「羊とオオカミ」試写会で杉野遥亮、福原遥ら挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年10月20日】中堅映画配給会社のプレシディオ(千代田区麹町2-3-3、FDC麹町ビル、03-5215-5632)は11月7日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-3、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「羊とオオカミの恋と殺人」の完成披露試写会を開く。

11月29日から一般公開される「羊とオオカミの恋と殺人」((C)2019「羊とオオカミの恋と殺人」製作委員会(C)裸村/講談社)。

11月29日から一般公開されるが、11月7日18時30分からの完成披露試写会を開き、上映前に監督の朝倉加葉子(あさくら・かよこ)さんをはじめ、受験に失敗した落ちこぼれの若者「黒須越郎」役の杉野遥亮(すぎの・ようすけ)さん、黒須の隣の部屋に住む女性「宮市莉央」役の福原遥(ふくはら・はるか)さん、「延命寺玲奈」役の江口(えぐち)のりこさんが舞台に登場してあいさつする。

「羊とオオカミの恋と殺人」はDeNAが配信しているウェブコミック配信サイト「マンガボックス」の2014年第1号から2016年第44号まで掲載された、裸村(らーそん)さんが掲載したスプラッターラブコメディ「穴殺人」が原作だ。講談社の「講談社コミックスマガジンKC」から2014年から2016年まで全8巻(完結)が単行本として刊行されている。

物語は大学受験に失敗し、絶望した毎日を送る黒須は、壁につけたフックで首吊り自殺を図るが失敗し、そのはずみで部屋の壁には穴があいてしまう。その穴からは隣に住む美人で清楚な宮市さんの生活が丸見えとなり、その日から穴をのぞくことが黒須の生きがいとなり、宮市に夢中になっていく。

いつものように穴から宮市をのぞいていた黒須は、彼女が部屋で殺人行為をおこなっているのを目撃してしまう。目撃行為を見つかってしまった黒須は宮市に愛を告白し、2人は付き合うこととなる。2人の交際は順調に進み、黒須は幸せの絶頂にいた。しかし、宮市は黒須とのデート中も構わず殺人を犯していく。

ウイキペディアなどによると、朝倉加葉子さんは1977年山口県生まれ、東京造形大学を卒業、テレビ番組制作会社のアシスタントディレクターを務め、2004年に映画美学校に入学、2008年に映画美学校フィクション・コース第8期高等科を修了、修了作品の「ハートに火をつけて」が「映画美学校セレクション 2008」にて上映された。2010年に女性監督による短編映画の上映企画「桃まつり プレゼンツ(presents)うそ」にて「きみをよんでるよ」が劇場公開された。

2010年に「怪談新耳袋 百物語」の一編「空き家」で商業作品デビュー、2013年、アメリカを舞台としたホラー映画「クソすばらしいこの世界」で長編映画デビュー、2014年に「悪魔召喚」が、BS-TBSにて「スマホラー劇場」の一編として放映された。

チケットはローソンチケットからプレリクエスト先行抽選を受付中で、21日23時59分が締め切り。26日12時から一般発売する。料金は全席指定で2100円均一。作品は「PG12」(12歳未満は、親または保護者の助言・指導が必要)に指定されている。

リコー画廊でコーシュティエ「新しい波」撮影現場と「50年代日本」展

【銀座新聞ニュース=2019年10月20日】国内最大のOA機器メーカーのリコー(中央区銀座8-13-1、03-6278-2111)グループのリコーイメージング(大田区中馬込1-3-6)が運営するギャラリー「リコーイメージングスクエア銀座」(中央区銀座5-7-2、三愛ドリームセンター、03-3289-1521)は10月23日から11月17日まで8階ギャラリーゾーン「A.W.P」でレイモン・コーシュティエさんによる「NEW WAVE CINEMA&JAPAN50s -甦る奇跡の日々」を開く。

リコーイメージングスクエア銀座で10月23日から11月17日まで開かれるレイモン・コーシュティエさんによる「ニュー・ウェーブ・シネマ&日本50年代(NEW WAVE CINEMA&JAPAN50s)-甦る奇跡の日々」に展示される「原爆投下後の広島の路上で遊ぶ子どもたち」(広島、1954年、(C)Raymond Cauchetier, courtesy of Boogie Woogie Photography)。

リコーイメージングスクエア銀座では8月17日から11月17日までの3カ月間、3人のフランス人写真家を特集しており、その第1弾がフィリップ・サルーン(Philippe Salaun)さんで、第2弾がベートランド・フェブレ(Bertrand Fevre)さん、最後にレイモン・コーシュティエ(Raymond Cauchetier)さんの個展を開く。

レイモン・コーシュティエさんは30歳から写真の道に入り、約70年のキャリアをもつ写真家で、インドシナ戦争からキャリアをスタートさせ、その後もアジア諸国を撮影した。日本では作品を通じて木村伊兵衛(きむら・いへえ、1901-1974)と親交をもち、それが縁で日本のカメラ誌に作品が紹介される。

その後、作品を日本で紹介する機会は少なくなり、今回は2つをテーマにして展示する。ひとつがフランス映画史を飾るヌーヴェル・ヴァーグ(Nouvelle Vague)の運動と共に数々の映画のスチールカメラマンとして活躍した作品で、主な展示はジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard、1930年生まれ)監督の「勝手にしやがれ」(1960年)、「女は女である」(1961年)。

フランソワ・トリュフォー(Francois Roland Truffaut、1932-1984)監督の「突然炎のごとく」(1961年)、「アントワーヌとコレット」(1962年)、「夜霧の恋人たち」(1968年)、ジャック・ドゥミ(Jacques Demy、1931-1990)監督の「ローラ」(1961年)、「天使の入江」(1963年)など。

同じく「勝手にしやがれ」のワンシーン、ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo、1933年生まれ)とジーン・セバーグ(Jean Seberg、1938-1979)。シャンゼリゼ通り、パリ、1959年。

作品は映画シーンにとどまらず、映画に登場しないスタッフまで活き活きと写し出している。その鋭い観察眼による撮影はヌーヴェル・ヴァーグがもたらした革命を見事なまでに切り出しているとしている。

もうひとつのテーマは、アジア諸国を撮影した中に日本を撮影したものがあることで、1954年の戦後まもない日本各地を撮影した作品を展示する。それらの作品から被写体に注がれる温かい眼差しを感じることができる。

リコーイメージングでは今回、日本での展示は珍しく、必見の価値があるとし、ふたつのテーマに共通する作品はヒューマニズムに溢れ、まさに甦る奇跡の日々と言えるとしている。展示はモノクロームのゼラチンシルバープリント全34点で、ほかに数量限定で写真集「ニューウェーブ(NEW WAVE)」を会場で販売する。

ウイキペディアによると、「ヌーヴェル・ヴァーグ」は1950年代末に始まったフランスにおける映画運動で、「新しい波」を意味する。広義においては、撮影所(映画制作会社)における助監督などの下積み経験なしにデビューした若い監督による、ロケ撮影中心、同時録音、即興演出などの手法的な共通性のある一連の作家・作品を指す。

狭義には映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」の主宰者であったアンドレ・バザン(Andre Bazin、1918-1958)の薫陶を受け、同誌で映画批評家として活躍していた若い作家(カイエ派もしくは右岸派)およびその作品を指す。

ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、クロード・シャブロル(Claude Chabrol、1930-2010)、ジャック・リヴェット(Jacques Rivette、1928-2016)、エリック・ロメール(Eric Rohmer、1920-2010)らで、ジャック・ドゥミら主にドキュメンタリー(記録映画)を出自とする面々のことを「左岸派」と呼び、一般的にはこの両派を合わせてヌーヴェル・ヴァーグと総称することが多い。

呼称自体は、1957年10月3日付のフランスの週刊誌「レクスプレス」誌にフランソワーズ・ジルー (Francoise Giroud、1916-2003)が「新しい波来る!」と書き、そのキャッチコピーをその表紙に掲げたことが起源とされる。以降、同誌は「ヌーヴェル・ヴァーグの雑誌」をキャッチフレーズとしたのだが、この雑誌で言う新しい波とは、当時話題になっていた戦後世代とそれまでの世代とのギャップを問題にしたものだった。この言葉を映画に対する呼称として用いたのは、映画ミニコミ「シネマ58」誌の編集長であったピエール・ビヤール(Pierre Billard、1922-2016)で、同誌1957年2月号において、フランス映画の新しい傾向の分析のために流用した。

この言葉が用いられる以前から後のヌーヴェル・ヴァーグ的動向は既に始まっていた。トリュフォーは1954年1月号の「カイエ」誌に掲載した映画評論「フランス映画のある種の傾向」において、サルトル(Jean-Paul Sartre、1905-1980)が実存主義の考え方に基づいてフランソワ・モーリアック(Francois Mauriac、1885-1970)の心理小説を例に取り、小説家の神のような全能性を根本的に批判したのにならい、当時のフランス映画界における主流であった詩的リアリズムの諸作品に対し、同様の観点から痛烈な批判を行った。

その論法の激しさからトリュフォーは「フランス映画の墓掘り人」と恐れられたが、これはヌーヴェル・ヴァーグの事実上の宣言文となった。ヌーヴェル・ヴァーグの最初の作品は、もっとも狭義の概念、カイエ派(右岸派)の作家を前提とするなら、ジャック・リヴェットの35ミリ短編「王手飛車取り」(1956年)といわれている。

カイエ派(右岸派)にとって最初の35ミリ長編作品となったシャブロルの「美しきセルジュ」(1958年)が商業的に大成功したことにより、今日においてヌーヴェル・ヴァーグの代表作と言われている作品が制作、公開された。

ヌーヴェル・ヴァーグの評価をより確固たるものにしたのは、アナーキストとアナーキズムを主題としたゴダールの「勝手にしやがれ」(1959年)で、即興演出、同時録音、ロケ中心というヌーヴェル・ヴァーグの作品・作家に共通した手法が用いられると同時にジャンプカットを大々的に取り入れたこの作品は、その革新性により激しい毀誉褒貶を受け、そのことがゴダールとヌーヴェル・ヴァーグの名をより一層高らしめることに結びついた。

一方、左岸派の活動はカイエ派(右岸派)よりも早く、時期的にはアラン・レネ(Alain Resnais、1922-2014)が撮った中短編ドキュメンタリー作品「ゲルニカ」(1950年)や「夜と霧」(1955年)が早くに制作された。

その終焉に関しては諸説あり、最短なものでは1960年代前半の嵐のような動向が一段落するまでの時点であり、最長のものとなると現時点におけるまで「ヌーヴェル・ヴァーグの精神」は生き続けているとしている。

しかし、一般的には過激な論陣を張った1967年のカンヌ映画祭における粉砕事件までを「ヌーヴェル・ヴァーグの時代」と捉えるのが妥当といえる。この時点までは右岸派や左岸派の面々は多かれ少なかれ個人的な繋がりを持ち続け、動向としてのヌーヴェル・ヴァーグがかろうじて維持されていたが、この出来事をきっかけとしてゴダールとトリュフォーとの反目に代表されるように関係が疎遠になり、蜜月関係と共同作業とを一つの特徴とするヌーヴェル・ヴァーグは終焉を迎えることとなった。

レイモン・コーシュティエさんは1920年フランス・パリ生まれ、1951年にインドシナ戦争時にインドシナ半島(当時フランス領)にフランス空軍として駐屯し撮影を行い、1953年に写真集「シエル・ドゥ・ゲール・アン・インドシナ(Ciel de Guerre en Indochine)」を出版、1954年に戦争終結後もインドシナに滞在し、ベトナム、カンボジア、ラオスなどアジア各国を撮影し、1955年に写真集「サイゴン(Saigon)」を出版、1957年にサイゴンで撮られた作品群は、日本やアメリカで高く評価され、世界的に注目される。

1959年から1968年にスチールカメラマンとして数多くの映画のスチール写真を撮影、1973年にフリーのカメラマンとしてヨーロッパやアジア各国を訪れ、極東の国々の美術や人々の生活、ヨーロッパ中世の彫刻などを撮影した。2005年からベトナム、パリ、ロンドンなどで個展を開き、2019年には東京で個展を開いている。

開場時間は11時から19時(最終日16時まで)、火曜日が定休日。入場料は520円。

丸善日本橋で西岡夫婦と天本菜穂子「カンタとマクラメ」展

【銀座新聞ニュース=2019年10月19日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は10月23日から29日まで3階ギャラリーでアナンダ工房とアミーナによる「東と西、装いの手仕事、針仕事展2019-インド・ベンガルのカンタとルーマニアのマクラメ」を開く。

丸善・日本橋店で10月23日から29日まで開かれるアナンダ工房とアミーナによる「東と西、装いの手仕事、針仕事展2019-インド・ベンガルのカンタとルーマニアのマクラメ」に出品されるアナンダ工房オリジナル(左)とアミーナの作品。

染織家の西岡由利子(にしおか・ゆりこ)さんと夫で織を手がける西岡直樹(にしおか・なおき)さんの主宰する「アナンダ工房」(千代田区神田須田町1-17-11、03-3828-2725)と、天本菜穂子(あまもと・なおこ)さんが代表取締役を務めるルーマニアの伝統工芸レース販売の「アミーナ(Amiina)」(福岡県福岡市中央区黒門2-5、092-517-4253)がコラボして、インド・ベンガルのカンタと、ルーマニアのマクラメを販売する。

丸善では「古今東西、手仕事・針仕事は、女性たちの生活と心の両面を支えてきました」とし、2つの工房は「長年現地の手仕事に関わり、その伝統を尊重し、芸術性を高め、オリジナリティある作品を作ろうと努力して」おり、その「新しい手仕事、針仕事の自信作」を紹介する。

アナンダ工房はタッサーシルクやウールの布を素材に、室内でも着られるジャケットやコート、ワンピース、スカート、ベストなど、軽くて暖い自然素材にこだわった衣類、オリジナル織りのジャケットや糸から紡いだオリジナルの「藕糸織(ぐうしおり、蓮の繊維を使った糸による織物)」ショールなどを出品する。

「タッサーシルク」とは野蚕(やさん)のひとつで、品種改良を受けていないために、家蚕(かさん)と比較して一般的に吐糸能力が低く、一つの繭から得られる絹糸は500メートルから800メートル程度にすぎず(家蚕では1500メートルから2000メートル)、希少品として流通している。

家蚕は桑を食べるが、タッサーは沙羅双樹(さらそうじゅ、日本名はナツツバキ)やアルジュンという樹の葉を食べる。絹は家蚕のものより光沢があり張度が強いが、緑がかった薄茶の繭ができ、繭の色がまちまちとされており、家蚕の糸より染色しづらいという問題がある。

タッサーの繭から採れる糸のうち一番多いのが生糸で、色は茶系統で、インドではそれを漂白して、オフホワイトの絹糸として用いられている。

このほかに、ガの出た後の出殻繭や、猿などに食われた穴開き繭など、クズ繭から紡がれる「ギッチャ糸」、タッサーの繭に果物の「へた」のような部分があり、黒褐色のこの部分をたくさん集めて長時間煮沸すると、繊維がほぐれ、糸が紡げ、焦茶色の糸が「ナーシ糸」で、ウールのような風合いの糸という。タッサーシルクは光沢があり、1本の繊維が太く、精練も途中で止めているので、丈夫という。

天本菜穂子さんによると、ルーマニアのマクラメ(結ぶという意味)はルーマニアを含めバルカンや東ヨーロッパで見られる珍しい手編みレースで、一般のレースが狩猟用の「網」が原型といわれ繊細さが特徴なのに対して、マクラメは、立体感が加わり、一線を画している。完成までに膨大な時間を必要とし、手間が大変かかるので、次第に作れる人が少なくなっている。

アナンダ工房は1970年代からインドのウエストベンガル州で、インドの職人である友人たちと一緒に手染と手織りの工房を運営し、その布でオリジナルの服を作っている。素材と色はできる限り自然のものを使っている。インドの樹染めは、沙羅双樹、パラミツ(常緑の高木の果樹)、菩提樹(ぼだいじゅ、インドボダイジュ、高さ20メートル以上に生長する常緑高木で、イチジク属)、アンマロク(別名はゆかんで、果実でハーブのひとつ)などの植物を使用している。

また、2012年2月に西岡直樹さんが文章を、西岡由利子さんがさし絵をてがけた「花みちくさ-身近な植物をめぐる210話」(平凡社)を刊行している。

天本菜穂子さんは熊本県熊本市生まれ、1985年に九州大学を卒業、1993年から3年間、ルーマニアで生活し、現地の手編みレースに触れて、1997年にルーマニアの伝統工芸レース販売の「アミーナ(Amiina)」を設立し、「マクラメ」などの販売を手がけている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)まで。

資生堂ギャラリーでチュンとマエダが選ぶドゥラート、ルギヨンら「脱皮」展

【銀座新聞ニュース=2019年10月18日】国内化粧品業界首位の資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は10月18日から12月22日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル地下1階、03-3572-3901)でジェイ・チュンさんとキュウ・タケキ・マエダさんのセレクションによる展覧会「Surface and Custom」を開く。

資生堂ギャラリーで12月22日まで開かれているジェイ・チュンさんとキュウ・タケキ・マエダさんのセレクションによる展覧会「サーフェイスとカスタム(Surface and Custom、表面と習慣)」に出品される作品。左からピエール・ルギヨンさん、竹岡雄二さん、クララ・リーデンさん。

ドイツ・ベルリンを拠点に活動するジェイ・チュン(Jay Chung)さんとキュウ・タケキ・マエダ(Q Takeki Maeda)さんの2人組が今年4月にドイツのケルン・クンストフェラインで行われた個展「オーラティック・ナレイティブ(The Auratic Narrative)」で、資生堂のビジュアル・イメージを再構成したスライドショー「マウルティング(Moulting)」を発表した。

「マウルティング(Moulting)」とは脱皮や羽化を意味し、日本が近代化する過程において西欧の美学が果たした役割に興味を持った彼らは、資生堂がその先駆的存在として、西欧のモダンアートを積極的に取り入れていたことに注目し、資生堂の広告や前出の印刷物の中からモダンアートやファッション、ディスプレイシステム、都市の生活様式、社会的観念などのテーマに沿ってイメージを抜き出し、ビジュアル・ポエトリーを制作したという。

そこで、今回は「マウルティング」で扱われるテーマをもとにジェイ・チュンさんとキュウ・タケキ・マエダさんの2人が選んだ5人の現代美術の作家、ベルギー人のサーラ・ドゥラート (Sara Deraedt)さん、フランス人のピエール・ルギヨン(Pierre Leguillon)さん、スウェーデン人のクララ・リーデン((Klara Liden)さん、アメリカ人のカリッサ・ロドリゲス(Carissa Rodriguez)さん、日本人の竹岡雄二(たけおか・ゆうじ)さんの作品を展示する。

資生堂ギャラリーによると、サーラ・ドゥラートさんは 目の前で起こっている展覧会という状況に関心を持ち、観客をありのままに存在する作品に直面させることを意図しており、今回は未発表の作品を展示する。

「ミュージアム・オブ・ミステイクス(The Museum of Mistakes、間違い美術館)」を設立、運営するピエール・ルギヨンさんはアートがどのように社会に受け入れられるか、そのシステム自体をわれわれに再考することを問いかけている。彼の作品には、布が頻繁に起用され、今回は久留米絣の織元、下川強臓(しもがわ・きょうぞう)さんと共同制作したペインティング「メリダ(ペインティング・フォー・セール、バイ・ザ・メーター(Merida、Painting for Sale,by the Meter、ペイントはメートル単位で販売)」を展示し、会期中に販売する。

クララ・リーデンさんは、都市のインフラストラクチャーと社会構造を一つの道具とし、そのフレームの中で自身の身体やその存在を発動させる。彫刻やインスタレーション、 自発的に見せる方式で、街が提供するもの、例えば、公共のゴミ箱やATM、標識、フェンスなどの素材を利用し、東京に滞在して制作した新作を発表する。

カリッサ・ロドリゲスさんは、自らを他の分野からアートにやって来たアートへの不法侵入者だと定義しており、アート活動を職業として認識し、いつでも次の世界に行くことができるように、自身の内的、外的、意識的、無意識的な状態を統合しており、作品や展覧会はその企てのための「証拠」と考えている。今回は昨年、ニューヨークのスカルプチャーセンターの個展で発表した映像作品「メイド(The Maid)」を紹介する。

竹岡雄二さんは1970年代に「もの」を現象として考察することから始め、試行錯誤の末、台座そのものを作品とする「台座彫刻」という形式を考案し、作品と共にある空間に意識を向けた「空間の呈示」、さらには「空間ディスポジション(転移・転換)」という概念でアートを実践している。今回は1986年にデュッセルドルフのコンラッドフィシャー・ギャラリーの初個展で発表したドローイングを展示する。

ジェイ・チュンさんは1976年米国マディソン生まれ。キュウ・タケキ・マエダさんは1977年愛知県生まれ、ドイツ・フランクフルト・シュテーデルシューレ大学で出会って以来、共にベルリンに在住し、2002年からコラボを開始し、ベルリンを拠点に活動し、主にヨーロッパ各地やアメリカで展覧会を行っている。日本では2018年に「第10回恵比寿映像祭」、同年に「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」などの展覧会に参加している。

サーラ・ドゥラートさんは1984年ベルギー・リーデケルケ生まれ、ブリュッセルに在住している。

ピエール・ルギヨンさんは1969年フランス・ノジャン・シュル・マルヌ生まれ、ブリュッセルに在住し、2013年に「間違い美術館」をブリュッセルに設立している。

クララ・リーデンさんは1979年スウェーデン・ストックホルム生まれ、ベルリンに在住している。

カリッサ・ロドリゲスさんは1970年アメリカ・ニューヨーク生まれ、現在、ニューヨークに在住している。

竹岡雄二さんは1946年京都府京都市生まれ、現在、デュッセルドルフに在住している。

20日14時からシセイドウ・ザ・ストア(SHISEIDO THE STORE、中央区銀座7-8-10、03-3571-7735)4階のシセイドウ・ザ・テーブル(SHISEIDO THE TABLES)で、ジェイ・チュンさん、キュウ・タケキ・マエダさんと、出品している作家によるギャラリートークを開く。定員は30人で、参加費は無料。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は18時)。月曜日は休み。

銀座三越でラグビーワールド杯決勝ラウンドPV

【銀座新聞ニュース=2019年10月18日】国内最大手の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(新宿区新宿5-16-10)傘下の三越伊勢丹(新宿区新宿3-14-1)が運営する銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は10月20日から11月2日まで9階銀座テラスで、「ラグビーワールドカップ2019 パブリックビューイング in 銀座三越」を開く。

銀座三越が10月20日から11月2日まで「ラグビーワールドカップ2019」の決勝トーナメントのうち、日本戦を中心にパブリックビューイングを開く9階銀座テラス。当日、イスはない。

10月19日からはじまるラグビーワールドカップ2019日本大会の決勝トーナメントの一部の試合について銀座三越がパブリックビューイング(PV)を開く。

ラグビーワールドカップ2019日本大会の決勝トーナメント(準々決勝)は10月19日大分スポーツ公園総合競技場で16時15分からイングランド対オーストラリア戦からはじまり、同日東京スタジアムで19時15分からニュージーランド対アイルランド戦が行われる。

20日大分スポーツ公園総合競技場で16時15分からウェールズ対フランス戦、同日東京スタジアムで19時15分から日本対南アフリカ戦が行われる。

26日横浜国際総合競技場で17時からイングランド対オーストラリア戦の勝者とニュージーランド対アイルランド戦の勝者が対決する。

27日横浜国際総合競技場で18時からウェールズ対フランス戦の勝者と日本対南アフリカ戦の勝者が戦う。

11月1日は東京スタジアムで18時から26日の試合の敗者と27日の試合の敗者が3位をかけて対決する。

11月2日に東京スタジアムで18時から26日の試合の勝者と27日の試合の勝者による決定戦が行われる。

決勝トーナメントにおいては、同点で80分を終了した場合、5分休憩ののち、最初に20分(10分ハーフ)の通常ルールでの延長戦を行う。それでも決着がつかない場合、さらに5分休憩ののち、10分間1本の再延長をサドンデス方式(先にトライ、ペナルティーゴール、ドロップゴールなどによって得点を挙げたチームが勝利し、その場で試合終了となる)を行う。

再延長でも決着がつかない場合、キッキングコンペティション(ゴールキックを5人ずつ、蹴る場所を変えて試技を行い、その合計本数で勝敗を決する。5人終了時で同点であれば、6人目からは片方が成功・失敗に分かれるまで続くサドンデス方式)を実施する。

日本代表は9月20日のロシア戦を30対10で勝利、28日のアイルランド戦を19対12で勝利、5日のサモア戦を38対19で勝利、13日のスコットランド戦を28対21で勝利し、5戦全勝となり、1位で決勝トーナメント進出を決めた。

銀座三越ではパブリックビューイングについては、20日19時15分からの日本対南アフリカ戦、27日18時からの準決勝戦、11月1日18時からの3位決定戦、2日18時からの決勝を実施する。

入場は先着順で、整理券の配布、予約はしていない。満席の場合は入場を断る場合もある。また、飲食物は自由に持ち込める。天候などの影響により、中止など、内容が変更する場合がある。