大丸松坂屋画廊で内田江美展、木炭の線で表現

【銀座新聞ニュース=2020年7月23日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は7月23日から29日まで内田江美さんによる絵画展「線と色彩の痕跡 生命の輝」を開いている。

大丸松坂屋百貨店の「アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー(Artglorieux GALLERY OF TOKYO)」で7月23日から29日まで開かれている内田江美さんの絵画展「線と色彩の痕跡 生命の輝」に出品される「バタフライ(Butterfly)20-20」(キャンバスに油彩、木炭)。

女子美術短期大学を卒業後、服飾デザイナーを経て、作家活動を始めた内田江美(うちだ・えみ)さんが新作約30点を展示する。内田江美さんの作品は、細い木炭で何百、何千と描かれた線が印象的で、キャンバスの上を網の目のように走る線、その間から窺える何度も塗り重ねられた透明感ある色彩の輝きが鑑賞者の心を捉えるとしている。

欧米やアジアなど世界を舞台に作品を発表しており、近年は台湾での活動も多く、2016年には台湾のランドマークである台北101タワーのギャラリーで草間弥生(くさま・やよい)さん、村上隆(むらかみ・りゅう)さんに続き、日本人として3人目の個展を開き、多くの観客を動員した。

内田江美さんは山梨県生まれ、8歳から2004年まで日本画家の安藤峰子(あんどう・みねこ)さんに師事し、女子美術短期大学を卒業、服飾デザイナーを務め、2002年に秋山令一(あきやま・りょういち)さんに銅版画を学び、2005年に個展を開き、2010年に「第3回ヤングアーティストジャパン(Young Artists Japan)2010」で審査員特別賞、2010年に河南省美術館現代美術国際展に出品、2011年に韓国のアートフェアに参加、2016年に台湾で個展を開いている。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。

女性を主人公に、見えないからこそ見ようとさせ、成功した「透明人間」(294)

【ケイシーの映画冗報=2020年7月23日】富豪の科学者、エイドリアン(演じるのはオリヴァー・ジャクソン-コーエン=Oliver Jackson-Cohen)と生活していたセシリア(演じるのはエリザベス・モス=Elisabeth Moss)は、はげしい束縛を強いられる生活からのがれ、警察官の友人ジェームズ(演じるのはオルディス・ホッジ=Aldis Hodge)の家で息をひそめて生活していました。まもなくエイドリアンが自殺したという知らせがとどき、多額の遺産を相続することになります。

現在、一般公開中の「透明人間」((C)2020 Universal Pictures)。

そのころからセシリアは“何者か”の存在を感じるようになります。エイドリアンとの生活によるプレッシャーというだけでなく、実際にものがなくなったり、覚えのないメールが送信されたりします。“見えない存在”を証明することができないセシリアは疑心暗鬼となり、やがては孤立してしまいます。意を決してかつて暮らしたエイドリアンの豪邸に足を踏み入れるセシリア。そこにはエイドリアンの“もうひとつの遺産”が残されていたのでした。

“透明人間”というキャラクターは、英国人作家、H・G・ウェルズ(Herbert George Wells、1866-1946)が1897年に著した「透明人間」(The Invisible Man)に登場するもので、原作では科学者が自作した薬品で自分を透明にしてしまいます。これを映画化したのが1933年の「透明人間」で、原作に忠実な映像化作品でした。

ウイキペディアによると、批評家支持率は91%、平均点が10点満点で7.69点と高評価で、2月28日に全米3610館で公開され、公開初週末に2820万ドル(約28億2000万円)を稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となった。

本作「透明人間」(The Invisible Man、2020年)の監督・脚本であるリー・ワネル(Leigh Whannell)はこの2作品を原作として挙げています。
「ウェルズの小説が出た時や、初めて長編映画化された時、彼(注・透明人間)は人を怖がらせた。だが今の観客はその頃とは違う」(パンフレットより)

今回、重要な登場人物であるエイドリアンが光学技術の専門家、というのは現実味を感じました。「薬品で透明になる」というのは「今や説得力がない」(パンフレット)のです。人体を透明にしても、色素も抜けてしまうと、視覚を得られないそうです。“手さぐりで動く透明人間”では、脚本の組み立てが制約だらけになるでしょう(それはそれで、秀作が生まれるかもしれませんが)。

本作の主役は、透明人間ではなく、対峙するセシリアという女性にしたのはワネル監督の発想なのだそうです。「被害者の視点から描くべきだ。(中略)シーンが次々と脳裏に展開して止まらなくなり、撮影方法まで考えていた。アイデアが僕を選んだんだ。僕が選んだのではなく」(パンフレット)

本作の“透明人間”は、医学薬学ではなく、電子工学で産み出されています。いわゆる“視覚的ステルス(見えない)”の技術で、実際に試験的なものがいくつかの研究機関で開発されていますから、一個人の異能ではないというのも、一連の作品群とは一線を画しています。

本作では“見えない”という部分にフォーカスしているのは、タイトル名だけではありません。

たとえば、亡くなったエイドリアンの遺産をセシリアに託すのは彼の兄の弁護士であり、遺産を受け取るにあたっての“法律的制約”という力が発揮されます。セシリアを助ける妹との家族愛や、彼女を匿う友人ジェームスとの友誼もまた、映像で確認することができないものです。

さらには、セシリアが遺産として受けることになった大金もパワーのひとつです。自分や他者を助けることもできれば(劇中でセシリアが“ほどこし”の行動も)、犯罪やトラブルを誘発することにもなります。

高額の宝くじに当たった人物が、当選する前よりも不幸な状況になるという事例は厖大に存在します。その一方で、こうした幸運を活用して、成功をつかむこともまた、あり得ることです。

本作の制作費は700万ドル(約7億円)と、ハリウッド産としては小規模な作品となっていますが、現時点での興行収入は1億2000万ドル(約120億円)を越えるヒットとなっています。1日の出演料が100万ドル(約1億円)というスターがひしめくハリウッドで、リーズナブルで大きな成功を達成したといえるでしょう。

最後になりますが、偶然、“見える、見えない”について、日本の映画人の一文を見かけました。
「これまで、人は怖いものを見るとパッと目を背けるものだと思っていた。しかし、撮影をしてみると、人は恐怖の瞬間、むしろ、吸いよせられるように対象を見てしまうことに気づいた」(2020年7月19日読売新聞)

記したのはネット配信のホラー作品を配信中の三宅唱(みやけ・しょう)監督です。「見えないからこそ、見ようとしてしまう」、これこそ“透明人間”の本質なのでしょうか。次回は「悪人伝」の予定です(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。

「土間土間」で60分食べ放題の唐揚フェア、ビール、ハイボールも割引で

【銀座新聞ニュース=2020年7月22日】国内第4位の外食グループ、コロワイド(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1、ランドマークタワー)傘下で、焼肉レストランの「牛角」などを運営するレインズインターナショナル(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1、ランドマークタワー、0120-142-029)は7月30日まで「土間土間銀座1丁目店」(中央区銀座1-5-10、ギンザファーストファイブビル、03-5524-3550)をはじめとする全国の「土間土間」113店で「夏の唐揚げ堪能フェア」を開いている。

「土間土間銀座1丁目店」などで7月30日まで実施している「夏の唐揚げ堪能フェア」のフライヤー。

しょう油ベースで、にんにくの下味がついた唐揚げが通常1皿450円(税別)のところを、フェア期間中は60分間食べ放題で390円で提供している。辛さが特徴の「タイ風チリソース」と甘辛酸っぱい「スイートチリソース」」が付いている。

ほかに、「アサヒスーパードライ」(中ジョッキ、通常390円)が150円、「ハイボール」(通常390円)が99円で提供している。ただし、割引後の飲食代金が1人2000円(税抜)以上の場合に利用できる。

制限時間は60分でラストオーダーが45分になる。最初に人数分の盛り合わせを出し、追加オーダーは1人前からできる。ただし、食べ残しは禁止で、「追加料金が発生する場合がございます」としている。

銀座の周辺では「土間土間銀座1丁目店」のほかに、「八重洲店」(中央区日本橋2-3-18、江間忠さくらビル、03-3516-6003)、「新橋西口通り店」(港区新橋3-23-1、Box’R ShinBashiビル、03-5401-3625)、「新橋SL広場店」(港区新橋2-15-7、S-PLAZA弥生、03-3595-4334)などがある。

営業時間は17時からで、閉店時間は各店に確認を。

丸善丸の内で生田宏司「メゾチント銅版画」展

【銀座新聞ニュース=2020年7月22日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は7月22日から28日まで4階ギャラリーで生田宏司さんによる「銅版画(メゾチント)展」を開く。

丸善・丸の内本店で7月22日から28日まで開かれる生田宏司さんの「銅版画展」に展示される「蓮に翡翠」。

メゾチント技法による銅版画家の生田宏司(いくた・こうじ)さんが漆黒の小宇宙に浮かぶ鳥や花などをモチーフにした作品を展示する。

メゾチント(Mezzotint)とは「マニエル・ノワール(黒の技法、maniere noir)」とも呼ばれる版画の凹版技法のひとつで、金属凹版に「ロッカー」というクシのような刃がついた器具で版全体に無数の刻みを入れたり、ささくれ状態の線をつくり、その上を「バニッシャー」や「スクレーパー」という金属のヘラのような器具でささくれを削ったり、ならしたりして絵を描く。

刷る際にはインクを細かな刻みに擦り込んだ後に、刻みのない部分から拭い落とす。これにより、刻みが残っている部分はインクの色が濃く現れ、刻みが削られたり、ならされたりした部分は白く浮き出るという効果が得られ、微妙な明暗の加減を楽しめる。

しかし、この技法はヨーロッパで17世紀に生まれたが、写真術の発達に伴い、一時、途絶えていた。浜口陽三(はまぐち・ようぞう、1909-2000)がメゾチント技法を復興させ、さらにカラーメゾチント技法も開拓した。

生田宏司さんは1953年山形県鶴岡市生まれ、1976年に多摩美術大学絵画科日本画専攻を卒業、1982年に千葉サンケイ現代洋画展で佳作賞、1986年にアメリカの国際ミニチュア版画展でグランプリ、1987年にブラジルのカンピナス国際版画でビエンナーレ賞(最優秀賞)、1987年から1988年のアメリカのワークスオンペーパー展で買上賞、1989年にスペインのカダケス国際小版画展で最高賞、1990年に旧ソ連(ウクライナ)のインタープリント国際版画美術展で名誉メダル賞を受賞した。

1993年にアメリカの第7回国際ミニアチュール版画展で佳作賞、1995年にアメリカのワシントンDCササガワ平和財団USAギャラリーで個展を開いている。1994年から2002年まで東北芸術工科大学非常勤講師、2012年にロレーヌ国際版画ビエンナーレで個展、2013年に喜多方市美術館で個展、2015年にパリ・サンシュルピス広場「版画の日」で個展、2016年にバルビゾンで「インプレション・版画展」に招待出品している。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)まで。

ヴァニラで沙さ綺ゆがみ、寝ル2人展

【銀座新聞ニュース=2020年7月22日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は7月22日から29日まで沙さ綺ゆがみさんと寝ルさんの2人展「アウトラインキラー」を開いている。

ヴァニラ画廊で7月22日から29日まで開かれる沙さ綺ゆがみさんと寝ルさんの2人展「アウトラインキラー」に出展される作品。

ホラーマンガ家の沙さ綺(ささき)ゆがみさんと、画家の寝ル(ねる)さんが「背景と対象、皮膚と内臓、そして人間と別のもの・・・。すべての境界が消失した世界」の中で、「恐怖、怨念、悲喜劇が入り混じった闇の見世物小屋に飛翔する作品群」を展示している。

沙さ綺ゆがみさんは映像作品の特殊メイクやドキュメンタリー番組のディレクターなど映像業界での活動を経て、2015年よりホラーマンガをSNSなどで発表し、画家としても「ギャラリーソラト」(京都府京都市東山区石泉院町394、戸川ビル)を中心に各地のグループ展でアクリル画の作品を発表している。

寝ルさんは2015年から独学で絵を描きはじめ、2016年2月にギャラリーパライソ「奇形大博覧会」に初出展し、その後、グループ展に参加して、作品を発表している。2019年7月に新宿のバーで個展を開いている。

22日から26日は沙さ綺ゆがみさんが来場する。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日と最終日は17時)、入場は無料。入場に際してはマスク着用、検温などがある。