナ禍が追い討ちかけて30%減産と、苦戦を強いられている。

近年の減速経済を鑑みると、人命優先で全土封鎖に踏み切ったインド政府としても、そういつまでも続けるわけにもいかず、グリーンゾーンでは、オープンか、若干緩める措置に出るのではないかと推測される(ただし、感染急増が止まらなければ、5月末までのロックダウンも十分ありえる)。

既に、コロナフリーのゴア(Goa、西インドの高名なビーチリゾート地)や、北東インドのマニプール州(Manipur)は解除に向けて動き出している。感染者数78人の当州も、全土に3日先駆けて封鎖に踏み切っただけに、グリーンゾーンの当地プリーは恩赦を期待したいところだ。

日課のベンガル湾散策を禁じられ、ストレスが溜まる一方の憐れな在留邦人に、州首相さま、何卒情状酌量を!(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家でホテルを経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長しました。4月30日現在、インドの感染者数は3万1787人、死亡1008人。州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています)。

「シン・ゴジラ」が予測(?)、新型コロナ対策への「政治家」の道程(288)

【ケイシーの映画冗報=2020年4月30日】知人と「コロナウィルス」について話していたときです。「政府もいろいろと対策を講じているようですが、臨機応変というイメージがない。なぜだろう」

「シン・ゴジラ」((C)2016 TOHO CO.,LTD.)で政治家が「ゴジラ」への対応策を検討していく過程が、新型コロナ問題への現在の政治家の対応を先取りしているように見えるのは偶然だろうか。

「すぐで半年、よかろで2年、審議審議で5、6年。お役所仕事じゃ、それだけかかるというハナシですよ」
と応じてから想い出しました。

「このフレーズ、どこかで記したな」
2016年の年間映画興行で第3位、実写の邦画作品では1位となった「シン・ゴジラ」をとりあげた本稿(2016年8月11日第193回)でした。

この作品は、現代の日本に姿を見せた“巨大不明生物=ゴジラ”に対処する日本政府という、これまでの怪獣映画(作品)では描かれることのなかった構図で、過去の作品群とは一線を画した仕上がりでした。キャッチ・コピーも「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」という、脚本・総監督の庵野秀明(あんの・ひであき)が語る「空想特撮映画」そのものを表現しており、作品とその周辺においても、一貫性のある作品となっています。

「空想」と冠されてはいますが、「可能な限り現実に則した物語」(庵野総監督)として、周到かつ徹底したリサーチを行った本作は、公開された時から政・官の描写が高く評価され、一時期は国会内でも「シン・ゴジラを観たか」というのが挨拶(あいさつ)になっていたそうです。

劇中、まだ“ゴジラ”が全貌を明らかになるまえ、こんな会話が官僚たちのあいだで交わされています。
「形式的な会議は極力排除したいが、会議を開かないと動けないことが多すぎる」「効率は悪いが、それが文書主義だ。民主主義の根幹だよ」「しかし手続きを経ないと会見も開けないとは」

“ゴジラ”が上陸した東京の都知事と側近との会話。
「なぜすぐに避難指示が出せないんだ」「なにせ想定外の事態で、該当する初動マニュアルが見当たりません」「災害マニュアルはいつも役に立たないじゃないか。すぐに避難計画を考えろ」「しかし、このような事態の防災訓練も行っておりませんし、パニックの対処も考えるならば、避難区域の広域指定も困難です」「ここは住民の自主避難にまかせるしかありません」

被害が拡大するばかりの事態に都知事がこう呟きます。
「政府が動かないなら、都から有害鳥獣駆除として自衛隊の治安出動要請を出すしかない」

被害が明らかになるにつれ、政府内も騒然としてきます。
「今は、超法規的な処置として、防衛出動を下すしか対応がありません。この国でそれが決められるのは総理だけです」と、内閣総理大臣補佐官の赤坂(あかさか、演じるのは竹野内豊=たけのうち・ゆたか)に促された総理大臣の大河内(おおこうち、演じるのは大杉漣=おおすぎ・れん)は「いままで出たことがない大変なことだぞ」とためらいます。さらに閣僚に決断を迫られた結果、大河内総理は思わず「今ここで決めるのか。聞いてないぞ」と口走ってしまうのでした。

ようやく自衛隊の出動が決まり、首相官邸地下の危機管理センターへ移動中の閣僚たち。「これで一安心だな。ドでかくても生き物だ。自衛隊の武器で殺処分できるだろ」「ああ、ヤツの死骸を利用した復興財源を考えておくか」と、楽観論を披露する大臣たちに向けられた言葉。

「大臣、先の戦争では旧日本軍の希望的観測、机上の空論、こうあってほしいという発想などにしがみついたために、国民に300万人以上の犠牲者が出ています。根拠のない楽観は禁物です」

この“警告”を発したのは物語の当初から“巨大不明生物”の存在を提唱し、のちに「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」の事務局長としてゴジラ対策の陣頭指揮を執ることになる内閣官房副長官の矢口(やぐち、演じるのは長谷川博己=はせがわ・ひろき)でした。

こうしたシーンが全編に渡って展開され、少々難解な単語や文章表現があるものの、かえってそれが、“政治”や“公官庁”という、市井(しせい)の我々から見れば“異界”への的確な情景描写となっています。

もちろん“虚構(ゴジラ)”を主軸とした物語ですので、映像作品としてのディフォルメや誇張もあるのは承知ですが、なんとなく、現在の日本、いや、世界との共通性を感ぜずにはいられません。

「日本、いや人類はもはやゴジラと共存していくしかない」
ラストちかくに語られる矢口の言葉ですが、“ゴジラ”が別のなにかに聞こえてしまうことなど、数カ月前は予想もしていませんでした。次回もなにか、映画に関する話題を提供させていただく予定です(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。

「宣言」21日、ホテル内の店は朝食専用、ビル建設中断、新橋の金券店がマスク

(写真説明は本文の後にあります)
【銀座新聞ニュース=2020年4月28日】「緊急事態宣言」が出されて21日目となる4月28日は、朝は晴れていたが、夕方から少し寒くなったので、5丁目の裏通りを中心に、足を伸ばして新橋方面と外堀通りなどを歩いてみた。

NO1

5丁目の辺りはコーヒー店とラーメン店が多く、ほとんどのコーヒー店が時間を短縮しているものの、営業はしている。また、あるビルでは、エステサロンとヘアーサロン(美容室)が同じビルの階上にあり、入り口にPR用のボードを出して、営業していることを歩行者に知らせている。

別のビルでは、1階に入店している店舗を示すPR板があり、その上に、各店の営業状況を示したお知らせを貼っている。臨時休業している店もあれば、予約のみの受付や、時間短縮の店もある。ビルに入った人にはわかりやすい。

NO2

6丁目方面に向かうと、銀座東武ホテルがあるが、中のレストランは朝食専用にして、昼、夜は営業を止めている。また、ホテルの中のアパレル店は休業している。その近くにある時計店は、国の「宣言」を利用して改装工事に乗り出している。

とにかく、今、銀座で普通に営業しているのは、コンビニとドラッグストアぐらいと思えるほど、この2業種は、どこでも営業している。そう思ってみていると、7丁目ではホテルの1階に出店したコンビニ2店が目と鼻の先で競合していた。

NO3

さらに、「9丁目」の銀座ナイン方面に行くと、ドンキホーテとハナマサがいつもの通り、営業していたし、入店客もかなりの数だった。ドンキは入り口近くにマスクを1枚298円(税別)と少し高めに売っていた。ハナマサは夕方になると、近くの料理屋のスタッフが着物のまま買い物に来るのが普通になっていたが、休業している店が多いせいか、この日はそうした職人はまったくいなかった。

NO4

小さな店の場合、豊洲市場に行くよりも、すでにさばいて半身などにしてあり、その後の調理を考えると、楽だし、量的に丸ごと1匹買うよりも効率的なのだろう。しかし、そうした需要がまったくなくなっていることが、夕方にハナマサに来ると感じられる。

そこから新橋方面に向かうと、金券ショップが外に「マスクあります」という看板を出しており、ちょっと笑えた。今や中国から日本にマスクが大量に入っており、中国の製造元にメールで発注すれば、大量に販売してくれるので、どこでも販売できるようになってしまった。しかも、中国側の売値は安いにもかかわらず、この店では1箱50枚入りで4500円としており、相当、もうかるのだろう。ネットで転売しているわけではないので、法的な問題もない。この値段で買う人がどれだけいるかだ。

NO5

金券ショップの隣は佃煮の老舗「新橋玉木屋」、さらに隣は「ドトールコーヒー」といずれも営業している。近くの「うどん店」も時間短縮しながら営業している。また、土橋から新橋駅に向かう通りの小さな店はほとんどが営業しているのはすごい。新橋の方が銀座よりも歩く人も多く、それだけ店の利用者も多いのだろうか。

そこから外堀通りを数寄屋橋方面に向かうと、この通りは高級クラブが入っている「丸源ビル」が目立つ。途中の8丁目に庶民的な「つばき食堂」とラーメンの「銀八商店」が軒を並べており、いずれも営業している。途中から並木通りに入ると、ルイ・ヴィトンジャパンが発注している7丁目の「Nプロジェクト」(8階建て、旧北海道新聞社銀座ビル)の工事が止まっている。

NO6

建設会社が清水建設で、ほかの工事で感染者が出てしまい、しかもその1人が亡くなるという痛ましい状況に直面して、清水はすべての工事を中断した。その影響を受ける形で、「Nプロジェクト」も中断している。本来は今年11月に完成予定なのだが、感染状況が変わらないと、完成時期は先延ばしになるだろう。

そのまま中央通りに出て、「ギンザシックス」を見ると、前を歩く人もほとんどいない。この建物の前は、普段なら、中国の旅行者が大勢歩いていて、聞こえてくるのは中国語ばかりという、銀座にいて異国情緒を味わえるという場所なのだが、今は中国人に限らず、日本人さえほとんど歩いていない。それは毎日、撮影している4丁目交差点にある銀座三越と和光の前の風景も同じで、ガランとしている。

NO7

そろそろ気になるのが「宣言」の期限とされている5月6日以降も、もし延長されると、それに応じる形で休業を続けるのだろうか、ということだ。それとも、百貨店のように営業自粛要請対象に入っていない業種は営業を再開するのだろうか(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は4月7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

NO1
銀座5丁目のコーヒー店。営業時間は短縮しているが、普通に営業している。

NO2
同じビルにあるエステサロンとヘアーサロン(美容室)。いずれもビルの階上にあり、入り口にPR用のボードを出して、営業していることを歩行者に知らせている。

NO8

NO3
ビーノ銀座ビルは旧銀座松坂屋の別館の再開発で、マツモトキヨシなど11店舗が入店している。1階にはそれらの店のPR用のボードが飾られているが、その上に休業とか、予約のみとかのお知らせが貼られている。

NO4
銀座東武ホテルの中のレストランは朝食専用にして、昼、夜は営業を止めている。

NO5
時計店は、国の「宣言」を利用して改装工事に乗り出している。

NO6
2カ所のホテルのそれぞれ1階に出店しているコンビニ2店。目と鼻の先に競合店があるわけで、ここまで距離が近い出店は珍しい。

NO9

NO7
新橋1丁目の金券ショップ。マスクが1箱50枚4500円で売られている。

NO8
7丁目の工事が中断されている「Nプロジェクト」。清水建設がほかの現場で感染者を出して、死亡者も出るという痛ましい出来事により、すべての工事を中断した。

NO9
前を歩く人がほとんどいない「ギンザシックス(GINZA SIX)」。

NO10
4丁目交差点に面している銀座三越(右)と和光。相変わらず、歩行者がその前で立ち止まることはない。

NO10

フード協、外食3月17%減、東日本大震災を上回る、4月悪化へ

【銀座新聞ニュース=2020年4月28日】一般社団法人「日本フードサービス協会」(港区浜松町1-29-6、浜松町セントラルビル、03-5403-1060)は4月27日に3月の「外食産業市場動向調査」(全店ベース)を発表した。

農林水産省はこのほど酪農家を支えるため、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費するよう求める「プラスワンプロジェクト」をはじめた。6月のピークまでに生乳生産が増えていく中、乳業メーカーの製造能力を超えて、行き場を失った生乳を廃棄せざるを得なくなる恐れがあり、6月までの生乳生産のピークを乗り切り、生乳の廃棄といった危機を回避しようというプロジェクトだ。https://www.youtube.com/watch?v=NIIPhHst-nU

3月は、外食産業も新型コロナウイルスの影響を大きく受け、2月最終週の政府による大規模イベントなどの自粛要請以降、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日での減少が顕著で、居酒屋、ディナーレストラン(DR)など飲酒業態を中心に、ファミリーレストラン(FR)、大型商業施設のフードコートなどの売り上げに大きな打撃となった、としている。

特に東京都から「週末の外出自粛」要請が出された3月下旬に一段と客足が落ち、3月の外食の全体売り上げは前年同月比17.3%減と2011年3月の東日本大震災の減少幅(前年比10.3%減)を上回った。

全業態で3月の店舗数は同0.5%減、客数が同16.6%減、客単価が同0.8%減だった。

3月の業態別の売上高では、ファーストフードがテイクアウト、宅配、ドライブスルーなど「持ち帰り」需要が下支えしたが、商業施設のフードコートをはじめ店内飲食の客数が振るわず、同6.9%減と2月まで2015年12月から50カ月連続プラスだったのが、51カ月ぶりにマイナスに転じた。

うち、洋風、和風、その他は店内飲食の減少を持ち帰りが下支えし、それぞれ売り上げは0.9%減、7.2%減、9.3%減だった。それに対して、麺類は、商業施設立地の落ち込みが大きく18.6%減、持ち帰り米飯・回転寿司は、弁当・惣菜、回転ずしのテイクアウトなどの持ち帰り部分の下支えがあったものの、回転寿司の店内落ち込みが大きく11.7%減だった。

ファミリーレストラン(FR)が同21.2%減と3カ月ぶりにマイナスだった。洋風と和風は、月後半にかけて客数が一段と下がり、それぞれ25.0%減、30.43%減だった。中華は、餃子などのテイクアウト、デリバリーが下支えとなり、9.6%減にとどまった。また、これまで好調を続けてきた焼き肉も6.7%減だった。

パブ・居酒屋業態は同43.3%減と2カ月続いてマイナスだった。飲酒業態は本来、送迎会シーズンの宴会需要が大きいはずだが、今年はキャンセルが相次いだ。郊外立地や地域密着店などでは当初比較的下げ幅が小さい店も一部あったが、2月最終週の政府の自粛要請のよる落ち込みと、3月下旬の東京都の「週末の外出自粛」要請による2段階の落ち込みで、軒並み売り上げは下がり、パブ・ビアホールは前年の半分にとどかず53.5%減、居酒屋は41.4%減だった。

ディナーレストランも同40.5%減と2カ月続けて下回った。繁華街立地の店の一部では集客がほぼ無い日があるなど、休業や時間短縮を余儀なくされる店も増えている。

喫茶は同24.7%減と2カ月続けてマイナスだった。商業施設立地店の落ち込みが大きかったうえ、路面店でも客足が落ちた。

また、協会では4月27日時点での4月売り上げ予想についての概況をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大が国民生活に与える影響は2月、3月と日を追うごとに大きくなっており、「外出が大幅に減り、集客が見込めない状況が続いており、外食産業は苦境に立たされている」と危機感を表明している。

4月7日に政府が7都道府県を対象に「緊急事態宣言」を発令し、その直後に東京都は飲食店(テイクアウトを除く)などには営業時間の短縮(5時から20時の間での営業、酒類の提供は19時まで)を要請した。その後、全国の多くの自治体で東京都の要請に合わせる動きが広がったことで、外食産業でも全国的に営業時間短縮や休業に踏み切るところが増加し、4月はさらに大幅な売り上げ減少が予想される。

自治体などの要請を受け、休業や営業時間短縮を行う外食企業が増えている。ファーストフード、ファミリーレストランの多くは「営業時間短縮」を実施(一部、商業施設立地店舗は休業)。パブ・居酒屋、ディナーレストランの多くは、「休業」を実施。

従来からテイクアウト比率の高いファーストフードでは、テイクアウトに特化する動きも見られた。これまでテイクアウトがあまりなかった居酒屋、ディナーレストラン、ファミリーレストランでも持ち帰りに取り組む動きがみられるが、本来の売り上げを取り戻すことは到底できず、大幅な売り上げ低下が予想される。

居酒屋、ディナーレストランでは、本来4月は歓迎会など宴会需要が見込まれる時期であるが、休業等によりそもそも売り上げが立たず、売上高が前年比数%程度しか見込めないところもある。としている。

日本フードサービス協会の統計は会員が203事業者数(2020年2月205、1月188、2019年12月191、11月186、10月187、9月189、8月188、7月192、6月193、5月192、4月197、3月196、2月199、1月199、2018年12月197、11月202、10月201、9月199、8月190、7月194、6月200、5月204、4月207、3月200、2月195、1月192)。

店舗数が3万9165店(3万9662店、3万5001店、3万5583店、3万5342店、3万5005店、3万5237店、3万5544店、3万5390店、3万5617店、3万5646店、3万5763店、3万5798店、3万6467店、3万6659店、3万6637店、3万6567店、3万6380店、3万6602店、3万6572店、3万6524店、3万6689店、3万7232店、3万6843店、3万6759店、3万6359店、3万6197店)が対象。

内訳はファーストフードが53社(55社、49社、52社、50社、52社、51社、52社、52社、55社、57社、56社、57社、57社、56社、58社、57社、60社、57社、59社、61社、61社、60社、59社、55社、54社)、2万1552店(2万2261店、1万8957店、1万9369店、1万9273店、1万9217店、1万9118店、1万9275店、1万9131店、1万9326店、1万9370店、1万9461店、1万9444店、1万9913店、2万0219店、1万9954店、1万9990店、1万9844店、2万0086店、2万0001店、2万0024店、2万0163店、2万0603店、2万0023店、2万0571店、1万9689店、1万9768店)。

ファミリーレストランが55社(55社、50社、50社、50社、51社、49社、49社、49社、52社、50社、52社、50社、57社、52社、53社、52社、52社、51社、52社、50社、53社、52社、54社、56社、52社、52社、50社)、1万395店(1万534店、9556店、9601店、9667店、9338店、9569店、9646店、9578店、9749店、9667店、9629店、9622店、9838店、9770店、9814店、9847店、9759店、9848店、9778店、9848店、9921店、9911店、9875店、1万0061店、9187店、9946店、9773店)。

パブ・居酒屋が36社(35社、34社、33社、32社、31社、34社、31社、34社、35社、31社、33社、33社、33社、32社、33社、32社、34社、33社、32社、30社、33社、34社、34社、33社、32社、31社)、2849店(2771店、2326店、2254店、2253店、2198店、2401店、2312店、2366店、2335店、2317店、2366店、2395店、2378店、2296店、2388店、2335店、2393店、2381店、2241店、2193店、2271店、2361店、2245店、2467店、2247店、2202店)。

ディナーレストランが28社(29社、26社、27社、26社、25社、26社、25社、26社、23社、25社、26社、25社、25社、26社、25社、26社、26社、26社、23社、23社、24社、25社、26社、26社、26社、27社)、1177店(1071店、983店、1046店、1032店、991店、988店、1006店、911店、991店、997店、1003店、999店、1010店、1007店、1013店、1012店、1010店、959店、999店、1004店、999店、1000店、1002店、978店、1017店)。

喫茶が15社(14社、13社、13社、12社、12社、13社、15社、14社、13社、13社、13社、15社、14社、14社、14社、16社、16社、14社、15社、15社、15社、15社、17社、16社、16社、16社)、2049店(1876店、2042店、2048店、1856店、2020店、2040店、2041店、2037店、2038店、2040店、2033店、2062店、2057店、2063店、2062店、2064店、2054店、2059店、2061店、2097店、2081店、2130店、2239店、2229店、2227店、2164店)。

外食産業(上場企業)の売上高上位3社の3月の既存店売上高は1位のゼンショーホールディングス(すき家、国内店舗数1934店)が同7.8%減と8カ月ぶりにマイナス、2位のすかいらーく(全グループ、国内外店舗数3261店)が同23.9%減と4カ月続けてマイナス、3位のコロワイド(全グループ、国内外2709店)も同27.6%減と3カ月ぶりにマイナスだった。