中央の百貨店9月、全5店とも減少幅拡大、増税前駆け込みの反動減

【銀座新聞ニュース=2020年10月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の9月売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、大丸東京店、日本橋高島屋、銀座三越、松屋銀座店の5店ともマイナスだった。5店舗とも前年を下回るのは8カ月連続となる。

9月の売上高でも前年比50.1%減と半減が続いている大丸東京店。

9月は新型コロナウイルスの感染防止のため、不要不急の外出を控える状況が続いている上に、昨年9月に消費税増税前の駆け込み需要があった反動減が見られたことで、マイナス幅が拡大した。また、訪日外国人観光客売上高(インバウンド、免税売上高)は依然として厳しい状況が続いている。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比36.1%減(8月速報値28.1%減、確定値26.6%減、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表)と店頭ベースでは12カ月続けて前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同47.8%減(同速報値47.8%減、確定値47.8%減、但し空港型免税店の売り上げを除く)と8カ月続けてマイナスとなった。

同じく8月の13.6%減から9月には41.7%減と悪化した日本橋高島屋。

三越伊勢丹ホールディングスでは、増税前の駆け込み需要の反動減などでマイナス幅が拡大したが、引き続き、家の中で豊かに過ごしたい消費傾向から食料品や一部の店舗ではリビング家具やキッチン雑貨が健闘したという。

伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、8月と比較し入店客数がやや回復し、月の後半頃から気温が低下したことを受けて、一部秋物衣料や服飾雑貨にも動きが見られた。オンライン(EC)においては、ワインなどの食品の企画が好調だったことや店頭でも集客力のある外国展・物産展特集への反響が大きく、前年比約1.5倍と好調に推移したとしている。ただ、訪日外国人観光客売上高は、依然として低調に推移している。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同41.7%減(同速報値13.6%減、確定値14.3%減)と8カ月続けてマイナスとなった。

昨年の増税前の駆け込み需要の反動減に加え、外出を控える傾向が続いていることや訪日外国人観光客売上高の大幅な減少により、前年実績を大きく下回った。訪日外国人観光客売上高は同92.8%減で、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売上高は同32.9%減だった。商品別売上高(15店舗ベース)については、すべての商品群が前年実績を下回った。

2018年9月対比では、店頭売上は14.9%減(既存店計13.4%減)、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売上高は8.8%減(同7.0%減)としている。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同50.1%減(同速報値48.5%減、確定48.5%減)と昨年10月の消費税増税以降、12カ月続けて前年を下回った。

やはり増税前の駆け込み需要で売上高が大幅に増えた(大丸松坂屋百貨店32.8%増)ことの反動減に加え、コロナ禍における外出自粛により入店客数の減少の影響を受けた。

ただ、ラグジュアリーブランドや宝飾品は2017年実績を上回り、引き続き堅調に推移したという。大丸松坂屋百貨店合計の訪日外国人観光客売上高(速報値)は96.6%減(客数99.6%減、客単価775.8%増)だった。大丸松坂屋百貨店合計の国内売上高(訪日外国人観光客売上高の本年・前年実績を除く)は35.7%減(対2018年比14.3%減)だった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、8月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同8.6%減だった。不動産事業がマイナスとなるのは、6カ月連続となる。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同37.9%減(同速報値36.7%減、確定36.7%減、4月は5月の確定値段階で91.4%減と公表)と8カ月続けてマイナスとなった。

9月は昨年の増税前の駆け込み需要の反動減(前年比約15%減)があったが、松屋カード会員に向けた「松美会・秋の感謝祭」(9月4日、5日)においては、「イエナカ消費」や「巣ごもり需要」などを受け、家具家庭用品、寝具などの「新しい生活様式」を提案する商材が堅調に推移した。

また、コロナ禍における来店促進策としてライブ感溢れるイベント(「銀座・手仕事直売所」9月16日から22日)が活況を呈するなど各種施策が大きく牽引したとしている。訪日外国人観光客需要の動向がしばらく見通せない状況が続く中、引き続き、国内客の需要を見据えた商品提案と各種来店促進策が重要という。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内73社203店舗(総従業員6万1297人)の8月売上高(店舗調整後)は前年同月比22.0%減の3231億2485万円で、11カ月続けてのマイナスとなった。

8月は新型コロナウイルス感染拡大や記録的な猛暑から外出を控える傾向が一段と高まり、その上、各店の大型催事や夏休みイベントなどの中止・縮小が集客に大きく影響したとしている。ただ、シェアは低いもののEC売り上げは高伸しており、ネットでの取扱商品も徐々に拡がりが見られる。

また、人気の物産展などのオンライン開催も好評だったという。さらに、引き続き付加価値の高いラグジュアリーブランドや高級時計、宝飾品など高額品に動きが見られたとしている。

地区別では、地方(10都市以外の地区、11.2%減)が1.5ポイント改善したのに対して、外出自粛の傾向が高まった大都市(10都市、26.1%減)は2.8ポイントダウンし、その差(14.9ポイント)は7月より4.3ポイント拡大した。

顧客別では、訪日外国人観光客売上高は海外からの渡航者入国制限継続により86.1%減(35.5億円、7カ月連続、シェア1.1%)、国内市場は17.8%減(11カ月連続、シェア98.9%)となった。

商品別では、コロナ禍による帰省自粛により菓子関連を中心とした手土産需要が大幅に減少した一方で、イエナカ需要は依然として好調で、精肉や鮮魚、ビール、ワインなど酒類や、リビング・ダイニング家具、調理用品は健闘した。衣料品も、肌着やナイトウェアなどは堅調だったが、リモートワークからビジネス関連は苦戦が続いているという。

全国の百貨店の8月の営業日数は前年より0.2日増の30.6日、113店舗の回答によると、入店客は8店が増え、101店が減ったとし、84店舗の回答によると8月の歳時記(夏休み、お盆)の売り上げについては5店が増え、68店が減ったとしている。東京地区(12社25店)の8月の売上高(店舗調整後)は同25.4%減の819億9026万円と11カ月続けてのマイナスとなった。

国内90店舗の訪日外国人観光客需要の8月の売上高は同86.1%減の約35億5000万円と7カ月続けてマイナスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが1.1%としている。

このうち、一般物品売上高は同86.4%減の約18億9000万円で、7カ月続けて前年を下回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同85.8%減の16億6000万円、購買客数が同97.0%減の約1万1000人と7カ月続けてマイナスとなり、1人あたりの購買単価が同362.2%増の31万1000円で、9カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2018年1月から2020年7月まで1位)、2位にハイエンドブランド(2018年1月から2019年4月まで2位、5月3位、6月から2020年7月まで2位)で15カ月連続で2位、3位が婦人服飾雑貨(2018年1月3位、2月4位、3月3位、4月5位、5月3位、6月から2019年7月まで4位、8月3位、9月から5月まで4位、6月と7月3位)で、3カ月続けて3位だった。

4位が食料品(3月、4月は6位以下、5月4位、6月6位以下、7月4位)で、2カ月連続、5位が婦人服・用品(2020年1月から2月5位、3月6位以下、4月5位、5月3位、6月4位、7月5位)だった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(2018年1月から2020年7月まで1位)、2位は台湾(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から2019年1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と2020年1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月から7月2位)で、4カ月連続だった。

3位はマレーシア(2018年1月から1月まで7位、3月に6位、4月、5月5位、6月と7月4位)で、初めて3位に上げた。4位は韓国(2018年1月4位、2月から6月2位、7月3位、8月から10月2位、11月から2019年1月まで3位、2月から6月2位、7月4位、8月2位、9月から2月まで4位、3月3位、4月2位、5月3位、6月3位、7月4位)で、2カ月連続だった。

5位は香港(2018年1月と2月3位、3月4位、4月3位、5月から1月4位、2月3位、3月から6月4位、7月3位、8月4位、9月から11月2位、12月と1月2位、2月3位、3月2位、4月、5月4位、6月5位、7月3位)が2カ月ぶりに下げた。

6位はシンガポール(2018年1月から10月6位、11月と12月5位、2019年1月から8月6位、9月5位、10月から2月まで6位、3月5位、4月から7月7位)で、順位をひとつ上げた。7位はタイ(2018年1月から10月5位、11月と12月6位、2019年1月から8月5位、9月6位、10月から2月まで5位、3月7位、4月から7月6位)で、順位を下げた。

丸善日本橋が奥泉幸子「樹脂粘土の山野草」展

【銀座新聞ニュース=2020年10月1日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月30日から10月6日まで3階特設会場で奥泉幸子さんによる「クレイアートでつくる山野草展」を開いている。

丸善・日本橋店で10月6日まで開かれている奥泉幸子さんの「クレイアートでつくる山野草展」のフライヤー。

クレイアート作家の奥泉幸子(おくいずみ・さちこ)さんが樹脂粘土で作られた野に咲く草花、苔むした盆栽などの作品を展示販売している。

クレイアートは装飾粘土工芸で、石粉粘土やソフト粘土を使って、布のように自在で籐のように編んで作る「焼かない陶芸」とされているもので、つぶしたり、盛り上げたり、くっつけたりという粘土のよさを生かしている。彩色の方法により、陶器、布、皮、籐、木などの風合いを表現することができる。花や雑貨、小物、レリーフ、人形などをさまざまなものが制作されている。

奥泉幸子さんは群馬県渋川市生まれ、1997年から独自のスタイルで教室を展開、花作りや自然を通して、人としての精神(心)を教える。2008年、10年目の節目で書籍「野の花と人間」を出版、2018年には20周年を記念して銀座でも教室を開いている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)。

フィルム撮影、大がかりな仕掛けなどと2度見が必要な「テネット」(299)

【ケイシーの映画冗報=2020年10月1日】いま現在、新型コロナウイルスの流行により、各国の映画館では観客総数の減少や、公開作品の変更や延期により、かなりのダメージを受けています。「こういう時こそ、エンターメイメント作品を楽しみたい」のですが、1年前には想像もできなかった面倒な状況となっています。

現在、一般公開中の「TENET テネット」((C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved)。制作費は2億2500万ドル(約225億円)で、原題が回文(かいぶん、前から読んでも後ろから読んでも同じ)になっている。

そんななか、日本で映画館に観客を引きこんでいる作品(9月19、20日)が本作「TENET テネット」で、本国アメリカでも本年度の上位に食い込み、ポスト・コロナ下では最大のヒット作となっています。

CIA(中央情報局)のエージェントである“名もなき男”(以降、原音の直訳である主人公、演じるのはジョン・デイビッド・ワシントン=John David Washington)は、ある任務に失敗し、自殺をこころみます。意識を取り戻した主人公はこれがテストであったことを教えられ、合格したことで重大な任務を与えられます。時間を逆行させる技術を悪用した大きな陰謀が進んでおり、これを阻止せよというものでした。

相棒となったニール(演じるのはロバート・パティンソン=Robert Pattinson)と任務にあたる主人公が、“テネット”というキーワードとともに“未来から来た銃弾”を追っていると、大富豪の武器商人であるセイター(演じるのはケネス・ブラナー=Kenneth Branagh )に辿り着きます。

主人公はセイターの妻であるキャット(演じるのはエリザベス・デビッキ=Elizabeth Debicki)のトラブルを解決したことによってセイターに近づき、世界を滅亡させるほどのおおきな陰謀を知ることになります。それをくい止めるため、主人公は自分たちも“時間逆行”の技術を使うことでセイターと対決するのです。

「巨大な陰謀と、それを阻止するエージェント」という構図は、「世界で最も有名なスパイ」である「007」シリーズと同一といえます。

本作の監督・脚本であるクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)は、「007」からの影響を公言しており、最初にスクリーンで見たスパイ映画が「007/私を愛したスパイ」(The Spy Who Loved Me、1977年)であり、「私はキャリアの大半を、あの時の感覚を呼び覚ますこと、そして観客に提供することに費やしてきた」(パンフレットより)と語っていますので、本作でも随所にそれを感じさせる表現がなされています。

では、本作も「スパイアクション映画」と安易にくくれるのでしょうか?決してそうではありません。

まず、“時間逆行”という、ノーラン監督いわく「実際の科学にゆるく基づいて作られた物語」(パンフレットより)というSFチックなアイディア。

いわゆる“時間旅行”ではなく、「未来から過去への干渉」だけが許される世界観で構成されており、作品世界にもさまざまな制約がほどこされることによって、「荒唐無稽でありながらも、どこか地に足のついた」良質なSF作品となっています。

スパイアクションとしての要素も、“名もなき男”(原音ではThe Protagonisti、主人公)とハードボイルド小説の一人称的な人物について、劇中で与えられる断片的なもの以外の情報を与えられません。007ことジェームス・ボンド(James Bond)が好みのアルコールから腕時計の趣味まで描かれているのと対照的です。

とはいえ、本作のクライマックスでは、腕時計が重要なアイテムとして登場しているのは、007シリーズの影響でしょう。ノーラン監督に製品を提供する時計ブランドのハミルトン(Hamilton)が、本作のためにオリジナルの時計を仕立てています。ノーラン監督の作品はつねに「時間」を大きなテーマとして盛り込むので、有名ブランドによるオリジナルの時計は、その世界観に大きく貢献しているはずです。

こうした細やかな部分と対照的に、大がかりな仕掛けを楽しめるのもノーラン監督の持ち味です。デジタル全盛の映画界ですが、ノーラン監督はフィルム撮影を好み、大がかりな舞台や実物大の造形物を用意して、実体とキャストを共演させることを求めるクリエイターなのです。

本作でも、実際の空港で実物のジェット旅客機を使った撮影など、まるで本当に事故が起こったかのような迫力で、それがまた、劇中でも効果的に二次使用(繰り返し)することで、ストーリーの深みを増しています。これは安易な再利用ではなく、ストーリー面でも納得の使用法でした。白状しますと、1回見ただけでは、表層の一部しか理解できていないのです。劇場には複数回、足を運ぶ必要があると思いますし、そうするべき重厚な逸品だと感じています。

次回は「ウルフズ・コール」の予定です(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。

丸善日本橋でピカソ、シャガール、ユトリロ、マティスら版画展

【銀座新聞ニュース=2020年9月30日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月30日から10月6日まで3階ギャラリーで「ピカソと20世紀の巨匠版画展」を開く。

丸善・日本橋店で9月30日から10月6日まで開かれる「ピカソと20世紀の巨匠版画展」に出品されるパブロ・ピカソの「ピカドール2」(リトグラフ、1961年)。

スペインの画家、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)は青の時代(1901年から1904年)、ばら色の時代(1904年から1907年)、キュビズムと変化を続け、晩年まで独創性に富んだ作品を残した。ピカソは絵画だけでなく、版画の分野でも高い質と先駆的な作品を発表した。

今回は、ピカソと同時代に活躍したロシア(現ベラルーシ)出身のフランスの画家、マルク・シャガール(Marc Chagall、1887-1985)、スペインの画家、ジョアン・ミロ(Joan Miro i Ferra、1893-1983)、フランスの画家、モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo、1883-1955)、アンリ・マティス(Henri Matisse、1869-1954)らパリを愛した画家たちの作品も同時に展示する。

パブロ・ピカソはジョルジュ・ブラック(Georges Braque、1882-1963)とともに、キュビスムの創始者として知られ、生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点のさし絵、300点の彫刻と陶器を制作し、もっとも多作な美術家として「ギネスブック」に掲載されている。

ウイキペディアによると、パブロ・ピカソは1881年10月25日スペイン南部アンダルシア地方のマラガ市生まれ、1895年にバルセロナに移り、美術学校に入学、入学制作を1日で完成させ、1897年にマドリードの国展で佳作、マラガの地方展で金賞、同年秋にマドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミーに入学するも、中退し、プラド美術館に通い、名画を模写し、1899年にバルセロナで店のメニューをデザインしたり、アールヌーボー調のポスターを描いた。

1901年に雑誌「若い芸術」の編集に携わり、「青の時代」(1901年から1904年)の始まりとされ、1902年にパリに住み、1904年に「洗濯船」と名付けられたモンマルトルの建物に住み、「ばら色の時代」(1904年から1907年)のはじまり、1907年から1908年まで「アフリカ彫刻の時代」とされ、1912年にモンパルナスへ移り、1918年にロシアの将軍の娘で、貴族の血を引く、バレエダンサーのオルガ・コクローヴァ(Olga Khokhlova、1891-1955)と結婚、パリに移り、1918年から1925年まで「新古典主義の時代」に入り、1926年に「シュルレアリスムの時代」、1928年から彫刻に専心し、1930年にカーネギー賞を受賞した。

1932年にマリ・テレーズ・ヴァルテル(Marie-Therese Walter、1909-1977)と共同生活をはじめ、1936年に人民戦線政府の依頼によりプラド美術館長に就任、1937年に「ゲルニカの時代」とされ、1944年にパリ解放後最初のサロン・ドートンヌに80点の作品を特別展示、1946年にフランソワーズ・ジロー(Francoise Gilot、1921年生まれ)さんと共同生活、1954年にジャクリーヌ・ロック(Jacqueline Roque、1927-1986)と共同生活(後に結婚)した。

1968年に版画に専心、6カ月間で347点を制作、1970年にアヴィニョン法王庁で140点の新作油絵展、バルセロナにピカソ美術館を開館、1973年4月8日頃、南仏ニース近くにあるムージャンの自宅で肺水腫により死去した。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。

インド、連日9万超と感染爆発の中、息子の誕生パーティー(40)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2020年9月29日】3月下旬以来第1波が続き、感染爆発が止まらぬインドは、9月19日現在、全土の感染者数は531万人(死者8万5619人)に達した。ワースト州は西のマハラシュトラ(Maharashtra)で115万人、次いで南のアンドラプラデシュ州(Andhra Pradesh)の60.1万人と続く。

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検査数が100万回以上と増えたこともあるが、新規感染者数が連日9万人超と、今月末には、600万人台をはるかに超えてしまう勢いだ。

いずれ、トップのアメリカを抜くことは間違いなく、天井が見えてこない中、集中治療室の病床不足や、人口呼吸器の酸素不足も報じられている。

一旦封じ込めに成功した首都デリー(Delhi)が20万人感染都市になったことは既にお伝えしたが、日本人学校も、教師が帰国したため、閉鎖の危機にさらされているとの情報も伝わっている。

ただ、日系企業の集積地であるデリー近郊のグルガオン(Gurgaon、現Gurugram、ハリヤーナ州=Haryana)では、和食レストランも徐々に営業再開していると聞く。当オディシャ州(Odisha)も17万人超、1日の感染者数が4200人以上と、ピークの渦中にある。

バンガロール在住の息子の友人がネットで特注してくれた、Big Dealの芸名入りバースデーケーキ。チョコレートコーティングで、インドにしては甘さ控えめで、美味だった。

雨季が終盤に入り、乾季のぶり返しの蒸し暑い陽気が続いているが、3日ほど前、日が落ちた後、ルーフで涼んでいたら、海沿いの三ツ星ホテルの上階の全室に明かりが点っていた。

巨大マンションのような白い建物はそれまでずっと真っ暗闇だったのだ。周囲のホテルを見回すと、中堅どころも数室灯が点っている。2、3室なら、スタッフとも考えられるが、三ツ星ホテルの場合、5階の全フロアが明るいのだ。

翌朝、浜への散歩がてら偵察に行くと、専用駐車場に車が10台くらい停まっていた。どうやら、客のようだ。この事実を目の当たりにした私は、希望が湧いてきて、来月辺りからうちも再開できそうかと、マネージャーの甥に打診したところ、現時点では、営業再開は難しそうだと判断した。

徹底消毒(違反すると、罰金が科せられる)に費やす経費と、安い宿代を計りにかけると、観光客がほとんどおらず、開けても開店休業状態になることは目に見えている。

コロナ真っ最中の今は、通常のチャージをかなり値引かないことには、お客さんの確保も難しい。あり余る供給に、僅少の需要が追いつかない。かすかな希望の灯もあえなく消えた。

来月からお祭りシーズンに入るが、観光客が少しでも増えないことには、5万とある部屋を満たす客の争奪戦は、限りなく熾烈になろう。かすかに膨らんだ期待は、風船がしぼむように萎えた。

●コロナ余話/10月はANAとJALが臨時に日本行4便

先日、デリー発羽田行の往路のみの全日空便の問い合わせの電話をかけた。3月から国際商業便は停止しているが、日本航空が月2度ほどの割合で臨時便を運航、全日空も1度ムンバイー成田間の臨時便を飛ばしたことがあったが、久々に首都から1便飛ぶことになったのだ。10月8日の便で、日本航空も10月は3便運航(13日、17日、27日)、臨時便の本数も10月から倍増することになった。

電話は生憎、話中でつながらなかったので、後刻、Eメールで問い合わせた。それによると、インドの旅行代理店を通して、チケットを購入することになっており、料金などは、エージェンシー経由でないとわからないようだ。

今すぐということでなく、11月の亡夫の1周忌を済ませてからと思っているので、今回は問い合わせのみだ。年内の帰国を希望しているが、その頃には感染者1000万人の大台に乗っているだろうなと思うと、予約が殺到しそうで、席争奪戦が激化しそうだ。

●身辺こぼれ話/息子の誕生パーティー

9月17日は、コロナ禍で目下実家に避難中の息子(職業はラッパー、芸名はRapper Big Deal)の誕生日で、母子2人でささやかなパーティーを催した。

南のバンガロール(Bangalore)在住の友人がバースデーケーキとペーパーバック2冊をプレゼントしてくれたとかで、甥一家ともシェア、夜は私の手作り料理とビールで乾杯、コロナ下の31歳の誕生日を祝った。

11月にアルバムリリースを控え、毎日作詞作曲や打ち合わせに大忙しの息子、コロナに負けない奮闘ぶりを讃えつつ、久々に親子水いらずの飲み会を楽しんだ。

(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、感染していません。

また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人超と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長し、5月1日に17日まで再延長、17日に5月31日まで延長し、31日をもって解除しました。これにより延べ67日間となりました。ただし、5月4日から段階的に制限を緩和しています。

9月24日現在、インドの感染者数は564万6010人、死亡者数が9万0020人、回復者が458万7613人、アメリカに次いで2位になっています。州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。また、インドでは3月25日から4月14日までを「ロックダウン1.0」とし、4月14日から5月3日までを「ロックダウン2.0」、5月1日から17日までを「ロックダウン3.0」、18日から31日を「ロックダウン4.0」、6月1日から6月末まで「アンロックダウン(Unlockdown)1.0」、7月1日から「アンロックダウン2.0」と分類していますが、原稿では日本向けなので、すべてを「ロックダウン/アンロックダウン」と総称しています。

ただし、インド政府は5月30日に感染状況が深刻な封じ込めゾーンについては、6月30日までのロックダウンの延長を決め、著者が住むオディシャ州は独自に6月末までの延長を決め、その後も期限を決めずに延長しています。この政府の延長を「ロックダウン5.0」と分類しています)