丸善日本橋で「ウッディいるま」が時計、家具など木工品

【銀座新聞ニュース=2021年1月24日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は1月27日から2月2日まで3階特設会場で「ウッディいるま-Woody IRUMA-木工品展」を開く。

丸善・日本橋店で1月27日から2月2日まで開かれる「ウッディいるま-Woody IRUMA-木工品展」に出品される樹木時計。

ウッディいるま社(埼玉県入間市上藤沢739-8)は埼玉県の日和田山(ひわださん)の裾野にスタジオがある親子2人の工房で、木材を加工する楽しさ、樹木の本来持つ魅力的な美しさを作品にしたいと願いながら作業をしている。

2センチのクラフト品から3メートルを超す家具まで「これこそ木で作らなければ意味がない」といわれるような作品作りをめざしており、樹木時計、家具、知育玩具などの木工品を展示販売する。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。

サニーヘルス、減量には腹八分目の食事、軽い運動、毎日体重測定を

【銀座新聞ニュース=2021年1月23日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「10キロ以上の大幅減量を成功に導く方法」を発表した。

毎食、茶碗に軽く1杯のごはん(150グラム、約240キロカロリー)に抑えるようにすると、糖質を食べ続けても減量ができる。

「今年こそやせる!」と、年明けにダイエットを誓った人も多いだろうが、どんなダイエット法で、何キロの減量をめざすのか。体重にばかりこだわるダイエットよりも、筋トレやエクササイズでボディメイクをし、見た目を引き締めることを目標にする人が増えてきてはいるものの、それは体重が標準に近い場合にやるべきことだ。

標準体重から明らかに大きくオーバーしている人、具体的な数値を挙げるとしたら「10キロ以上」の減量が必要な場合は、まずは体重を落とすことを考えたい。10キロ以上の減量は大幅なダイエットになるので、流行りのボディメイクとは押さえておくべきポイントが異なる。では、そのポイントとは?

●大幅減量を成功させるためには?

10キロ以上の大幅なダイエットをする上で重要なポイントを押さえておくことで、ダイエットの成功率を高めることができる。大幅なダイエットを行うには、太った原因である食事、運動、生活習慣の3点を改善する必要がある。

1日の食事の中では昼食をややボリュームがあるようにして、太りやすい夜の食べ過ぎには注意して、軽めにしたい。

1)食事
ご飯の量は毎食150グラムを守る。茶碗に軽く1杯がこの量で、約240キロカロリーになる。できるだけ毎食150グラムを計量して食べるようにする。健康的に糖質を食べ続けるには、この量が「適量」で、パンなら食パン6枚切り1枚が適量になる。

糖質制限をして極端にご飯やパンなどを減らすよりも、適量を食べたほうがダイエット効率は上がる。糖質制限によって体重が減ったとしても、糖質を一生制限し続けることは非現実的だし、やめた途端にリバウンドしてしまう。

白米だけではなく、雑穀を混ぜることや玄米に切り替えれば、食物繊維やミネラルをしっかり摂取できるので、よりヘルシーになる。

〇腹八分目に慣れる
苦しくなるまで食べたり、すぐに横になりたくなるほど食べたりする習慣のある人は、腹八分目で食べるのをやめるようにしてみてはどうか。苦しくなるほど食べるのは明らかに食べすぎだし、その習慣はダイエットのみならず健康面においてもリスクがある。

はじめは物足りなさを感じるかもしれないが、すぐに慣れて普通だと思えるようになる。早食いは食べ過ぎてしまうので、よく噛んでゆっくり食べ、満腹中枢を刺激するようにしたい。

〇間食はOK!ただし食べる内容に注意
スナック菓子やコンビニスイーツなどを間食する習慣のある人は、食べる内容を変えたい。こうした食品は量に対して高カロリーにも関わらず、栄養価が低い。間食自体がよくないというわけではなく、むしろ栄養価の高い「意味のある間食」をすることで、ダイエット促進につながる。タンパク質や食物繊維を摂れるものがいい。

おすすめの間食は、茹で卵、枝豆、ナッツ類(ドライローストのもの)、チーズ、焼き芋、干し柿、ドライフルーツ(砂糖が添加されていないもの)、和菓子(あんこが使われているもの)だ。

2)運動
〇有酸素運動
体脂肪を燃焼させることができる有酸素運動は、ぜひ取り入れてほしい。ただ、はじめはランニングよりもウォーキングがおすすめで、体が重い状態でランニングをはじめるのはハードルが高く、継続することが難しく足腰への負担も大きい。

続けやすく強度の低いウォーキングからはじめるようにする。歩数よりも歩くスピードを速くすることを重視し、1日のトータル時間が20分以上になるようにする。

〇無酸素運動の両方を行う
有酸素運動で体脂肪を燃焼させるのと同時に、無酸素運動でカロリー消費と筋力アップをめざす。無酸素運動というと、ジムや屋外でハードに運動するイメージがあるかもしれないが、自宅で筋トレを行うだけでも十分に効果が得られる。

おすすめはスクワットで、脚と臀部(でんぶ)の大きな筋肉を中心に効率よく鍛えることができる。回数はその時の限界までを、週に2、3回行えば十分。筋トレは毎日行うよりも、筋肉痛になるまでの強度で週に数回行うほうが、筋肥大させるのに効果的だ。

3)生活習慣
体重を毎日計る。いつも同じ体重計で決まった時間に同じ服、というように同じ条件で体重を測る。食べたものがどう体重に影響を及ぼしているのかを自覚するために、食事記録も並行して行うほうがベターだが、まずはじめに体重測定を日課にしたい。

毎日、体重測定をするようになると、少しの増減で一喜一憂してしまうこともあるが、1週間程度の期間で前週と比較するようにし、あまり気にしすぎないようにしたい。

〇食事のボリュームは昼に持ってくる
人間の体には体内時計(概日リズム)があり、同じものを食べるにしても、日中に食べるのと夜に食べるのとでは太り方が異なる。食べる時間が夜遅いほど、太りやすくなる。

1日の食事の中で夕食のボリュームが1番大きい場合は、それを昼食に置き換える。そして、夜は軽めにする。ラーメン、揚げ物、パスタなどの太りやすいメニューが食べたい時も、昼食にすることで太りにくくなる。

〇夜更かしをしない
夜更かしのデメリットは、夕食から時間が空き、お腹が空いて夜食やおやつに手が伸びてしまうだけではない。食欲を司るホルモンであるレプチンやグレリンのバランスが崩れ、食欲のコントロールが難しくなってしまうことにある。遅くても日をまたぐ前には床に就くように心がけたい。

〇継続すること
ダイエットをはじめると、開始すぐには体重が落ちるが、「停滞期」というものがやってくる。それまでと同じようにがんばっても、体重なかなかが落ちなくなる時期だ。

およそ1カ月間に体重の5%以上が減ると、人の体は「飢餓状態かもしれない」と判断し、守りに入る。体にはホメオスタシス(=恒常性)という機能があり、体を維持するために、それ以上体重を減らさないように危機管理を行っている。これが停滞期の正体で、これを解決するには、1カ月間の体重の減少を5%以内に抑えること、ダイエットを継続することが重要だ。

停滞期に入ると焦りを感じるが、必ず終わりが来る。基本的にはそれまでと同じようにダイエットを続けてほしい。

ダイエットにおいて大切なことは正しく続けること、そして、太らない生活習慣を身に着けることだ。今の体型を作っているのは、これまでの食事、運動、生活習慣に他ならない。ほんの少しの変化でもいいので、できることからはじめ、続けることを目標にしてほしい。

丸善日本橋で九州銘木が「屋久杉工芸」、松原瑞雲の仏像も

【銀座新聞ニュース=2021年1月22日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は1月20日から2月2日まで3階ギャラリー特設会場で「九州銘木 屋久杉工芸展」を開いている。

丸善・日本橋店で1月20日から2月2日まで開かれている「九州銘木 屋久杉工芸展」と27日からの松原瑞雲さんによる「仏像彫刻」展に出品される作品。

また、1月27日から2月2日まで3階ギャラリーで仏師の松原瑞雲さんによる「仏像彫刻」展を開く。

屋久杉の「土埋木(どまいぼく)」を使って、仏壇、神棚などを制作している「九州銘木」(鹿児島県鹿児島市東開町3-93、099-267-1366)の作品と、27日から仏像彫刻家で、仏師の松原瑞雲さんが手作りした「仏像」などを展示販売する。

ウイキペディアによると、「屋久杉」は屋久島の標高500メートル以上の山地に自生する杉のことで、狭義にはこのうち樹齢1000年以上のものを指し、樹齢1000年未満のものは「小杉(こすぎ)」と呼ばれる。一般に、杉の樹齢は長くても500年程度だが、屋久杉は栄養の少ない花崗岩の島に生えるため、成長が遅く、木目が詰っており、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくい特徴を持つ。そのため樹木の寿命が長いといわれ、樹齢2000年以上の大木が多い。縄文杉や紀元杉、ウィルソン株が有名である。

1560年頃に大隅正八幡宮(鹿児島神宮)の改築にあたって屋久島からスギ・ヒノキ材が運ばれたことが同神宮の石碑に記されている。これが記録に残る初の屋久杉の伐採利用とされている。1587年の九州制圧後、石田三成(1560-1600)が島津義久(1533-1611)に命じて、屋久島の木材資源量の調査を行っており、1590年頃に小豆島の大型船11隻が京都方広寺大仏殿造営のため、屋久杉材を大阪へ運んだとされる。

江戸時代に入り、屋久島出身で薩摩藩に仕えていた日蓮宗の僧で儒学者の泊如竹(とまり・じょちく、日章=にっしょう、1570-1655)が屋久島の島民の貧困を目にして、屋久杉の伐採を島津家に献策したとされ、1640年頃から山岳部奥地の本格的な伐採が始まった。

屋久杉は船材・建築材などさまざまな形で製品化されたが、多くは「平木」と呼ばれる屋根材に加工され、出荷された。屋久杉は薩摩藩により専売制のもと、販売が独占された。島民は薩摩藩に年貢として主に平木を納め、またそれ以外のさまざまな産物も平木に換算して石高が計算され、いわば「平木本位制」ともいうべき経済統制がおこなわれた。

また、年貢の割り当て分以外の屋久杉は、米その他の品物と交換される形で薩摩藩に買い上げられ、島民の収益となった。明治時代、1873年の地租改正で島の90%以上が国有地とされ、島民による伐採が制限された。これを不服とし、屋久島側が国有林の払い戻し(返却)を求めて裁判を起こすが敗訴した。しかし、これによる島の経済的困窮が問題となり、1921年に山林局鹿児島大林区署によって「屋久島国有林経営の大綱」が発令された。判決で国有林化が決定し、屋久杉伐採は本格的に開始された。2001年に各種の保護区以外の国有林では伐採可能な林分を切り尽くし、天然屋久杉伐採は終了した。

「津山銘木有馬店」によると、「土埋木」とは「土に埋もれた木」のことで、自生している木ではなく、かつて伐採され、山に放置された材木や台風などによって倒れた材木などを総称して「土埋木」という。屋久島の山には、「屋久杉」が「土埋木」として多く残存している。

屋久島が薩摩藩に編入されると、江戸時代に大規模な伐採がおこなわれた。屋久島は石でできた島のため、土地が肥沃にならず、安定的に米を作ることができず、年貢として米に代わって「屋久杉」が収められていた。

年貢には、短冊形の小板(長さ50センチ×幅10センチ×厚さ5ミリ程度)に加工されて上納された。油分が多く、年輪が緻密で、丈夫な屋久杉の特性を活かして、屋根材として利用するためで、この小板を「平木」と呼んだ。このため、加工に向かない繊維の入り組んだ屋久杉は、伐採後も山に放置された。これがいまも山に放置されている「土埋木」になる。

「杉」は上空に向かって真っ直ぐに伸びる木のことで、ここから「杉」と呼ばれ、屋久杉も杉なので真っ直ぐ伸びる。しかし、1000年もの樹齢の屋久杉は、根っこの部分やコブなど、繊維の入り組んだ、真っ直ぐとは言えない部位が出てくる。これらの屋久杉は平木への加工に向かないため、山に放置された。屋久杉は多くの樹脂を含んでいるため、数百年たった今でも朽ちることなく、樹木の姿をとどめている。

屋久島は島の山林の85%が国有林で、屋久杉を含む原生林について国がほとんどを管理している。また、1982年に屋久杉の伐採は禁止されたが、国有林の中で、一部の地域は土埋木に限り搬出が認められている。そのために、伐採禁止後も、現在でも屋久杉が市場に出回っている。林野庁が主体となり、土埋木の競り市が定期的に鹿児島でおこなわれてきたからだ。しかし、このままのペースで搬出が進むと、限定地域の土埋木が数年で枯渇するとみられ、そのため近年、屋久杉の原木価格が高騰している。また、屋久島は1993年12月に世界自然遺産に登録されている。

九州銘木は1977年に設立され、数千年の風雪に耐え、豊富な樹脂分を含んだ樹齢1000年以上の屋久杉の「土埋木」を使って、仏壇、神棚などを制作している。現在、穂原剛太さんが社長を務めている。

松原瑞雲さんは1979年大阪府生まれ、2001年に仏師の松原瑞芳(まつばら・ずいほう)さんに師事し、仏像彫刻の道に入り、2005年に第28回日本美術工芸会展で新人賞(2008年会長賞、2010年大阪市長賞、2013年大阪府知事賞、2018年大阪市立美術館館長賞)。

2009年に「日本美術工芸会」事務局長に選任、2013年に独立し、第49回新創美術展で奈良県知事賞(2014年和歌山県教育委員会賞、2015年兵庫県教育長賞)、第49回秋の小品展で大阪府知事賞(2015年にも大阪府知事賞)などを受賞している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。

ヴァニラでshichigoro-shingo「有機物と無機物」展、SRBGENkら13人

【銀座新聞ニュース=2021年1月22日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は1月23日から2月4日までshichigoro-shingoさんと13人の作家による「機械ノ音」展を開く。

ヴァニラ画廊で1月23日から2月4日まで開かれるshichigoro-shingoさんと13人の作家による「機械ノ音」展のフライヤー。

「ゆっくりと朽ちる黒い機械と白い世界」や「無機物と生物の融合」を描く作家のshichigoro-shingo(シチゴロウ・シンゴ)さんと、hichigoro-shingoさんが推奨するアーティスト13人が「メカニズムと身体」や「有機物と無機物」をテーマにした作品を展示する。

ヴァニラ画廊では「ラディカルに、そしてデカダンに、様々な平面作品・立体作品の中で、ヒューマノイドと人間の主体のありかを探」るとしている。また、会場では作品の販売のほかに、作家のグッズも販売する。

hichigoro-shingoさんが推奨したのは、イラストレーターのSRBGENk(ゲンキ)さん、ジャンクアーティストのJANKLAW(ジャンクロー)さん、絵画、立体作品、本、ゲーム、自転車デザイン、イスなどを製作している作場知生(さくば・ともみ)さん、墨と筆で文字と独特の落款(らっかん)を組み合わせた作品を中心に、デジタルによる人物やクリーチャーのイラスト、オリジナルの文字やロゴデザインを制作している雪駄(せった)さん。

探偵・神宮寺三郎、バーチャファイター、未来忍者、ゼイラム、西遊奇伝・大猿王などマンガ、ゲーム、映画、ブックカバーのイラストレーターの寺田克也(てらだ・かつや)さん、1974年新潟県新潟市生まれ、2001年に京都造形芸術短期大学を卒業した鉛筆画家の土田圭介(つちだ・けいすけ)さん、1961年兵庫県生まれ、イラストレーターで、スチームパンクアーティストの中村一彦(なかむら・かずひこ)さん。

愛知県一宮市生まれ、非現実的な物でありながらも「実在しているかの様な」と錯覚させる不思議な作品を制作する松岡ミチヒロ(まつおか・みちひろ)さん、台湾のマンガ、イラスト、美術デザインを手掛けるイラストレーターのKCN(ケーシーエヌ)さん、イラストレーター、キャラクターアーティスト、デザイナーのFelideus Bubastis(フェリデウス・ブバスティス)さん。

イラストレーター、ミュージシャン、グラフィックデザイナーのFabio Listrani(ファビオ・リストラーニー)さん、オーストラリア・メルボルン出身のコンセプトアーティストのAdrian Dadich(エイドリアン・ダディッシュ)さん、スイスの画家、イラストレーターで、1979年の映画「エイリアン」でクリーチャーデザインを担当し、1980年にアメリカ・アカデミー賞で視覚効果賞を受賞したH・R・ギーガー(Hans Ruedi Giger、1940-2014)の13人。

shichigoro-shingoさんは多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業、2010年ころからインターネット上で作品を公開し、フリーで活動、2010年に「ASIAGRAPH(アジアグラフ)2010 in TOKYO CGアートギャラリー公募展示部門第一部門」で優秀作品賞(2011年に第一部門静止画部門で最優秀作品賞)、2011年に「ASIA DIGITAL ART AWARD(アジア・デジタル・アート・アワード)カテゴリーA:静止画部門」で優秀賞、2012年に「watch more Japan project(ウォッチ・モア・ジャパン・プロジェクト)時計コンテスト」でdedegumo(デデグモ)賞、2013年にチャリティ展「MONSTER(モンスター)展」でAward(アワード)などを受賞している。2018年にヴァニラ画廊で個展を開いている。

開場時間は12時から19時(土・日曜日・祝日17時)で、入場料は予約で500円、当日が700円。無休。入場に際してはマスク着用、検温などがある。時間指定有のチケット制で、定員制で1時間単位で入れ替えとなる。ライブポケット(https://t.livepocket.jp/t/te9i_)を通じて予約する。

スタントの歴史的な「影」の部分に触れた「スタントウーマン」(307)

【ケイシーの映画冗報=2021年1月21日】ベテランのスタントマンが主役のアメリカ映画「グレートスタントマン」(Hooper、1978年)の冒頭は、撮影の準備を整える主人公のシーンからはじまります。

現在、一般公開中の「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」((C)STUNTWOMEN THE DOCUMENTARY LLC 2020)。

タフなキャラクターで人気を得たバート・レイノルズ(Burt Reynolds、1936-2018)が演じるフーパーが、バイクのスタント撮影にのぞみ、テーピング、コルセット、パッドで身体中の古傷をカバーしていくというその姿は、まさに満身創痍で、ウィスキーをあおって仕事に向かう姿は、悲壮感すらただよわせていました。

自身もスタント経験者で、レイノルズのスタントも経験しているハル・ニーダム(Hal Needham、1931-2013)監督による説得力のある情景となっています。

前回の「燃えよデブゴン」のドニー・イェン(Donnie Yen)やハリウッドではトム・クルーズ(Tom Cruise)らが、危険なシーンにも自身でのぞんでいますが、撮影の状況などで、スタントマン(ダブル)やボディダブル(代役)といった“ふきかえ”は存在しています。

トム・クルーズも自身のヒットシリーズ「ミッション:インポッシブル」(Mission:Impossible)シリーズのパロディ映像で、ボディダブルの存在を(実像ではないでしょうが)コミカルに伝えています。

しかし、映画の登場人物は成人男性だけではありません。女性や子どもも出演しますし、ストーリー上の特別扱いということはないのです。かつてのハリウッドでは、女装した男性が女優のスタントを担当していましたし、小柄な男性スタントマンは女性や子どものスタントシーンに欠かせない存在だったといいます。

本作「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」(Stuntwomen:The Untold Hollywood Story、2020年)は数々の名作、大作、話題作に出演し、危険なアクションに身を投じる女性たちの姿を過去と現代にわたって伝えるドキュメンタリー映画です。

パニックのなか逃げまどう人々、ハードなドライビングで火花を散らすカークラッシュ、爆炎をくぐり抜けての脱出といった、だれにでも理解しやすいシーンだけでなく、格闘や馬に飛び乗るシーン、動き出した列車への駆け込み乗車といった“素質によっては俳優本人でもなんとかなりそう”な場面でも、スタントは使われています。

ハリウッドで活躍するミシェル・ロドリゲス(Michelle Rodriguez)は、高い評価を受けた初主演作「ガールファイト」(Girl Fight、2000年)から一貫してアクション作がおおく、自身のスタントをふくめ、スタントウーマンたちとの交流があり、本作でもガイド役として出演しています。

そのなかで興味深いエピソードがありました。カー・アクションのヒット作「ワイルド・スピード」(The Fast and the Furious,2001年から)シリーズの一作で、女子プロ格闘家であるロンダ・ラウジー(Ronda Rousey)とはげしい格闘をするのですが、そのシーンにおいて、ラウジーにもスタントがあったとコメントしているのです。

ロドリゲスは当然として、オリンピックの柔道銅メダリストでアスリートであるラウジーにもスタントがあったということは、“適材適所”が徹底されているハリウッド・メジャーのシステムが実感されます。なお、何度見返しても、同一人物が戦いを繰り広げているようにしか見えませんでした。

この作品で興味深いのは、スタントとスタントウーマンの“影”の部分にもふれている点です。初期のスタントウーマンは、映画ではなく、一段下に見られていた1970年代のテレビドラマでの活躍がメインであったこと。男女差別だけでなく、人種による差別も存在していたこと。

そして、どうしても避けることができない事故。とくに撮影中に死亡事故が発生した「ジェット・ローラー・コースター」(Rollercoaster、1977年)に参加し、大きな怪我を負ったというスタントウーマンの証言にな感銘を受けました。「(死んだのは)自分だったかもしれない」という恐怖は、スタントに直接かかわる人物にしか、生まれない感覚なのでしょうから。

最後にスタントについてのエピソードを。あるスタントマンは、自身で危険なシーンを演じるハリウッドスターの“スタント”をこっそり撮影したそうです。完成した映画を観たスターは「自分ですべて(スタントを)こなした」と断じていたそうですが、本人の顔が映るシーン以外はスタントマンの映像だったのです。
「本人にもバレない演技だったんだ。スタントマン冥利だよ」

なお、記憶だけの記述なので、精緻な筆致ではないことをご了承ください。次回は「ヤクザと家族 The Family 」の予定です(敬称略。【ケイシーの映画冗報】は映画通のケイシーさんが映画をテーマにして自由に書きます。時には最新作の紹介になることや、過去の作品に言及することもあります。当分の間、隔週木曜日に掲載します。また、画像の説明、編集注は著者と関係ありません)。