ヴァニラ画廊でパリ在住38年の林良文「お尻画」展

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【銀座新聞ニュース=2013年1月19日】ヴァニラ画廊(中央区銀座6-10-10、第2蒲田ビル4階、03-5568-1233)は1月21日から2月2日まで林良文さんによる個展「わが祖国」を開催する。

ヴァニラ画廊 林良文さん

ヴァニラ画廊で1月21日から2月2日まで開催される林良文さんの個展「わが祖国」に展示される作品。

フランス・パリにおよそ38年在住する林良文(はやし・よしふみ)さんが鉛筆で女性のお尻などを描いたエロティックな作品を展示販売する。タイトルの「わが祖国」は生まれた故国、日本ではなくて、「制作するための基盤となる観念上の国」を指した、「主観的な世界観」の国を意味しているという。

林良文さんは「自分がどういう世界の住人であるかという自己認識」が重要で、「自分をどんな風に認識するかは、作品を創る時の必要条件」であり、「自分の足元が定まらなければ作品を創れないどころか、『思考』すら方向のない空想に留まるのみ」と考えている。その上で、「真の自己認識とは懸命に生きて、血と汗と涙の土壌から芽生える」としている。そうした考えから生まれた作品を展示する。

林良文さんは1948年福岡県生まれ、1972年に中央大学哲学科を中退、1974年にフランスにわたり、以来パリに在住し、1976年に独学で鉛筆デッサンをはじめ、1977年にパリで個展を開き、1982年にフランスで「100点のエロティックなデッサン」を刊行、1991年に東京で個展、2007年にスイス・チューリッヒで個展を開き、以来、パリ、東京、チューリッヒなどで個展を開いている。

1月26日17時から林良文さんと青山学院大学総合文化政策学部教授の中野昌宏(なかの・まさひろ)さんによるスペシャルトーク「自己認識(自我)についてと、フロイトの精神分析に対するかるーい批判」を開く。入場料は1500円(1ドリンク付き)。

中野昌宏さんは1968年広島県生まれ、京都大学経済学部を卒業、同大学大学院人間・環境学研究科を修了、1999年から2008年まで大分大学経済学部助教授、この間、2004年から2005年までパリ第8大学客員研究員、2008年から青山学院大学総合文化政策学部准教授を経て、現在、同大学教授。

開場時間は12時から19時(土曜日・祝日17時)で、入場は無料。日曜日は休み。

トリップ祭りカレンダー2月、リオ、ニースでカーニバル、東京マラソン

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【銀座新聞ニュース=2013年1月19日】トリップアドバイザー(渋谷区恵比寿西1-10-11、03-6416-9333)はこのほど「トリップグラフィックス」として「世界のお祭りカレンダー2013」を発表した。

トリップアドバイザーが「トリップグラフィックス」として発表した「世界のお祭りカレンダー2013」の2月の写真は、中国の「春節」の光景だ。

トリップアドバイザーが日本や世界各国の著名なお祭りや奇祭、スポーツイベントなど旅行者目線で選んだお祭りカレンダーで、毎月5つから8つの世界のイベントの概要や期間、開催地(都市)などの情報を表示している。

2月は8日から12日までブラジル・リオ・デ・ジャネイロで「カーニバル( Carnival in Rio de Janeiro)」が開かれる。ポルトガルの「エントゥルード(謝肉祭)」が植民者によってブラジルに伝わり、「イースター」(キリスト教の復活祭)までの40日間を禁欲生活の期間として、その期間が始まる前の4日間を開放的なお祭りとしたのがカーニバルの始まりとされている。

カーニバルは、ポルトガル人が持ち込んだキリスト教による儀式と、アフリカから来た黒人奴隷が元々持っていた土着信仰の「カンドンブレ(Candomble)」の儀式が融合され、19世紀末に当時の首都リオ・デ・ジャネイロにバイーア地方から多くの奴隷が流入したことをきっかけにサンバが生まれた。

当時、リオではプラッサ・オンゼ(第11広場)と呼ばれた場所に、黒人奴隷たちが住みはじめ、サンバの原型となるような踊りや音楽をもたらし、カンドンブレの儀式の後などにパーティを開いて、これらの音楽やダンスを披露し、これがサンバになったとされている。

初期のカーニバルは白人上流階級のもので、カンドンブレが禁止されていたこともあって、サンバは警察によって危険視されていた。1920年代にはサンバは非合法とされたが、1928年に最初の「エスコーラ・ジ・サンバ(サンバの学校)」の「デイシャ・ファラール」が誕生した。パレードは1932年に新聞社が主催し、サンバの曲のコンクールが開催されたことがきっかけではじまり、1935年にエスコーラへの弾圧がなくなり、黒人もパレードに参加できるようになった。1940年代に政府の民衆政策と観光局の応援を受けて、現在のようなコンテスト形式のカーニバルに発展した。

サンボドロモで催されるパレード競技会は審査員によって各チームが採点され、優勝チームが決定する。通常のカーニバルは、サンボドロモで土曜日から火曜日までの4日間に行われ、トップグループ(1軍にあたるスペシャルグループ)の12から14のチームが日・月曜日の2日間に分かれて競い合う。

初日は2軍クラスがオープニングパレードを行い、最終日に3軍クラスがパレードを行い、各リーグの最下位チームは来年度から降格し、代わって優勝、準優勝のチームが昇格する。チャンピオンパレードは、本選で上位に入賞したグループが、カーニバルが明けた次の土曜日に、サンボドロモ会場でパレードする。

10日は中国の旧正月「春節」と呼ばれる旧暦の元旦で、中華圏国家では数日間にわたって祝日となる。古代中国の王であった舜(しゅん、中国神話に登場する君主)に臣下を率いて天を祭祀した記録があり、これが春節の起源とされるが、前漢(紀元前206年から8年)の武帝(ぶてい、紀元前156-紀元前87)の時代以前は元旦の日付が統一されていなかった。

夏代(か、紀元前2070年頃から紀元前1600年頃)は夏暦の元月を正月としていたが、殷代(いん、紀元前17世紀から紀元前1046年)になると夏暦の12月を正月とし、周代(しゅう、紀元前1046年頃から紀元前256年)になると11月を正月、秦代(しん、紀元前778年から紀元前206年)になり、10月を瑞月とした。前漢の武帝の代に行われた太初改暦の際に、夏暦の元月を正月に定め、清(しん、1636年から1912年)滅亡まで続いた。

清滅亡後に成立した中華民国(1912年に中国で成立し、1949年以降台湾などを実効支配)で暦法にグレゴリオ暦を採用、1912年1月1日を民国元年1月1日とした。中華人民共和国が成立する直前の1949年9月27日に中国人民政治協商会議第一次全体会議において、新中国成立の際にはグレゴリオ暦を採用することが決まり、新暦の1月1日を元旦、旧暦の正月初一を「春節」とすることになった。

中国では春節は国定祝日とし、2008年1月に施行された「労働契約法(労動合同法)」では春節から3日間を祝日と定めている。そのほか、台湾、韓国、北朝鮮、ベトナム、モンゴル、シンガポール、インドネシア、ブルネイではもっとも重要な祝祭日のひとつとなっている。また、日本とベトナムとモンゴル以外は、現地の標準時にかかわらず、旧暦の計算に中国標準時を使っており、暦法も同じなので、旧正月は常に一致する。

15日から3月6日までフランス・ニースで世界3大カーニバルのひとつ「ニースのカーニバル」が開かれる。コート・ダジュールの冬を飾るイベントで、2013年で第129回目となり、テーマは「五大陸の王様(Roi des 5 Continents)」としている。3週間にわたって祝祭イベントがニース各地で行われる。マセナ広場を舞台に繰り広げられ、18以上の山車が参加する。昼間は観客に花を投げる「花合戦」が行われ、夜には「光のパレード」、3月6日の最終日には「王様の火葬・再生、花火」が行われる。

24日は東京で「東京マラソン」が行われる。「東京マラソン」は2007年に始まった東京で行われるマラソン大会(男女フルマラソン、男女10キロロード、車いすフルマラソン、障がい者10キロ)で、2013年大会からワールドマラソンメジャーズに加入し、名実共に世界最高峰のマラソン大会のひとつとなる。

2009年から日本のマラソン大会としては初めて、総額賞金1億840万円(世界記録更新された場合という条件付きのボーナス賞金も含む)の賞金レースとなった。制限時間も7時間になっている。

ワールドマラソンメジャーズは2006年からスタートしたボストンマラソン(1897年開始、4月中旬)、ロンドンマラソン(1981年開始、4月下旬)、ベルリンマラソン(1974年開始、9月下旬)、シカゴマラソン(1977年開始、10月上旬)、ニューヨークシティマラソン(1970年開始、11月初旬)の5大マラソンとオリンピック、世界選手権を対象としたポイント制の陸上競技シリーズで、2013年から東京マラソンが加わる。

1位が25点、2位が15点、3位が10点、4位が5点、5位が1点もらえ、2年間の合計得点で争い、総合1位には男女それぞれに賞金50万ドル(約5000万円)が授与される。2013年のレースは2012-2013シーズン、もしくは2013-2014年シーズンのポイントになる。

エアアジア・ジャパン、新本社「レッドベース」を成田空港内に

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【銀座新聞ニュース=2013年1月18日】全日空系の格安航空会社(LCC)のエアアジア・ジャパンは1月18日、2012年12月18日付で本社を成田国際空港(千葉県成田市古込字古込1-1)第2ターミナル内に移転したと発表した。

エアアジア・ジャパンが昨年末に移転した成田空港内の新本社。

エアアジア・ジャパンは2011年8月に全日空本社内に設立され、12月に千葉県成田市公津の杜4-11-2に本社事務所を設置、マーケティング・販売機能と本社機能が分かれていたのを、2012年12月に第2ターミナル内に本社機能、運航部門やグランドハンドリングなどのオペレーション機能、整備部門、財務、マーケティング、人事などの部門をワンフロアに集約し、新オフィスをスタッフの投票により「レッド・ベース(RED BASE)」と名づけた。また、これを機に、本店の登記も成田空港内に変更した。

エアアジア・ジャパンは2012年8月から運航をはじめ、成田空港発着の国内線のほか、韓国線などの国際線も運航をはじめている。また、3月ころから中部国際空港と福岡線を就航する予定だ。

「つやのよる」で阿部寛、野波麻帆ら舞台挨拶

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【銀座新聞ニュース=2013年1月18日】東映(中央区銀座3-2-17、03-3535-4641)は1月26日から丸の内トーエイ(TOEI、中央区銀座3-2-17、03-3535-4741)で一般公開する「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」の初日に阿部寛さん、野波麻帆さんらによる舞台あいさつを開催する。

つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語

1月26日から一般公開する「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」((C) 2012「つやのよる」製作委員会)。

1月26日13時30分の回上映前に、監督の行定勲(ゆきさだ・いさお)さんをはじめ、主人公「松生春二」役の阿部寛(あべ・ひろし)さん、の「橋本湊」役の野波麻帆(のなみ・なほ)さん、の「池田百々子」役の真木よう子(まき・ようこ)さん、の「山田麻千子」役の忽那汐里(くつな・しおり)さんが舞台に登場してあいさつする。

小説家井上光晴(いのうえ・みつはる、1926-1992)の長女で、直木賞作家の井上荒野(いのうえ・あれの)さんの小説「つやのよる」(2010年、新潮社)を映画化した恋愛群像劇だ。

物語は松生春二が艶(つや)という女性と駆け落ちまでして大島へとたどり着くところからはじまり、気ままな妻の不貞に翻弄(ほんろう)されてきたが、ある日、艶の病気が発覚し、さらには昏睡(こんすい)状態に陥ってしまい、これまで無心に彼女を愛し続けてきた彼は激しく動揺する。ついに松生は最愛の妻と深い仲だった男たちに、艶が瀕死(ひんし)の状態にあることを知らせようと思い立つ。

一方、すでに過去の存在だった艶の危篤を知らされた男たちと、その妻や恋人、子どもらは、それぞれの人生に突然割り込んできた艶という女の存在に困惑する。

ウイキペディアによると、行定勲さんは1968年熊本県熊本市生まれ、熊本県立第二高等学校普通科を卒業、東放学園専門学校在学中より制作会社に入社し、助監督を経て、1997年に「オープンハウス(OPEN HOUSE)」で長編映画初監督も、劇場で公開されず、2000年に「ひまわり」で劇場公開映画を監督し、2001年に「ゴー(GO)」で第25回日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀編集賞、新人俳優賞などを受賞している。

2004年に「世界の中心で、愛をさけぶ」第28回日本アカデミー賞優秀監督賞、2005年に「北の零年」で第29回日本アカデミー賞優秀監督賞などを受賞し、2010年に「パレード」で第60回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞している。

チケットはチケットぴあを通じて販売中で、料金は全席指定で一般2000円、大高生1700円、中学生以下3歳以上、シニア、障がい者1200円。映画は「R15+」(15歳未満は鑑賞できない)。

米PIIEが試算、TPPは6兆円、RCEPは58兆円の効果

【銀座新聞ニュース=2013年1月18日】アメリカのシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics=PIIE)は2012年12月下旬に、環太平洋経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement=TPP)の経済効果が東アジア地域包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership=RCEP、アールセップ)よりも9分の1ほど低いとした試算結果を公表した。米通商専門紙インサイド・US・トレードが1月10日に報じた。

PIIEは、現在TPPで交渉中の11カ国間で2025年までに全品目の96パーセントについて関税を撤廃すれば、国内総生産(GDP)が740億ドル(1ドル=90円で、約6兆6600億円)増える経済効果があるとし、このうちアメリカだけで240億ドル(約2兆1600億円)押し上げると予想している。

また、TPPに参加していない中国は210億ドル(1兆8900億円)の損失が生じるとの推計値も示した。TPP参加国のベトナムやマレーシアに比べ、繊維・衣類、電気製品などの輸出でアメリカ市場への参入が不利になるのが理由としている。

一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に、日本、韓国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた16カ国で交渉をはじめるRCEPの経済効果については、2025年までに参加国全体でGDPが6440億ドル(約57兆9600億円)増えるとし、このうち中国だけで2970億ドル(約26兆7300億円)増えると予測し、RCEPに参加していないアメリカへの影響については、ほとんどないと分析している。

PIIEの客員研究員のピーター・ペトリ(Peter Petri)さんは、「アメリカはRCEP地域市場で締結国と競合する輸出品目がほとんどなく、輸出にほとんど影響は出ない。むしろ域内の生産性が伸びることで、アメリカは間接的に利益を受けることが期待できる」と述べている。アメリカの輸出には医薬品や医療機器、航空機器・部品などが含まれる。

TPPなどアメリカが主導する自由貿易協定(FTA)は、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が途上国の反対で交渉の立ち上げを断念した競争や投資など多岐にわたる新分野を盛り込んでいることから、「WTO+(プラス)」と呼ばれている。だが、アメリカが参加しないRCEPの自由化の度合いは緩いものと予想されているにもかかわらず、その経済効果の規模はTPPよりも大きい点が注目される。

その理由として、1)TPP参加国はすでに関税率の引き下げや撤廃などを進めているため、貿易の障害となる施策が少ない一方、RCEP参加国ではさまざまな分野で貿易制限措置が講じられており、わずかな撤廃でも絶大な効果が期待できる、2)RCEPには日本、中国、インドといった経済大国が参加している、との2点を挙げている。

仮にTPP交渉を行っている11カ国に、日本、韓国、インドネシア、タイ、フィリピンを加えた計16カ国(TPP16)に拡大すれば、RCEPと同等の経済効果が見込まれるとも予想している。この中で、日本は1290億ドル(約11兆6100億円)、アメリカは1080億ドル(約9兆7200億円)の経済効果があるとし、参加しない中国は840億ドル(約7兆5600億円)の損失が出ると試算している。

こうした結果を踏まえ、PIIEはTPPとRCEPの参加国は、2つの自由貿易協定(FTA)を組み合わせて、アジア太平洋地域の広域経済圏をめざす「アジア太平洋自由貿易圏(Free Trade Area of the Asia-Pacific=FTAAP、エフタープ)」の実現に取り組むべきだと強調している。

こうした大きな枠組みになると、アメリカには2670億ドル(約24兆300億円)、中国には6780億ドル(61兆200億円)の経済効果があると予想している(銀座新聞ニュースではこれからTPPなど貿易の自由化に対するアジア太平洋の取り組みを中心に随時掲載します。基本的にはリードのみ公開し、全文は会員のみ有料でお届けします。詳細はお知らせをご覧ください)。

注:ピーターソン国際経済研究所は国際経済問題について分析・政策提言を行うアメリカのシンクタンク(ワシントンDC)で、共和党のリチャード・ニクソン(Richard M.Nixon、1913-1994)政権で商務長官(1972年2月から1973年2月まで)を務め、リーマンブラザース会長兼CEO(1973年から1984年まで)、ニューヨーク連邦準備銀行会長(2000年から2004年まで)などを歴任したピーター・G・ピーターソン(Peter G.Peterson)さんが1981年に「国際経済研究所」(2006年に現名称に変更)として設立した。

無党派の非営利団体で、活動資金は団体、企業、個人からの寄付や出版事業、基金の運用益などで調達している。民主党ビル・クリントン(William J.”Bill” Clinton)政権で財務次官補を務めたフレッド・バーグステン(Fred Bergsten)さんが所長を務めていたことでも知られ、小泉純一郎(こいずみ・じゅんいちろう)政権で経済財政政策担当大臣(2001年4月から2005年10月)、総務大臣(2005年10月から2006年9月)を務めた竹中平蔵(たけなか・へいぞう)さんが客員研究員を務めていたこともある。

注:環太平洋経済連携協定(TPP)は2005年6月3日にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国間で締結され、2006年5月28日に発効した。2002年にメキシコのロス・カボスで開かれたAPEC首脳会議でチリ、シンガポール、ニュージーランドの3カ国間により交渉がはじまり、2005年4月の5回目の会合で、ブルネイが交渉に加わり、2005年6月3日に合意、締結した。

この原加盟国4カ国を「パシフィック-4 (P4)」と呼び、拡大交渉中のTPP協定と区別するために、原協定 (original agreement) は「P4協定 (P4 Agreement) 」と呼ばれている。

2006年1月1日に加盟国間のすべての関税の90パーセントを撤廃し、2015年までにすべての貿易の関税を削減し、ゼロにすることが約束されている。その内容は産品の貿易、原産地規則、貿易救済措置、衛生植物検疫措置、貿易の技術的障害、サービス貿易、知的財産、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、競争政策を含む、自由貿易協定のすべての主要な項目をカバーする包括的な協定だ。

加盟国間で、域外に対する競争力を強化するために、自由競争の妨げとなる関税や非関税障壁を撤廃し、経済的な国境をなくすことを主とし、目的のひとつは「小国同士の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げること」としている。

2008年2月4日にアメリカが投資と金融に関する交渉に参加すると表明、リーマン・ショックから1週間後にあたる同年9月22日に原加盟国4カ国と交渉の立ち上げの声明を出し、アメリカは最初に追加された交渉国となった。9月23日にオーストラリアが参加の検討を発表、2010年3月14日にペルーが交渉参加を発表した。

2010年3月の第1回の拡大交渉会合からアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4カ国が拡大交渉会合に加わり、2010年10月の第3回からマレーシアが加わり、2011年11月12日にアメリカ・ホノルルのAPEC会合で、交渉が大枠合意したとされ、1年以内の最終妥結をめざすことを表明し、2012年11月12日の会合からカナダとメキシコが加わった。ただ、2012年末現在、交渉は最終妥結に達していない。

日本は2010年10月8日にTPP交渉への参加を検討すると公表、11月13日にAPECで交渉参加に向けて関係国との協議に着手すると表明、2011年11月12日にホノルルAPEC首脳会合でTPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることを表明した。2012年1月26日までにベトナム、ブルネイ、ペルー、チリと事前協議を行い、日本の交渉参加に歓迎する意向を得たと公表した。現在、アメリカと事前協議しているものの、ほとんど進んでいない。

また、韓国は2011年11月16日に不参加を公表、中国は参加しないことを表明している。

注:農林水産省は「競合する国産品は、輸入品に置き換わる」、「競合しない国産品は安価な輸入品の流通に伴って価格が低下する」などを前提とし、全世界を対象に直ちに関税を撤廃し、何らの追加対策も講じない場合、日本の農業及び関連産業の国内総生産 (GDP) が7兆9000億円程度減少し、 就業機会が340万人程度減少すると試算している。

経産省は日本がTPPに不参加のままで、EU、中国とのそれぞれのFTAも遅延するとの仮定の下、日本がTPP、EUと中国のFTAいずれも締結せず、韓国がアメリカ(2012年3月15日発効)、EU(2011年7月発効)、中国とFTAを締結した場合、日本の自動車、電気電子、機械産業の3業種について、2020年に日本製品がアメリカ、EU、中国で市場シェアを失うことによる関連産業を含めた影響について、実質GDP1.53パーセント(10.5兆円)減少、雇用81.2万人減少と試算した。

注:東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の間の5つのFTAを束ねる広域的な包括的経済連携構想で、2011年11月にASEANが提唱し、2012年11月20日にカンボジアのプノンペンにおいて、ASEAN関連首脳会議で交渉立上げ式が開かれ、交渉開始が宣言された。

RCEPが実現すれば、人口約34億人(世界の約半分)、GDP約20兆ドル(約1800兆円、世界全体の約3割)、貿易総額10兆ドル(約900兆円、世界全体の約3割)を占める広域経済圏が出現するとしている。

16カ国は物品貿易、サービス貿易、投資の自由化に関して、2013年早期に交渉をはじめ、2015年末までに交渉完了をめざす。