大丸東京で絵画市、棟方志功、荻須高徳、香月泰男ら1000点、1650万も

【銀座新聞ニュース=2020年12月22日】国内百貨店業界第2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営する大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は12月23日から2021年1月12日まで11階催事場で「大絵画福福市」を開く。

大丸東京店で12月23日から2021年1月12日まで開かれる「大絵画福福市」で、1650万円(税込)で販売される棟方志功の「光明妃図」。

新型コロナウイルス禍により「おうち時間」が増え、住環境をより快適にしたい、アートで癒されたい、生活を豊かにしたい、などの理由から大丸東京店では絵画の売れ行きが好調という。今夏に実施した「夏の絵画スペシャルバーゲン」では50万円の絵画が初日に複数枚売れたほか、10点以上のまとめ買いや、500万円、1000万円といった高額絵画の購入もあるなど、「注目の高さがうかがえ」るとしている。

今回は世界的巨匠の棟方志功(むなかた・しこう、1903-1975)をはじめ、2021年11月30日に生誕120年を迎える荻須高徳(おぎす・たかのり、1901-1986)、2021年10月25日に生誕110年を迎える洋画家の香月泰男(かづき・やすお、1911-1974)らの国内の画家から、草間弥生(くさま・やよい)さんや英国を拠点とするバンクシー(Banksy)らの現代アートまで、約1000点を展示即売する。

また、2021年にちなんだ21万円均一特集や有名作家の作品を50万円均一福袋価格で販売する。

同じく2日、3日限定の50万円均一の福袋として販売されるの山下清の「蝶々」。

今回は「軌跡をたどる-棟方志功特集」として、「光明妃図」(倭画、税込1650万円)、「金富士の柵」(板画、352万円)などが即売される。

2日、3日限定の50万円均一の福袋(9点限定)としては、洋画家の野間仁根(のま・ひとね、1901-1979)の「日の出」(油彩画)、放浪画家の山下清(やました・きよし、1922-1971)の「蝶々」(色ペン画、色紙)、洋画家の林武(はやし・たけし、1896-1975)の「婦人像」(水彩画)などを販売する。

6日から12日限定の21万円均一特集としては、中村宗弘(なかむら・むねひろ)さんの「富士早朝」(日本画)、ベルナール・ビュッフェ(Bernard Buffet、1928-1999)の「闘牛士」(リトグラフ)、浜口陽三(はまぐち・ようぞう、1909-2000)の「緑のさくらんぼ」(メゾチント)などを販売する。

営業時間は10時(初日は12時、1月2日は9時30分)から20時(木・金曜日は21時、31日と最終日は18時)。1月1日は休み。

注:「草間弥生」の「弥」は正しくは旧漢字です。

ギャルリー志門で「和紙とあかり」展、右近多恵子、三木祥子ら6人

【銀座新聞ニュース=2020年12月21日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル、03-3541-2511)は12月21日から26日まで「和紙とあかり」展を開いている。

ギャルリー志門で12月26日まで開かれている「和紙とあかり」展のフライヤー。

浅野庚一(あさの・こういち)さんをはじめ、6人の作家が「和紙とあかり」をテーマにした作品を展示している。

今回、出品しているのは東京都生まれ、立体、半立体作品を制作している浅野庚一(あさの・こういち)さん、造形作家の右近多恵子(うこん・たえこ)さん、画家の奥田ナオト(おくだ・なおと)さん、陶芸作家の坂口喜美子 (さかぐち・きみこ)さん、和紙造形作家のフジモトアキコさん、環境アート作品を制作している三木祥子(みき・しょうこ)さん。

開場時間は11時から19時(最終日は17時)。

蔦屋書店で松下まり子展、愛の飾らぬ言葉

【銀座新聞ニュース=2020年12月20日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座 蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は12月30日まで6階「GINZA ATRIUM」で松下まり子さんによる個展「愛の飾らぬことばにおいて」を開いている。

銀座 蔦屋書店で12月30日まで開かれている松下まり子さんによる個展「愛の飾らぬことばにおいて」に展示される作品「蛇の夢」(Oil on canvas、2020年(C)Mariko Matsushita)。

油彩画家の松下まり子(まつした・まりこ)さんは生々しい肉体などを描いたペインティングやドローイングをはじめとする絵画、 各地で集めてきた赤い布で部屋の窓を覆うインスタレーション「赤い部屋」、英国ロンドンの街中に生息するキツネを追いかけて制作した映像作品「リトル・フォックス・イン・ロンドン(Little Fox in London)」、詩や立体など多岐にわたる表現方法で、生への深い探求を作品としてきたという。

今回は、この展示会に向けて制作した新作のペインティングを発表している。本を愛するという松下まり子さんが、本に囲まれた場所でどのような空間を作り出すのか、みてほしいとしている。

松下まり子さんは1980年大阪府生まれ、2004年に京都市立芸術大学油画専攻を卒業、 2016年に現代芸術振興財団主催の「第2回CAFAA賞」でグランプリ、2017年にCAFAA賞の副賞で英国ロンドンのデルフィナ財団で「アーティスト・イン・レジデンス」に参加している。2015年からほぼ毎年、東京で個展を開いている。

時間は11時から19時。入場は無料。

ヴァニラで顔面騎乗の春川ナミオ追悼展

【銀座新聞ニュース=2020年12月20日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は12月22日から2021年1月7日まで「春川ナミオ追悼展-Exhibition in memory of Namio HARUKAWA」を開く。

ヴァニラ画廊で12月22日から2021年1月7日まで開かれる「春川ナミオ追悼展」のフライヤー。

鉛筆で豊満な女性に虐げられる男性を描き続けたイラストレーターの春川ナミオ(はるかわ・なみお、1947-2020年4月24日)は、国内外のアーティストに影響を与え、寺山修司(てらやま・しゅうじ、1935-1983)、団鬼六(だん・おにろく、1931-2011)をはじめ、アメリカの歌手、マドンナ(Madonna Louise Ciccone)さんも自身のインスタグラム(Instagram)でファンであると公言している。

今回は春川ナミオの原画を展示販売し、メモリアルグッズも発売する。春川ナミオの画集(エディシオン・トレヴィル)が新刊される予定としている。

春川ナミオは生前、「この絵は何で描いているのですか?」と聞かれると、「絵を描きはじめた頃は確か鉛筆を使っていたと思います。自分の絵の下手な事を忘れて用具の責任にしていました」という。

ペン、筆、その他、いろいろな用具を使ったが、結局は鉛筆に戻った。「次によく聞かれるのはどうしてお尻を強調して描くのですか?豊満なお尻が好きだから、それだけです」としている。春川ナミオはこれまで何百、何千枚とお尻を中心とした絵を描いてきたが、「どれだけの人が自分の絵を知ってくれているだろうか?おそらく誰も知らないでしょう。それでもこの絵は何十年も生き続けているのです。それは鉛筆と共に心で描いているから」と主張していた。

ウイキペディアによると、春川ナミオは1947年大阪府生まれ、自営業のかたわらSM雑誌などに独特のサディスティックな豊満美女を描き続けてきた。昭和30年代に「奇譚クラブ」の読者投稿欄に投稿し、男性マゾヒズムをテーマにした独特の絵柄でマニアの支持を集め、「奇譚クラブ」からデビューした。

欧米のウェブサイトで春川ナミオの絵を掲載しているアダルトサイトも増え、彼の名前を知らなくても絵は見たことがあるという人はおり、専門サイトも存在している。

マゾの世界を独特のタッチで描いていることで知られ、長らく画業と他の仕事の二足のわらじをはいていたが、晩年は画業に専業していた。雑誌イラスト以外に、AVのパッケージイラストやアドバイザーなども手がけ、よりお尻に密着した創作を続けてきた。

2011年に個展「デカメロン」、2012年に個展「ドミナの園」、2014年に「第2回現代日本のエロティックアート展」、2015年に「マグナマテル(Magna Mater)-豊饒の海」、2017年にヴァニラ画廊で個展「エスプリ」、2019年4月に個展「ビーナス・カリピゲ(VENUS CALLIPYGE、ビーナスのような美しいお尻)」を開いている。

開場時間は12時から19時(最終日は17時)で、入場料は予約が800円、当日券は1000円。会期中は12月31日、1月1日は休み。入場に際してはマスク着用、検温などがある。時間指定有の完全チケット制で、定員制で1時間単位で完全入れ替えとなる。ライブポケット(https://t.livepocket.jp/t/te9i_)を通じて予約する。

サニーヘルス、肉類は茹で、煮込でAGEsを低下させ、老化を防ぐ

【銀座新聞ニュース=2020年12月19日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「BBQやステーキが好きな人は要注意!? AGEsが老化を促進」を発表した。

赤身の肉をグリル、ロースト、フライなどの高温で調理すると、細胞の正常なはたらきを妨げ、心臓病、脳卒中、糖尿病を引き起こす可能性がある。

肉を食べるなら、どんな調理法が好みだろうか。バーベキュー(BBQ)、焼肉、ステーキ、とんかつなどを好んで食べる機会が多い人は、そうでない人に比べて体の老化が促進しているかもしれない。同じ食材でも、調理法によって体の状態が変わるというのは、どういうことなのだろうか?

●高温調理がAGEsを発生させる

南オーストラリア大学の新しい研究により、赤身の肉(牛、豚、鹿、羊など)をグリル、ロースト、フライなどの高温で調理すると、細胞の正常なはたらきを妨げ、心臓病、脳卒中、糖尿病を引き起こす可能性のある化合物を生成することが発見された。

これらの調理法はすべて高温であり、AGEs(終末糖化産物、Advanced Glycation End-products、エージーイーまたはエージス)と呼ばれる化合物が生成される。AGEsは体内に溜まると、正常な細胞機能を妨げる可能性もある。

体内でのAGEsのレベルが高くなると、血管や心筋の硬化、炎症、酸化ストレスなど、すべて変性疾患の兆候が現れる。

この研究では、2つの食事パターンで体への影響をテストした。
1つ目のパターンは、赤身の肉をグリルまたは揚げる調理法、それに精白された穀物を摂取、2つ目のパターンは、白身の肉(鶏肉)を蒸し、茹でる、煮込みなどの調理法にし、全粒穀物、ナッツを食べるという方法で実験した。

食品を加熱調理すると糖化、つまりAGEsの量が増加し、加熱する温度が高いほどより多くのAGEsが発生する。酢やレモン汁はAGEsの抑制に有効なので、オーブン調理する肉や魚は酢を使ってあらかじめマリネにするか、酢の物を食べたり、揚げ物にはレモン汁をかけるなど工夫して老化を防ぎたい。

その結果、1パターン目の赤身の肉を多く含む食事は、血中のAGEsレベルを有意に増加させることがわかり、心血管疾患や糖尿病の進行に影響があることを示唆している。

研究者らは、食事のAGEsが慢性疾患とどのように関連しているかについてはまだ疑問があるものの、病気のリスクを減らしたい場合は、赤身の肉を食べる量を減らすか、グリルや揚げ物ではない調理方法にするほうが健康的だと述べている。

●「AGEs」とは?

AGEsとは、タンパク質と糖が結びつくことで起こる「糖化」という変性によって生成され、体に蓄積される。活性酸素による体の酸化が、通称「体のさびつき」と呼ばれるように、体の糖化は「体の焦げつき」といわれ、老化や数多くの病気の原因となっていると考えられている。

AGEsによる体への影響は病気のリスクを高めるほか、肌のくすみやハリが失われたり、シワが増えたりなど、見た目の老化だけに留まらず、タンパク質の存在する場所、例えば内臓、血管、脳、骨、髪、目など全身にまでその影響を及ぼす。

AGEsは食材自体にもともと含まれており、肉、バター、植物油、チーズ、魚などに多く、穀類、卵、野菜、果物、豆類などは少ない傾向にあるが、多かれ少なかれ食品を口にすることでAGEsを体に取り込むことになる。

しかしながら、それよりもAGEsが体に溜まる大きな要因となっているのは、上述の研究でもわかるように調理法だ。

●「糖化」による老化は調理法に左右される

食品を加熱調理することで糖化、つまりAGEsの量が増加し、加熱する温度が高いほどより多くのAGEsが発生する。体内に入って消化の段階でAGEsはある程度分解されるものの、7%前後は排出されず体内に蓄積されると考えられている。

加熱温度は高い順に以下の通り。
1.オーブン焼き(180度から250度)
2.揚げ物・炒め物(180度から200度)
3.フライパンで焼く(180度)
4.茹でる・蒸す(100度以下)
5.生食(非加熱)。

例えば豚肉であれば、とんかつよりもしゃぶしゃぶのほうがAGEsが少なくなるということになる。このため、揚げ物や炒め物の頻度が高い人ほど、AGEsをたくさん取り込んでいることになる。

また、電子レンジを頻繁に使う人は要注意だ。マイクロ波による加熱は、見た目に焦げ目がなくても焦げているのと同様の状態を作ってしまうといわれている。1度調理されたものを温め直すということは、AGEsをさらに増加させてしまうことにもなる。

AGEsは高温調理された食品を食べることにより体に蓄積されるが、食品から摂取した糖が体内で余ってしまい高血糖状態が続くと、体の組織を作っているタンパク質と結びつき体温によっても糖化が起こり、AGEsが発生してしまう。それを予防するためには、以下が有効だとされている。

〇早食い、長すぎる食事時間、お菓子をダラダラと食べ続けるなどの行動は、血糖値が急上昇したり高い状態が長くなったりする要因となり、糖化につながる。食事はよく噛み、長時間に渡って糖質を摂取し続けるのはやめる。

〇食事はサラダや汁物、副菜をなどから箸をつけ、ご飯ものは最後にする「食べる順番ダイエット」は、血糖値の上昇を緩やかにするためAGEsが発生しづらく、老け防止に有効だ。ごま和えや豆腐など、副菜に使われる食材は抗酸化力の高いものも多いので、最低でも1品はつけるようにしたい。

〇野菜、きのこ類、海藻類、豆類を積極的に取り入れる。よく噛んでゆっくり食べると尚よい。

〇揚げ物やオーブン焼きより、蒸す、煮るなどの調理法のほうがよりいい。オーブンを使うならなるべく低温で使うのがいい。揚げ物の温め直しはAGEsの観点からは最悪の部類といえる。

〇忙しい現代人はなかなか難しいかもしれないが、なるべく出来立てのものを食べるようにし、電子レンジによる温め直しをなるべく控え、回数を減らすことを心がけたい。出来立てを食べることで食品の酸化を防ぐこともできる。

〇ジュースやコーヒー飲料など、甘い飲み物は控えめにする。

〇血糖値が高い時にに運動をすると、糖がエネルギーとして利用されるため糖化のリスクが低下する。食後15分から30分後頃からウォーキングなどの軽い運動を20分ほどできれば最適だ。

〇酢やレモン汁はAGEsの抑制に有効だ。オーブン調理する肉や魚は酢を使ってあらかじめマリネをしておく、酢の物を食べる、揚げ物にはレモン汁をかけるなど。

〇タバコには有害物質が多量に含まれている。AGEsを増やし老けるだけでなく、あらゆるガンリスクを高めてしまう。

生活習慣では、運動嫌い、喫煙(主流煙、副流煙ともに)、飲酒、睡眠不足などがAGEs増加の要因になる。健康的な生活を送り、バランスのよい食事を取ることが、老けにくく、病気になりにくい体づくりになる。